震えているのは 寒いからじゃないの解って
貴方から吹いて来る 冷たい風のせいなの
白い壁にはりついた 冬枯れ蔦のひび割れ模様
心の中にひろがって 言葉探せない
うつむく私に 時は待ってくれないけれど
このままじゃ帰れない 聞かせてほしいの 何故?
風に吹かれて、「サヨナラ」が 枯れ葉の道をころがり消えてゆく
涙に霞む私には 行方探せない
だから、ねぇねぇねぇねぇ 抱いてよ
いつものグッバイ言う時みたいに 抱き寄せて
たった一言で 別れ告げないで
だから ねぇねぇねぇねぇ 抱いてよ
せめて 温もりを
だから、ねぇねぇねぇねぇ 抱いてよ
いつものグッバイ言う時みたいに 抱き寄せて
たった一言で 別れ告げないで
だから ねぇねぇねぇねぇねぇねぇ 抱いてよ
背中向けないで
ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ 抱いてよ
せめて温もりを
ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ 抱いてよ
背中向けないで
「車内、冷え冷えといたしまして、たいへん申し訳ございません。冷たい風のせいで、冷えすぎて、お困りの方は、譲り合って、隣の弱冷車の車両にお移りください。なお、冷え性の女性のお客様には、のちほど温かいほかほかカイロ、毛糸のパンツなどの車内販売がまいりますので、ご利用くださいませ。」
・・・なんて、国鉄(現JR)の車掌時代の伊藤敏博さんが、車内放送で言ったか、どうだかは、記憶にありません。(笑)
でも、歌番組の中継で、やたらと電車の車内や、駅のプラットホームで、伊藤さんが歌っていたことはとても記憶に残っています。(笑)
ポプコンでグランプリを取ってシンガーソングライターとしてプロデビューしてからも、国鉄がJRに民営化するまで、伊藤さんは国鉄職員だったそうです。
それにしても、この曲、ねぇねぇ・・・のリフレインは、ほんとうに強烈でしたよね。
もちろん、先輩格の円広志さんの「夢想花」の飛んで飛んで・・・というのがあるにはありましたけど。(笑)
たった一言で 別れ告げないで・・・
二人で過ごした時間の長さを考えれば、いつものデートの終わりのような、短い別れの言葉だけで済まさないで、それも、抱きしめてもくれずに、言葉だけなんて・・・。
・・・でも、別れようとする二人が、多くを語れば、それこそ修羅のごとくに、傷つけ合うことだけは、目に見えている。
ひとときの温もりは、冷めたときに、よりいっそう心を凍らせる。
だからこそ、たった一言で別れを告げようとするのに。
いずれにしろ、どんなにリフレインで、叫んだところで、過ぎていった時間は、戻ってこない。
ましてや、風に吹かれたひとひらの木の葉のように、離れ去って行った心と身体は、もう決して戻ってはこないということは、誰でもない自分自身が、一番よく知っていることでしょう。
それでも、やはりそう叫ばずにはいらない。
だからこそ、よりせつない、リフレインなのかも知れませんが・・・