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『Welcome≠おかえりなさい』で済む話じゃないんだろうけど(Oct 5, 2014)

2014-10-05 20:44:46 | その他
今回は、Twitterでの(放送禁止用語)なつぶやきで済まない話(謎)。


昨日のことになるが、Twitter上で成田空港の案内板の表示に(画像を紹介しつつ)ケチをつけてる人がいた。
残念ながら、そのつぶやきは削除されたが、アーカイブが残ってたのでその Tweet と画像の画面メモを(略)

---- 以下引用 ----
由比 周也
@syuya_yui

な・ん・だ???
成田空港の「おかえりなさい」表示、ハングル・シナ文字の意味がわからん!
日本に帰ってくるのは、日本人だけを前提にしろよ!


・2014年10月3日22:05(多分GMT)
---- 引用以上 ----

いや、日本に帰ってくるのは何も日本国籍を持ってる人に限らないのだが・・・。
というか、なんで中国語とハングルにケチをつけて英語にケチをつけないんだって話だし。
これじゃ、単に Tweet主が中国と韓国嫌いを表明するために成田空港の画像を持ち出しただけぢゃね~か(呆)。

ちなみに、この Tweet主は、問題のTweetを削除した後で「釣り宣言」をし、批判した人達を何故か公安に通報した模様。
公安にマークされるべきなのはこの Tweet主の方じゃね?


・・・で終わると問題があるので、もう少し続ける。

件のTweet主がネタにした成田空港の案内板には、大きな問題点が潜んでいた模様。
・「Welcome to Japan」を「おかえりなさい」と訳す?(2006年1月20日 ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。)

上の記事で、跡見学園女子大学の曽田 修司(Shu-ji SOTA)教授は、国際交流基金の小倉 和夫(Kazuo OGURA)理事長(当時)の話から、成田空港の案内板について意味深な指摘をしていた。
以下、2006年1月20日分ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。『・「Welcome to Japan」~』の後半部分を(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
成田空港で入国する際にゲート付近に日本語で何と書いてあるかというと、「おかえりなさい」である。
同じ場所に英語では「Welcome to Japan」と書いてある。
同様に、出国の際は、日本語では「いってらっしゃい」である。
(ところで、出国の際は英語では何と書いてあるのだろうか。これまでそれに特に注意して見たことがなかったのではっきりと記憶していない。「See you again」なのか、「Have a nice trip」なのか。フランス語なら「Bon Voyage」だろうけれど。)

これは、当然、「Welcome to Japan」を「おかえりなさい」と訳しているのではなく、日本語を使う人(日本語を理解する人)はすべて日本に住んでいる人(おおむね日本人)だということを前提としているからこういう表現になるのである。

このことを、(私も含め)日本人は不思議と思わないが、他の国の国際空港で出入国ゲートに何と書いてあるのかを思い起こしてみると、(多分)英語の「Welcome」や「See you again」などの言い回しと同じ言葉が(同じ意味の翻訳語として)並べて書いてあるのが普通だろう。
(日本と同じようにしている国が他にもあるのだろうか。)

国際空港を、外国から来るゲスト(賓客)を迎え、送り出す施設(国の玄関)と考えれば、日本語でも、英語とおなじように、入国のときには「ようこそ」、出国のときには、「さようなら」、「よい旅を」と書くのが自然である。
ということは、現在の日本の「国際空港」のあり方は、少なくとも日本語に関して言えば、国内在住者向けの「国際空港」であるということになる。

ただ、そのことが、ただちに「よくない」とか、「日本語の言い回しの方を英語のそれに合わせるべきだ」、ということでもないとも思う。(観光振興の意味で「Visit Japan」キャンペーンを大々的に展開するのなら、論理的には当然そうすべきである。)

このことは、一見単純なことではあるが、日本と世界との関係のあり方や日本人の意識を考える際に重要な視点であろう。
---- 引用以上 ----

曽田教授の指摘を踏まえると、問題のTweetを生み出したのはある意味日本社会そのものかもしれんな。
だって、「日本に帰ってくるのは、日本人だけを前提にしろよ!」って日本語を日常で使えることを前提にしてるわけで(ややこしい)。
ってのを踏まえると、問題のTweetに対する批判は「その先」 -- 「一民族、一国家、一言語の日本」という認識 -- に向ける必要があるかと。
もっとも、それをやると本当にキリが無くなるのが頭の痛い所だが・・・。


ちなみに、曽田教授の記事のコメント欄には、米国のケネディ空港(JFK)における案内板に関する話が・・・。
以下、、2006年1月20日分ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。『・「Welcome to Japan」~』からコメント欄を(略)

---- 以下引用 ----
JFKでは… (箕口 一美)
2006-05-09 21:27:07

帰国の途中ふと目にしたことをご報告。

ニューヨークのJFK空港出口(飛行機で着いた人がターミナル敷地内から外の道路に出るところ)には、Welcome Home!

と書いてありました。

昔ニューヨーク港は移民の玄関口だったとのことですが、それが今はJFK。
とにかく英語を一言も解しない人々がどっと押し寄せるこの空の港は、昔に変わらぬ「人を人とも思わない」扱いで悪名が高いです。
ここで入国なんか、絶対にしたくないと最近はわざわざ他の空港乗り継ぎでNYに入るほど。

英語が分かる人だけ、Welcome Home!なのかな…なんてうがった見方をしてしまいました。

エラク遅いコメントながら、ご報告までに。


日本語 (くま)
2006-05-09 23:19:52
今まで気付きもしませんでした。

日本に一度も入国したことのない日本語学習者がそれを見たら、違和感を感じるのでしょうが、そういう方は少ない(あるいはほとんどゼロ)と考えられるので、そういう表記になっているという感じなのでしょうか。
ちょっとした所に日本人の自虐的(?)な意識が表れているような気がします。


自国語中心主義? (そた)
2006-05-10 08:14:52
箕口さん、くまさん、コメントありがとうございます。

そうですか。
JFKでは、Welcome home. なわけですね。

日本とアメリカだけ自己チューなのか、他の国でもそういうことはよくあるのか。
どうなんでしょうね。


>日本とアメリカだけ (くま)
2006-05-22 01:36:28

私も少し考えてしまいました。
ある日本人の音楽家がウィーンで「少しウィーン風に崩して演奏してみよう」とやってみたら、「そういうことをするのは、日本人とアメリカ人だけだ」と呆れられたという話を思い出しました。

それに似た話は結構、フランスやドイツからも聞こえてきて、本当に日本人とアメリカ人は駄目なのか、あるいは欧州人の侮蔑・差別意識なのかと考えてしまいます。
---- 引用以上 ----

問題の根は結構深い模様(汗)。


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