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2020年夏季五輪の東京招致に反対する人々は「身勝手」らしいが

2012-07-29 21:30:06 | 五輪招致ネタ
極一部の好事家の方々から注目を浴びている Blogos 上で、2020年東京五輪招致に反対する人達を世代間対立に絡めて dis る記事を見つけてしまった・・・。
・東京五輪に反対する人々の身勝手(2012年7月28日 blogos.com)

↑の記事を書いた 宮島 理氏ってのは(思想的な意味で)札付きな人らしい。
そんな宮島氏は、上の記事の冒頭、ロンドン五輪開会式の演出(聖火リレーの最終走者のセーリング選手など10代の若者7人が聖火台に点火した)をネタにして、2020年夏季五輪を東京へ招致することの正当性を訴えていた。
以下、2012年7月28日分 blogos.com『東京五輪に~』から前半部分を(略
ただし、[]内は俺が追加した補足。

---- 以下引用 ----
(中略)
イギリスのキャメロン首相は、行き過ぎた多文化主義が同国の荒廃を招いたと反省していることで知られる[おまけ参照]。
これは、異文化を排除するという意味ではなく、イギリスという国の基盤を守ってきた伝統的価値観が、世代から世代へと受け継がれなくなったことへの危機感だろう。

 歴史の連続性を失った社会は、高齢世代が国富と資源を食い尽くし、若年世代は規範と希望を失っていく。
高齢世代も若年世代も、刹那的に生きるようになり、次世代に守るべきものをつないでいくという意識が希薄になる。

 五輪というのは、ただのスポーツイベントに過ぎないけれども、同時にそれ以上の大きな意味も持つ。
今日の開会式を見たイギリス人は、老いも若きも歴史の連続性を再発見したに違いない。
何より、世代を超えてこうしたイベントを楽しむことができるという精神が、イギリスという国を“更新”させていくだろう。

 私は、日本でもそうしたイベントが必要だと考えている。
その意味で、2020年の東京五輪が実現すれば、日本人にとって大きな転機となり得る。
国威発揚のためのイベントは不要だが、歴史の連続性を実感させるイベントは、今の日本にこそ必要なものだ。
(以下略)
---- 引用以上 ----

・・・歴史の連続性云々を語るのは国威発揚の手段になりうるのだが。
それこそ、「○○って古い歴史を持ってるから~」「それにひきかえ、××は歴史が浅いから~」という具合に・・・。
宮島氏はこの危険性について気づいてないんだろうか?


だが、宮島氏は、もっとぶっ飛んだ理由で 2020年夏季五輪を東京へ招致することの正当性を(略
以下、2012年7月28日分 blogos.com『東京五輪に~』からさっきの続きを(略

---- 以下引用 ----
(中略)
2020年には、私はもう40代半ばである。
社会を支える年代ではあるが、次世代につないでいく作業が多くなってくる年代でもある。
東京五輪は私自身が楽しみたいというよりも、やはり子の世代に見せてやりたい。
 実際、10代の人なんかと話していると、「東京五輪[を]見たい」という人が結構いる。
しかし、30代、50代……と年齢が上がるにつれて、「東京五輪なんて興味ない」という割合が増えていく。
ひどい場合には、「日本での夏季五輪は一回見たからもういい。そんなカネがあるなら高齢者への福祉をもっと充実させろ」という意見があって、これが高齢者の間で少なくない。(もちろん、高齢者でも東京五輪を推進するだけの“更新”的精神を持つ人はいる)

かつては土建バラマキによる建設国債発行、その後は福祉バラマキによる赤字国債発行で、現在の高齢者はすべてのツケを次世代に回している。
そういう人々が、「そんなカネがあるなら福祉に回せ」と東京五輪に反対するのは、二重の意味で身勝手と言うしかない。
(以下略)
---- 引用以上 ----

宮島氏の言う「10代の人なんか」って、まさか自分の親戚筋の(略)

