「地球の自然と人間と色彩」の研究をし続けているフィットモア色彩研究所 古賀けい子のブログ

すべての人が似合う“ベストカラー”の視点から、注目のカラー情報やファッション、デザイン、インテリアなどについて語ります。

「美意識について  3」  日本人は色より素材に注目しがち 評価を決めるのは色のバランス

2006-09-30 17:19:38 | 「美意識について」
日本人は色より素材に注目しがち 評価を決めるのは色のバランス


日本人は色より素材に注目しがちですが、評価を決める完成度は、
色のバランスが決め手となります。

日本人は色が苦手なため、色とは違い、単体でも良さが分かりやすい
素材に注目しがちですが、実際の本能的満足感を与えるのは、色の
バランスです。

同じ素材を活用しても色のバランスが悪ければ、評価が全く異なる
ものになってしまいます。

自然の色でも心地よさのレベルの高い色と、心地よさのランキングが
落ちる色があるのです。

素材にこだわることも良いことですが、同じコストでも色によって
印象を大いに高めることができることを知っておきたいものです。

素材を活かす配色も明らかに存在しますが、前提条件の中、そのもの
を目にする人の本能的価値観に基づき、こだわりのある選択をする
ことにより、完成度の高い、新しい人間の求める提案となります。





美意識が日本人を成長させる

美意識を高めるということは、単にセンスがよくなったりおしゃれに
なるというだけでなく、人間の質、国の質を高めることになります。

美意識の基本は、客観視です。どこかを実際より強調して捉えたり
せず、実際と同じバランスで記憶することから始まります。

強調的に捉える力がデフォルメ化されているアニメなどには有効です
が、背景の色や細部の色により、主役が引き立っているという認識が
すべての人に必要です。

そういう視点を持つことで何かを参考にしようとするときも、一部を
吸収するのではなく、全体を吸収できる力がつき、バランス感覚がよく
なります。
それが美しい日本に成長させる力となります。

また美意識は生き方のバランスの基本です。

礼儀正しく動きが美しく、存在感があり誠実で、心豊かな好感度の高い
印象は、自分を客観視する美意識のあらわれです。

自分自身との、人と自分との調和、その場との調和を図ることができ、
バランスのよい自立した日本人に成長することができると思います。

欧米では都会的なモダンなファッションを楽しむ人ほど、
笑顔であったり、マナーをわきまえています。
島国である日本と異なり、相手に好感を持ってもらう必要があるという
文化が定着していることもありますが、バランスとして、モダンで
シャープなファッションを着ていても、その印象に内面が引っ張られず、
外面に影響され人格を変えてしまうことがない価値観を学びたいところ
です。

国際社会において存在感を高めるためには、コミュニケーション力の
進歩が不可欠です。
日本文化になかった表現として、意見をはっきりと言える能力を学ぶと
同時に、バランス感覚も身につける必要があります。


「美意識について  2」  日本人と欧米人の違い  美意識により、本質を見抜く目を養う

2006-09-28 18:40:08 | 「美意識について」
日本人と欧米人の見方の違い 
  
日本人は、左脳教育・右脳教育と、感性と理性を全く別々の能力として捉える傾向がありますが、欧米では、感性を理性で分析する美学的な捉えが根底にあるため、感性的なものに裏づけを求める意識が強いのです。

日本では“美しい花はあれど、花の美しさはなし”といった、一人称的考えが基本的に存在しますが、欧米では“花の美しさ”という感性を分析する、美学的な三人称的視点が基本的に存在することが違いであると考えられます。そのことが美意識を高めることに安定的に役立っているといえます。

美意識の捉えの根底には、地球をそのままの状態で理論的に立体的(三次元的)に捉える、客観視の文化が考え方の根底にあると思われます。
また一方、庭などでは、日本は自然を模倣することを目標とし、ヨーロッパでは古代から人間のオリジナルを目指していたと考えられます。

