flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

「集団ヒステリー」って連呼しないほうがいいんじゃ?

2011-06-15 20:41:03 | おかしな人たち
今月の12日と13日に、イタリアでいくつかの法律に対する賛成か反対を問う国民投票が行われた。
その中には、2009年に Silvio BERLUSCONI イタリア首相の意向で定められた原子力発電所の稼働を可能にする法律の是非を問うブツがあった。
で、国民投票では、この法律に反対する票が(有権者の過半数以上の投票があって成立した)多数を占めた。
実は、それ以外にも、重要な法律(首相、大統領、上下両院議長に在職中の刑事免責特権を与える免責法)への反対も示されたのだが・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・イタリア国民投票、反原発が圧倒的多数(2011年6月14日 afpbb.com)
・The day Italians finally said no to Silvio Berlusconi(2011年6月14日 guardian.co.uk)
・Referendum, i "Sì" oltre il 95% risultato storico, "Una vittoria di tutti"(2011年6月13日 ;イタリア語)

これに絡んで、LDP の幹事長である石原 伸晃氏が意味深な発言をしていたのだが・・・。
・石原伸晃幹事長記者会見(役員会後)(2011年6月14日 jimin.jp)

元々、LDP は今後の日本が行うべきエネルギー政策で原子力発電にも重点を置いていた。
当然のことながら、日本国内における脱原発運動に懸念を示していた。
そして、それはイタリアの国民投票にも向けられていたのだが・・・。
以下、2011年6月14日分 jimin.jp『石原伸晃幹事長記者会見(役員会後)』から、『Q. これまでの自民党のエネルギー政策をどのようにお考えですか』とその返答部分を長くなるが(略

---- 以下引用 ----
(中略)
Q. これまでの自民党のエネルギー政策をどのようにお考えですか。

A. これは私の個人的な反省も含めて申し上げますと、私も実は、玄海原発の4号機の臨界に行ったので、その中にも入って、原子力発電所を見て、説明を受けて、フェールセーフの構造を信用していました。
すなわち安全神話を信じていた。
しかし、もろくも崩れ去った。
これは認識の間違いであった。
やはり改めるべきは改めないといけない。
すなわち原発の耐震性、津波への対応は、スペックを上げていかないといけない。
しかし、テレビに出ていると、よく「石原さんは原発推進なのか、反対なのか」というスタンダードな問いがありますが、これはテレビのチャンネルを変えるような話ではありません。
代替エネルギーが確保できなければ、3割の電源が来年の春にもなくなる。
ということは、節電しなければならなくなる。
日本人は勤勉ですから、個人は頑張るでしょう。
しかし、生産、質・量、価格、電力の三要素ですが、これが損なわれたときに、本当に製造業が日本に残ってくれるのか。
サプライチェーンの問題で、親会社から安定供給を求められた半導体メーカーは、台湾にリスクヘッジ、台湾に工場を移そうという話もある。
それは基幹産業の自動車も同じではないでしょうか。
そこまで考えて、エネルギー政策は考えないといけない。
あれだけ大きなアクシデントがあったので、集団ヒステリー状態になるのはわかります。
心情としては。
しかし、こっちだ、あっちだと変えられる簡単な問題ではないと思います。
これまで推進してきた原子力政策の問題点、あるいはこれから変わる得るものがあるとすれば何に依存するのか。
あるいはそれでどれだけコストが高くなって、先ほどの質問の、あのスキームは電力料金に転嫁するという話ですから、そういうことが起こって許容できるのか、できないかということまでも含めて、反原発、脱原発というのは簡単だが、生活はどうするのということを考えたときに、どういう選択肢があるのか。
それは政府の責任としてこれから示していかなければならないし、わが党としても取り得るべく選択肢はこんなものがあるというものを、これから示していかなければならない。
国民投票をやりました。
9割が反原発、やめましょうという簡単な問題ではありません。

これは個人の認識です。
(以下略)
---- 引用以上 ----

集団ヒステリー、ね。
どうも、石原氏言う所の集団ヒステリーになってるのは、日本で原子力発電所の稼働再開を求めてる人達も含まれるみたい。
この辺は以下参照(手抜き)
・伊も脱原発 日本から流れを変えよう(2011年6月15日 iza.ne.jp)
・反原発派の特徴は(略)(2011年6月14日 ikedanob@twitter.com)
・ソーラーなんて女子供のエネルギー。男は黙って原子力。(2011年3月17日 kazu_fujisawa@twitter.com)

まぁ、原発の運転再開を求めてる人達が全員上のような(放送禁止用語)みたいな考えで動いているわけでないが・・・。


話を石原氏の発言に戻す。

石原氏の発言における問題は、無論、脱原発に向けて活動する人達を全部まとめて「集団ヒステリー状態」と言ってしまったこと。
必ずしも、ヒステリー状態で脱原発を提唱してる人達だけじゃないのにね・・・。

こういう発言ってのは、暗に今後日本におけるエネルギー政策において原発をどう扱うかの議論をする際、脱原発を提唱してる人達との議論を最初から拒否してる感が否めない。
個人の blog や twitter 上の書き込みならともかく、石原氏の発言は一応政治家としての発言だから今後の議論への影響はそれなりに大きいのにさ・・・。
一体何を考えてるんだか(溜息)


もっとも。
石原氏の発言に合わせたかどうか知らんが、海江田 万里経済産業相は停止中の原発の再稼働に意欲を燃やしていた。
・経産相、原発政策堅持を明言 「再起動に全力」(2011年6月15日 47news.jp)

この調子だと、今後日本におけるエネルギー政策において原発をどう扱うかの議論から、脱原発を提唱してる人達が排除される悪寒・・・。


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