つか、2020年夏季五輪招致に反対する理由ってのは、「そんなカネがあるなら福祉に回せ」だけじゃないのだが。
東京で五輪を開催する必然性がないとか、人種差別発言を繰り返す石原 慎太郎東京都知事が招致活動の旗振り役をしてる以上五輪の理念と相容れないとか・・・。
いずれにしろ、宮島氏の唱える「歴史の連続性を実感させるイベントは、今の日本にこそ必要なものだ」という理由で 2020年夏季五輪を東京に招致するのに賛成する必然性はないかと。
それこそ、五輪以外の別のイベントで「歴史の連続性」を実感できるんじゃね~の?って話でさ・・・。


それにしても。
宮島氏は、どのような場面で日本の「歴史の連続性」を実感するんだろうか?


おまけ:CAMERON 首相の例の発言ってのは、ドイツはミュンヘン(Munich)で行われていた ミュンヘン安全保障会議でのこと。
↓演説内容。
・PM's speech at Munich Security Conference(2011年2月5日 number10.gov.uk)

この演説で CAMERON 首相は、(数はさほどでもないのに)イスラム過激派(・・・)に取り込まれてる人達が英国にいることの原因を多文化主義云々と述べていた。
以下、2011年2月5日 number10.gov.uk『PM's speech~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
What I am about to say is drawn from the British experience, but I believe there are general lessons for us all. In the UK , some young men find it hard to identify with the traditional Islam practiced at home by their parents, whose customs can seem staid when transplanted to modern Western countries.
But these young men also find it hard to identify with Britain too, because we have allowed the weakening of our collective identity.
Under the doctrine of state multiculturalism, we have encouraged different cultures to live separate lives, apart from each other and apart from the mainstream.
We’ve failed to provide a vision of society to which they feel they want to belong.
We’ve even tolerated these segregated communities behaving in ways that run completely counter to our values.

So, when a white person holds objectionable views, racist views for instance, we rightly condemn them. But when equally unacceptable views or practices come from someone who isn’t white, we’ve been too cautious frankly – frankly, even fearful – to stand up to them.
The failure, for instance, of some to confront the horrors of forced marriage, the practice where some young girls are bullied and sometimes taken abroad to marry someone when they don’t want to, is a case in point.
This hands-off tolerance has only served to reinforce the sense that not enough is shared.
And this all leaves some young Muslims feeling rootless.
And the search for something to belong to and something to believe in can lead them to this extremist ideology.
Now for sure, they don’t turn into terrorists overnight, but what we see – and what we see in so many European countries – is a process of radicalisation.
(以下略)
---- 引用以上 ----

・・・チラ読みした範囲では、CAMERON 首相が演説で示したのは「イギリスという国の基盤を守ってきた伝統的価値観が、世代から世代へと受け継がれなくなったことへの危機感」とは思えない。

つか、CAMERON 首相の例の演説については非常に問題のあるブツだった模様。
この辺は以下参照(手抜き)
・Multiculturalism: Mr Cameron's crude caricature solves no problems(2012年2月5日 guardian.co.uk)
・David Cameron's muddled speech on multiculturalism(2011年2月11日 economist.com)



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6 コメント

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Unknown ()
2013-02-11 00:58:09
あまり言いたくありませんが、宮島氏の東京オリンピックの正当性は、今の子供の世代に見てもらいたいというだけの理由で述べているとは思いません。宮島氏自身が、東京でオリンピックを開催し、ご自身の懐を厚くしたいだけの我欲にしか受け取れません。

オリンピックを誘致するのは、駄目とまでは言いません。しかし、東京に誘致する大義名分とは何か?それに対するインパクトのあるものとは何か?ということだと思いますがね。

今、夏のオリンピックを誘致できる日本の都市は、北海道の各都市、東北北部の各都市ぐらいしかないのでは無いのではないか?思われますね。

東京だとオリンピックの私物化というかなり悪い印象が伝わってくるのは、私自身だけでしょうか?