着る物についても、日本の着物は、長方形・正方形の構成に、自然をテーマとした絵のような柄を書きますが、ヨーロッパでは、古くから人間のオリジナルのシルエットやディティールの曲線を使用したフォルムを描いていました。そのため、明治維新以降、海外の文化に触れ、欧米のシルエットの力に驚き、デザインコンプレックスを持つようになったのです。

日本人の、二次元的捉えは、浮世絵を生み出し、ヨーロッパの絵画に大きな影響を与えたのは事実です。ところが、この魅力的な二次元的捉えは、空間を捉えたり、事実を客観視したり、自分を客観視する力を成長させることをはばみ、新しいことを創造したり挑戦するのが苦手になっているようです。

 


美意識により、本質を見抜く目を養う

美意識を高めると、物事の本質が透けて見えてきます。

美意識を高めるには、色彩の分析技術を身に付け、目立つところだけを記憶するのではなく、全体のバランスをつかむ力をつけることが大切です。
そうすることで、一見、目立っているものがあればそれだけしか見えないところが、全体のバランスを見ることで、奥にあるものや周りにあるものが見えるようになります。
このように、アウトラインとして正しく感じられる物事も、総合的に捉えられ、様々なところに目が行き、客観的に見られるようになります。

小さな頃から物事の自然なバランスをつかむ力を身に付け、本質を見抜く客観視力を養ってほしいと思います。

「美意識について  1」  日本人は素晴らしい 美意識と視点

2006-09-27 18:14:42 | 「美意識について」
日本人は素晴らしい

近年は、個々の民族性を大切にしていこうとする気運が
高まっております。

かつては日本人の美意識は海外でも高く評価され、
この憂いを秘めた繊細さや華やかさ、武士道、侘び、
さび、粋など、独自の美意識が評価されてきました。

また、日本人の浮世絵や墨絵、アニメーションなどに代表される、
三次元のものを二次元的に捉える物の見え方には、
真似ることのできない才能があると思われます。

しかし、そのことからか、自然をそのままに立体的に記憶すると
いった、客観視の物の捉え方が発達しにくくなっているため、
様式の文化である洋服やインテリア、建物等、あらゆる商品の
目標を持ちにくくしているように感じられます。

美意識は、人間の価値を形成する鍵となるものと思っております。
この美意識についてはご批判を受けることもあるかと存じますが、
日本人の魅力や、自信を復活し、日本を魅力的な国にするために、
あえて日本人は素晴らしいというところに甘んじることなく、
向上する活力として参考にして頂きたいと願い、記しております。

フィットモア色彩研究所 古賀けい子







美意識と視点  

欧米では美意識はインテリジェンスの表れといわれていますが、
現代の日本人は生き方の美意識も低くなり、
人間として美しく生きるといった気持ちを
失っているように見えます。

ヨーロッパのように成熟した社会においては、
美的こだわりが国民のプライドであり、
人としての成熟度の判断の一つでもあるようです。

ところが日本は、あらゆる表現に美的こだわりの
基準がないため、日本全体がバランスの悪い状態に
なっていると思われます。

美意識とは、常に物を見たときや何かを行うときに、
必ず“こうあると美しい”という基準である
「美的こだわり」を視点に見るということです。

それは一つの花、一つの素材を虫めがねで見るように
フォーカスするのではなく、全体感として捉え、
バランスにこだわることといえます。

一輪の花に生命の美しさを感じるのは同じですが、
日本古来の美意識には、ある一つのものに視点を
当てる傾向が強いところがあったと思われますが、
全体を捉える視点が美意識には不可欠なのです。

美意識が国全体に高まると、工場だから色をつけなくても
素材がむき出しでよいとか、ちょっとしたところだから
そんなにこだわらなくてもいい、反対に目立てばよいなどと
いった深く考えない決め方が無くなり、全体のバランスに
注意し、美的調和間にこだわる習慣が定着することで、
必ず魅力的な国になると思います。

