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無理矢理ロバに水を飲ませるな

2008-11-13 20:56:27 | 捕鯨騒動
各方面から非難を浴びている日本の「調査捕鯨」。
そんな日本の「調査捕鯨」で、今季(?)における捕獲目標を削減することが決まったのだが・・・。
・調査捕鯨、初めて捕獲目標を削減へ 年間で約1割(2008年11月13日 asahi.com)

この捕獲目標削減ってのは、実は初めてのことだったとか・・・。
以下、asahi.com の記事から前半部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
政府の調査捕鯨の捕獲目標が初めて削減されることが12日わかった。
近く出航する今季の南極海での捕獲目標を約2割減らして750頭程度とし、年間全体でも約1割減ることになる。
捕獲数は目標を下回る傾向にあるが、目標そのものを引き下げるのは87年の調査開始以来初めて。
反捕鯨団体の反対活動や、鯨肉の需要低迷を考慮した。

 日本の調査捕鯨は国際捕鯨取締条約に基づき、南極海と北西太平洋の2海域で実施している。
年間捕獲目標は現在約1300頭。
秋から春にかけた南極海の調査捕鯨が主力で、目標はクロミンククジラ850頭、ナガスクジラ50頭としている。
政府はこのうちクロミンククジラを700頭に減らす方針を固めた。
(以下略)
---- 引用以上 ----

捕獲数が目標を下回るって・・・どんだけドンブリ勘定なんだよ(違)。
意地の悪い捉え方をすれば、暗に今までの「調査捕鯨」で鯨を余計に捕獲してたのを日本政府が認めた格好になるか。
だって、市場に出す鯨肉はあくまで「オマケ」なのだから・・・。


しかし、この削減には鯨肉の需要低迷も追い討ちをかけてるっぺぇ。
・鯨肉専門店閉店・捕鯨船乗組員辞職・出港式中止 ――南極海鯨類捕獲調査の基盤ゆらぐ(2008年11月12日 greenpeace.or.jp)

以下、greenpeace.or.jp の記事から花岡 和佳男氏のコメント部分を引用しておく。
ただし、一部修正してるけど・・・。
---- 以下引用 ----
(中略)
「鯨研の資金繰りの悪化は、捕獲数の減少に伴うものではありません。また水産庁の発表統計を見ると、国内における鯨肉在庫量は増加傾向にあるこということが一目瞭然です。これらは日本の市場に鯨肉需要がないことが原因であることを顕著に示しています」とグリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当花岡和佳男は話す
。「このような状況の中で南極海鯨類捕獲調査を継続することを見直していただき、捕鯨船団の出航を中止して欲しい」。
(以下略)
---- 引用以上 ----

実は、greenpeace.or.jp の記事では農林水産省が出した冷蔵水産物流通量(全国主要冷蔵庫)における鯨肉の在庫状況を紹介している。
ただ、2008年1月と2008年9月時点での在庫量だけ紹介してるので、これだけだと鯨肉の需要が減ってるのかハッキリしない。
ってことで、↓から2004年1月→2008年9月分の全国分鯨肉在庫量・入荷量・出荷量(単位 t)について引用しておく。
・冷蔵水産物流通量(農林水産省)

最初は在庫量について。
---- 引用以上 ----
2004年1月末時点:2,040
同年2月末:1,809
同年3月末:1,617
同年4月末:2,408
同年5月末:2,254
同年6月末:2,541
同年7月末:2,515
同年8月末:2,573
同年9月末:3,129
同年10月末:4,031
同年11月末:3,898
同年12月末:3,634

2005年1月末時点:3,276
同年2月末:3,048
同年3月末:2,837
同年4月末:4,539
同年5月末:4,330
同年6月末:4,082
同年7月末:4,226
同年8月末:4,804
同年9月末:4,564
同年10月末:4,220
同年11月末:3,890
同年12月末:3,512

2006年1月末時点:3,185
同年2月末:2,898
同年3月末:3,610
同年4月末:5,969
同年5月末:5,741
同年6月末:5,490
同年7月末:4,672
同年8月末:5,274
同年9月末:5,222
同年10月末:4,962
同年11月末:4,403
同年12月末:3,904

2007年1月末時点:3,365
同年2月末:3,161
同年3月末:4,590
同年4月末:4,404
同年5月末:4,175
同年6月末:3,855
同年7月末:3,327
同年8月末:3,875
同年9月末:4,214
同年10月末:3,798
同年11月末:3,510
同年12月末:3,133