日本国民は、東京にオリンピック誘致したいだけの熱烈支持者はそう多くはなく、むしろ、北海道等の地方都市でのオリンピック開催の方が熱烈な支持者が多いかと思われます。
返信する
。 さんへ (flagburner)
2013-02-11 22:03:34
コメントありがとうございます。


>宮島氏自身が、東京でオリンピックを開催し、ご自身の懐を厚くしたいだけの我欲にしか受け取れません。
そうなんですよね。
自分の子どもに見せたい云々と言いつつ、世代間対立を煽る言説を振りまく宮島氏はどうしようもないです。

>東京に誘致する大義名分とは何か?それに対するインパクトのあるものとは何か?ということだと思いますがね。
2020年の東京五輪招致を支持しない人達が多いのは、まさにそこなんですよね。
招致運動を行ってる人達の中で、これに関する「答え」を明確に示せる人がいないとも言えますが・・・。

>東京だとオリンピックの私物化というかなり悪い印象が伝わってくるのは、私自身だけでしょうか?
私もです。
そうした印象を抱かせる酷いメッセージの山で五輪招致を唱えてる姿勢は、一回転して哀れにすら見えてしまいます。
本当にどうしてこうなった・・・。

>、北海道等の地方都市でのオリンピック開催の方が熱烈な支持者が多いかと思われます
実際、。さんのコメントを裏付ける調査結果もあるくらいですし・・・。

本社世論調査:東京五輪支持上向き72% 地元は今ひとつ(2013年2月3日 毎日jp)
ttp://mainichi.jp/select/news/20130204k0000m010088000c.html

この結果については、良くも悪くも東京都の人達の方が五輪招致について関心が高いのを示してるとも言えます。
自分達の問題として捉えてる程度の違いかもしれませんが・・・。


返信する
Unknown ()
2013-02-19 12:55:55
東京での開催は極めて困難かと思われます。

東京における開催が困難な理由は以下の通りです。

1:東日本大震災の復興が遅れていること。

2年近くが経過しようとしても、ガレキの処理進まず東京の方はオリンピック誘致にしか目が言っておらず、本来行うべき優先順位が行われていないこと。

2:福島の原発事故が、収束が出来ていないこと。

現在でも、福島第一原子力発電所の放射能が少なからず出続けていること。今のままでは、数十年以上は収束する見通しが立たないこと。

3:東京における夏の気候が厳しすぎて、選手を派遣するに値しないこと。

最高気温が都心で、36.0℃前後になる日もあり、最低気温が26.0℃前後しか下がらない日が多いこと。猛暑日・熱帯夜となり、選手を東京に派遣するには厳しすぎることが言える。

4:東京オリンピックを誘致したとしても、経済効果はあまり期待できない。

1964年の東京オリンピックとは、状況が異なっており、2020年にオリンピックを誘致してとしてもおそらく、交通規制をかけないわけにはいかない状況が生まれ、実際に規制をかけるようなことがあればトラブル等の事件性などが発生する恐れがあること。経済効果は、おそらくあまり期待できない。むしろ、借金が増えるだけのことで、2021年の経済はものすごく悪くなることだけは100%間違いない。

5:大義名分無きオリンピック誘致は、全くの無意味である。

今の東京におけるオリンピック誘致の大義名分は、1つもございません。日本の地方都市なら大義名分は大いにあるかと思われます。IOC側すれば寄付するだけで十分だし、立候補させても誘致は絶対させないという方針が既に出来上がっていること。

以上のことから考えてみても、東京にオリンピックを誘致するのは無理に等しいのではないのかと考えております。

返信する
Unknown ()
2013-02-19 13:50:50
東京オリンピック誘致だけは100%勘弁して頂きたいです。世界各国・日本の地方都市は、怒り心頭になります。そこで、私自身の提案を書きました。

