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Who can benefit from Sapporo 2026 bids?(Nov 29, 2014)

2014-11-29 21:05:08 | 五輪招致ネタ
何か知らんが、札幌市が2026年に開催予定の冬季五輪の招致活動を行うと表明したらしい。
・難しい20年東京との兼ね合い=札幌五輪招致で-JOC(2014年11月27日 時事ドットコム)

色んな意味でコメントに困るこの話。
以下、2014年11月27日分時事ドットコム『難しい~』を全文(略)

---- 以下引用 ----
 札幌市が2026年冬季五輪・パラリンピック招致に名乗りを上げ、日本オリンピック委員会(JOC)は歓迎の意を表した。
竹田 恒和会長は「高い運営能力と高度なインフラを備えた札幌市が再び立候補することは、五輪運動推進にとって好ましい」とコメントした。

 日本のスポーツ界は、20年東京五輪の招致活動でつくった国際オリンピック委員会(IOC)との人脈がある。
JOC内には「立候補は早い方がいい」と札幌の背中を押す動きがあった。
IOC委員の竹田氏にとっては、IOCで日本の存在感を高めることにつながる。

 しかし、課題は多い。
26年の開催地を決めるのは19年のIOC総会。
招致の活動期間は、東京五輪開催準備の追い込みの時期と重なる。
森 喜朗組織委員会会長は「20年のことで頭がいっぱい。また次もアジアとはどうなのか」と歯切れが悪かった。
政財界も含めた「オールジャパン」態勢で臨めるのか不透明だ。

IOCは今月発表した五輪改革案「アジェンダ2020」で、既存施設の活用などを盛り込み、有力都市が立候補しやすくする工夫を施した。
22年冬季五輪で重い財政負担を理由にオスロが招致を辞退し、わずか2都市の争いになった事情が背景にある。
IOCの改革が進めば、26年は欧米から強力なライバル都市が出る可能性がある。

 JOCは今後、こうした情勢を分析し、勝算を慎重に見極める方針。
「30年大会招致への変更も選択肢」との意見も出ており、難しい対応を迫られる。
(2014/11/27-18:44)
---- 引用以上 ----

『アジェンダ2020(Agenda 2020:現時点では正式に採択されていない)』に関するIOCの声明と Agenda 2020の案。
・IOC President says “Now is the time for change”(2014年11月18日 olympics.org)
・OLYMPIC AGENDA 2020 20+20 RECOMMENDATIONS(2014年11月18日 olympics.org;.pdfファイル)

この案では、多岐に渡ってIOCの改革を求めている。
その中には、五輪招致活動のありかたに言及してる部分もあるが・・・。
参考までに、2014年11月18日分 olympics.org『OLYMPIC AGENDA 2020~』から『Recommendation 1:Shape the bidding process as an invitation』を(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
Recommendation 1:Shape the bidding process as an invitation

Introduce a new philosophy: the IOC to invite potential candidate cities to present an
Olympic project that best matches their sports, economic, social and environmental longterm
planning needs.


1. The IOC to introduce an assistance phase during which cities considering a bid will be advised
by the IOC about bid procedures, core Games requirements and how previous cities have
ensured positive bid and Games legacies.

2. The IOC to actively promote the maximum use of existing facilities and the use of temporary
and demountable venues.

3. The IOC to allow, for the Olympic Games, the organisation of preliminary competitions outside
the host city or, in exceptional cases, outside the host country, notably for reasons of
sustainability.

4. The IOC to allow, for the Olympic Games, the organisation of entire sports or disciplines outside
the host city or, in exceptional cases, outside the host country notably for reasons of geography
and sustainability.


5. The IOC to include in the host city contract clauses with regard to Fundamental Principle 6 of
the Olympic Charter as well as to environmental and labour-related matters.

6. The IOC to make the Host City Contract (HCC) public.

7. The HCC to include details of the IOC’s financial contribution to the OCOG[引用者注:オリンピック組織委員会(Organising Committee for the Olympic Games)].