2008年1月末時点:2,832
同年2月末:2,485
同年3月末:2,368
同年4月末:3,640
同年5月末:3,690
同年6月末:3,630
同年7月末:3,254
同年8月末:4,058
同年9月末:4,209

---- 引用以上 ----

次は、月ごとの鯨肉入荷量。
---- 以下引用 ----
2004年2月分入庫量:156
同年3月分:134
同年4月分:1,054
同年5月分:103
同年6月分:491
同年7月分:577
同年8月分:763
同年9月分:959
同年10月分:1,266
同年11月分:256
同年12月分:230
合計入庫量(参考):5,989

2005年1月分入庫量:160
同年2月分:156
同年3月分:149
同年4月分:2,050
同年5月分:109
同年6月分:145
同年7月分:879
同年8月分:1,325
同年9月分:210
同年10月分:207
同年11月分:195
同年12月分:247
合計入庫量:5,832

2006年1月分入庫量:224
同年2月分:149
同年3月分:1,539
同年4月分:2,920
同年5月分:129
同年6月分:163
同年7月分:905
同年8月分:1,387
同年9月分:644
同年10月分:233
同年11月分:349
同年12月分:308
合計入庫量:8,950

2007年1月分入庫量:462
同年2月分:397
同年3月分:2,159
同年4月分:278
同年5月分:240
同年6月分:436
同年7月分:707
同年8月分:1,044
同年9月分:825
同年10月分:297
同年11月分:429
同年12月分:309
合計入庫量:7,583

2008年1月分入庫量:109
同年2月分:119
同年3月分:374
同年4月分:2,021
同年5月分:514
同年6月分:254
同年7月分:522
同年8月分:1,592
同年9月分:846
合計入庫量(参考):6,579

---- 引用以上 ----

最後は、月ごとの鯨肉出荷量。
---- 以下引用 ----
2004年2月分出庫量:387
同年3月分:326
同年4月分:260
同年5月分:257
同年6月分:204
同年7月分:603
同年8月分:631
同年9月分:403
同年10月分:364
同年11月分:389
同年12月分:494
合計出荷量(参考):4,318

2005年1月分出庫量:518
同年2月分:384
同年3月分:360
同年4月分:348
同年5月分:318
同年6月分:383
同年7月分:745
同年8月分:747
同年9月分:450
同年10月分:551
同年11月分:525
同年12月分:626
合計出荷量:5,955

2006年1月分出庫量:551
同年2月分:436
同年3月分:827
同年4月分:561
同年5月分:357
同年6月分:414
同年7月分:1,723
同年8月分:785
同年9月分:696
同年10月分:493
同年11月分:908
同年12月分:807
合計出庫量:8,558

2007年1月分出庫量:551
同年2月分:601
同年3月分:730
同年4月分:464
同年5月分:469
同年6月分:756
同年7月分:1,325
同年8月分:502
同年9月分:486
同年10月分:739
同年11月分:717
同年12月分:448
合計出庫量:7,788

2008年1月分出庫量:410
同年2月分:466
同年3月分:491
同年4月分:749
同年5月分:464
同年6月分:314
同年7月分:898
同年8月分:788
同年9月分:695
合計出庫量(参考):5,275

---- 引用以上 ----

つまり、日本国内外での「調査捕鯨」が終わることが多い 3月・4月と7・8月に鯨肉の在庫量と入庫量が増える傾向がある、といえる。
出庫量が増える原因は良くわからないけど、加工用での出荷が多いのか?
いずれにしろ、鯨肉の需要が減ってるかどうかの判断は在庫量の大小から判断できない、ってのは確かだな。


それにしても。
政府が無理矢理鯨肉の消費を喚起しても、あまり鯨肉の消費拡大に繋がらなかったのはどういうことなんだろう?


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2 コメント

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Unknown (kkneko)
2008-11-16 19:35:38
ちょうどリンク先で在庫問題に関する詳細な記事の連載を始めました。みんな首をかしげるところは一緒ですね(^^; 
返信する
kknekoさんへ (flagburner)
2008-11-16 21:35:26
コメントありがとうございます。

>みんな首をかしげるところは一緒ですね(^^;
「調査捕鯨」での捕獲目標数でしょうか?
まぁ、毎年「調査捕鯨」で捕獲目標数を下回る数の鯨を捕獲してる状況なら、突っ込みたくなるのが人情なので(笑)。
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