日本で誘致するのなら、北斗函館に夏のオリンピックを誘致したいと考えております。(出来れば2028年の夏のオリンピック誘致)

北斗函館におけるオリンピック誘致する理由は簡単に言えば以下の点です。

1:東日本大震災の復興加速及びそれらを含めた自然災害から自分たちの身を守ることが出来る人材を作ること。

2:日本及び世界各国における首都機能の在り方を大いに見直し、新たな地方都市を作るための街おこしを行うこと。

3:日本を含む世界各国における文化及び歴史等の在り方を見ていき、今後における自分自身の在り方を見つけていきながら、国益のために邁進するように心がけること。

4:日本及び世界各国における姉妹提携都市・姉妹港等の在り方を再認識し、今後の関係性を維持しつつ、あらたな都市と一つでも多く提携し、交流等を深めていくこと。

5:北斗函館にインフラ整備の促進を促すことは、当然のことだが、これから発展する日本及び世界各国の街おこしを少しでも進むように、北斗函館から働きかけを行えるような乗り物を開発すること。

この続きを後で書きます。
返信する
Unknown ()
2013-02-19 13:52:48
先程の続きを書きます。

6:日本及び世界各国の国土等におけるの在り方を再認識すること。

7:自分自身における生き方などを再度確認しつつ、自分自身を見失う事がないようにするための心得を提供すること。まさに、心のおもてなしを提供すること。

8:スポーツの祭典もそうであるが、歴代のオリンピック大会で採用された種目の復活と、日本を含む世界各国で行われているスポーツ種目の推進すること及び文化芸術など採用されて来なかった身近なものをオリンピック種目として採用できるようなきっかけを作ること。

9:オリンピックという大会を後世に残すために、現世を生きている人々が維持したり守り続けることを再認識をしつつ、現世を去った人々が見守っていることを認識して頂くための大会とすること。

10:オリンピック選手たち等だけ参加するのではなく、一般の人々にも参加できるためのオリンピック等の大会を設置し、一般の人々にも種目に参加してオリンピック選手たち等の状況を理解して頂くこと。

11:日本を含む世界各国が、これかお互いにしっかりと向き合うことが出来るようにするためとして、この大会は「全世界における国際オリンピック大会」という考えを示すこと。

以上のことを掲載いたしました。

宮島氏の気持ちは、理解できないわけではありませんが、日本国内にオリンピックを誘致するのには自分自身の我欲だけで誘致できるほど甘くはありません。

オリンピック大会を完全私物化している、日本のオリンピック体質こそがレスリング等の種目を外したりする根本の原因となっている事実を受け入れなければなりません。この体質の大いなる改善を世界各国から求められていること認識しなければ、東京及び日本国内におけるオリンピック誘致する意味がありません。

それを行うのは宮島氏だけではないのです。コメントを書いてる私自身、この記事を書いて頂いていた方もそうなのです。さらに当然のことながら、「日本国民全員」も該当します。その中で、特に日本のテレビ局・マスコミ・週刊誌・新聞等における関係者の方々にも求められていることなのです。
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。 さんへ (flagburner)
2013-02-20 21:29:49
コメントありがとうございます。
色々こちらも混乱しているもので・・・(汗)


>~北斗函館に夏のオリンピックを誘致したいと考えております。(出来れば2028年の夏のオリンピック誘致)
2028年、ですか・・・。
今からだと2024年夏季五輪招致活動に間に合いそうにないのを踏まえると妥当でしょうが、他にどのような候補都市が出てくるかがポイントとなりそうですね。
無論、開催計画のみならず開催する意義をどこに見出すかが(それとロビー活動も)重要なのですが・・・。


ところで。

。 さんは、2013年2月18日16:02:02、2013年2月19日19:40:55 にコメントを投稿された方に関して何か心あたりはないでしょうか?
。 さんのコメント内容と比較的似ているので、念のための確認ということで・・・。
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