8. Respect third-party legal interests by making contractual elements available on an “inconfidence”
basis.

9. The IOC to accept other signatories to the HCC than the host city and the NOC, in line with the
local context.

10. The IOC to provide the HCC at the outset of a given bid process.
(以下略)
---- 引用以上 ----

国をまたいでの開催を認めるってのがこの案のポイントか。
周辺国との関係が良好でないと複数国での開催案を打ち出せないのが難点だが、「一国だけ」で五輪開催を求めるよりはずっとマシな選択か。
とはいえ、今後の世界において五輪を開催する意義があるかどうかは別の話だけど・・・。
(ってことは、一部の人達が2020年夏季五輪に関して「日韓共同開催云々」と述べてたことは一体なんだろうか?)

いずれにせよ、この案が採択されると五輪招致活動のハードルが少し下がる→招致活動に参加する都市が増えると思われる。
無論、冬季五輪については気候などの条件で招致活動に参加できる都市が限定されるわけだが。


ともあれ、札幌が2026年冬季五輪招致を狙う際には色んな課題があるのは否定できない。
が、先月札幌市が行ったシンポジウムで、稲田大学スポーツ科学学術院所属の原田 宗彦(Munehiko HARADA)教授は妙に楽観的なコメントをしていた。
・シンポジウムの議事録(2014年10月21日 city.sapporo.jp;.pdfファイル)

以下、2014年10月21日分 city.sapporo.jp『シンポジウムの議事録』から、質疑応答中の一幕を(略)。

---- 以下引用 ----
(中略)
吉田[引用者注:司会役の 吉田 聡子(敬称略)]:それからですね、招致活動について先程、原田先生もお話し下さいましたが、いくつかご意見が来ております。
2018年が勧告、2022年が中国またはカザフスタンとアジアでの開催が続く状況となりましたが2026年の札幌招致は厳しいのではないでしょうか。
あるいは2026年のオリンピック招致について海外ではどこか他の都市が立候補を検討しているのでしょうか。
また国内で招致を検討している都市はあるのでしょうか。
そしてオリンピックの招致経費として50億円が見込まれているが、過去には大阪が招致に失敗したり、東京都も過去には招致に負けている例がある。
札幌市が多額の費用を投じて招致に取り組んだ場合に、国内あるいは海外の候補都市との招致競争に勝てる見込みはあるのか、という非常にストレートな質問が来ております。
これはもう原田先生お答えいただけますか。

原田:あのたくさんのご意見だと思うんですが私も[大阪が行った]2008年の招致に関わった経験がありますが、やってみないとわからないというのが結論です。
それとアジアで続くのはどうか、というご意見なんですが、実は2015年のGDPのなんと39%がアジアに集中すると、やはりオリンピックというのは一番経済的に活性化した場所でやりますので、何ら問題はないと、昔は大陸ローテーションと言って大陸ごとに廻る見たいな暗黙の了解があったんですが、今はそれは全くありませんので、まったくフラットな戦いになるのかなというふうに考えています。
招致費用ですね、招致活動はたしかに、今日の話では50億円くらいの金額が出ていましたが、それによって起きる知名度の向上効果いわゆるシティーセールス効果というのもございます。
なのでそのお金が全く無駄かというとそうではない、その招致活動をやると、本当に今我々が思いもよらなかったアイディアが出てきてですね、その札幌市という素晴らしい自治体のですね、新たな面をまた見つけることが出来るので、ほんというと招致活動は失敗してもレガシーが残る、何かいい物が残るというふうには考えております。
(以下略)
---- 引用以上 ----

質問に対して返答せず別の論点を持ち出すあたりがセコいというべきか。
ここまで五輪招致に関して能天気な見解を示せるのは、原田教授が五輪自体に幻想を抱いているのかそれとも・・・。


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