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濃い紅色の一重の花弁椿の縁を白く彩る「玉の浦」(椿シリーズ 21-04)

2021年03月20日 09時06分58秒 | 

濃い紅色の一重の花弁椿の縁を白く彩る「玉の浦」。ラッパ咲きの白の覆輪の種で、珍重されたらしい。どこか和菓子のようにもみえるのがかわいい。名前はこのヤブツバキ系の花が長崎県五島列島福江島玉之浦町の野生のヤブツバキから選ばれたためである。

(2021年早春 横浜市)

玉之浦
Tama-no-ura (長崎・五島)
【花】 濃い紅地に白覆輪の一重、筒~ラッパ咲、筒しべ、中輪、1~4月
【葉】 長い楕円形、中型
【樹】 立性、枝はやや垂れる。
【来歴】 1970年代
長崎県五島列島福江島玉之浦町の野生のヤブツバキ林より選抜。

藤田友一の発表、県ツバキ協会の命名・発表。

江戸時代の文献に「縁白」と記載のあるツバキは存在したが、現代これに見合うツバキは絶滅した(この他にも絶滅したとされている品種は多くある)。しかし、1970年代、偶然発見され、県ツバキ協会の展示会に出品され幻のツバキとして騒がれたとある。その後、原木は業者や多くのファンに枝を採取され裸同然の姿で枯死したという。

 しかし、その行為もあって今日では誰でも簡単に入手でき(当時は需要も多く高価ではあったが)、日本だけではなく、世界中で‘玉の浦’は栽培されている。はたして、‘玉の浦’にとって世界中に自分を繁殖できたことがよかったのか、東シナ海を臨むヤブツバキ林で人知れずひっそりと咲いているのがよかったのか、そのこたえは人々の心の中にある。

 

■椿シリーズ
「白角倉」(椿シリーズ 21-01)
「六歌仙」(椿シリーズ 21-02)
「太郎冠者」(椿シリーズ 21-03)

■椿山茶花シリーズ
「菊冬至」(椿山茶花シリーズ 20-01)
「曙」(椿山茶花シリーズ 20-02)
「夕陽」(椿山茶花シリーズ 20-03)
「白卜伴」(椿山茶花シリーズ 20-04)
「赤腰蓑」(椿山茶花シリーズ 20-05)
「玉芙蓉」(椿山茶花シリーズ 20-06)
「一子侘助」(椿山茶花シリーズ 20-07)
「肥後入日の海」(椿山茶花シリーズ 20-08)
「七福神」(椿山茶花シリーズ 20-09)
「昭和の栄」(椿山茶花シリーズ 20-10)
「富士の峰」(椿山茶花シリーズ 20-11)
「緋乙女」(椿山茶花シリーズ 20-12)
「光源氏」(椿山茶花シリーズ 20-13)
「三国紅」(椿山茶花シリーズ 20-14)
「乙女サザンカ」(椿山茶花シリーズ 20-15)
「剣の舞」(椿山茶花シリーズ 20-16)
「大空」(椿山茶花シリーズ 20-17)
「敷島」(椿山茶花シリーズ 20-18)
「静海波」(椿山茶花シリーズ 20-19)
「不二の雪」(椿山茶花シリーズ 20-20)
「桃源郷」(椿山茶花シリーズ 20-21)
「京錦」(椿山茶花シリーズ 20-22)
「花大臣」(椿山茶花シリーズ 20-23)
「明行空」(椿山茶花シリーズ 20-24)



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