従来の製作工程としては、形が決まり、
素材が決まったあとに、最後に色を決めるということが多く、
そのために色にはあまりこだわる時間がなく適当にという
ことが多くありました。

しかし、印象を決める要素の9割は視覚ですが、
視覚の内、評価を決める最大の要素が色なのです。

日本人の盲点となっている色にこだわることが
美意識として求められます。


会話は ドッジボールではなくキャッチボール

2006-09-25 14:57:50 | ヒューマンバランスから見た生き方
テレビドラマの「結婚できない男」は高視聴率のうちに終わってしまいましたね。少し淋しいですね。
最終回の、結婚できない男と結婚できない女の会話は、本当に納得できてしまいました。

「私たちの会話って、チャッチボールではなくて、
ドッジボールのようですね。
ボールをお互いにぶつけ合っているだけ。」

「うまいこと言いますね。さすが年の功ですね(?)」

「またドッジボールですか。
私はあなたとチャッチボールがしたいです。」

いいシーンです。その後もまだドッジボールが続きますが、
ふたりは変化していきそうですね。

傷つきたくない、プライドを傷つけられたくないと、
自分のこだわりを優先し、
相手が傷つくことに無神経で、鋭く指摘してしまう。
それを本人はユーモアと誤解している。
この状態は、結婚をするには最悪ですが、
女性ホルモンが高いのです。

テレビに出るということを伝えると、

「すごいじゃないですか。でも、
そのシャツで出るんじゃないですよね。」

と、ボールをぶつけ、そのことを気にしてどんどんシャツを替え、
最後にベストカラーのクールグレイシュなホワイトの色のシャツに
なったのですが、(クールソフトで似合っていました)

そのときも、

「評判が悪ければあなたのせいですよ。」

と、またボールをぶつけていました。
ホルモンバランスがクラシックっぽい女性が相手じゃないと
逃げていきますね。

今は、仕事ができても、コミュニケーション下手な
変わった男性が増えています。
相手のことを考えるキャッチボール上手になってください。

人の痛みのわかる人間として、大人な人になってほしいですね。
女性もそういう人が増えていませんか?


美意識について

2006-09-21 14:10:35 | 「美意識について」
ファッション販売2006年秋冬号(商業界)の原稿が終了し、
ほっとしています。
1ヶ月程の期間で30ページ、年2回の原稿を書いていくのは大変ですね。
本にもなるので期待してください。

また、今年1月に発売となりました書籍、
「カラフル配色レッスン+見本帖」(技術評論社)も、
中国で出版される日が近づいてきているみたいです。

今は、小冊子の第2弾、「美意識について」を書いています。
「美意識について」多くの方々に読んで頂けるように
書いてみたいと思います。

現在の「美意識について」小冊子の目次は、こちらです。

・日本人と欧米人の見方の違い
・美意識により、本質を見抜く目を養う
・日本人は色より素材に注目しがち 評価を決めるのは色のバランス
・美意識が日本人を成長させる
・美意識の源となる「ヒューマンカラー理論」
・地球の自然と人間と色彩の関係「ヒューマンカラー理論」
・正しい色彩教育の必要性
・人間に似合う色クールソフト
・企業と人間の本能」に訴える心地よい色彩の活用
・コミュニケーション能力と「ヒューマンバランス」
・姿勢と美意識

あなたは何の美意識について書いてほしいですか?
現在できているものをブログで、今後ご紹介していきたいと思います。



ファッション販売10月号“色を操る”発売中です

2006-09-19 14:25:42 | カラー事情~ファッション・アート・建築
こんにちは
ごぶさたしておりました。

この夏、執筆しておりました、
ファッション販売10月特大号(商業界発行)に
「色彩達人講座2006年秋冬版“色を操る”」特集が展開され、
現在、全国書店で発売中です。

内容は、
【特集】 色彩達人講座 2006年秋冬版 色を操る!!
知識編:必要なのは売り場の知識
・色の常識のウソを見破る
・色の基礎知識はなぜ必要
・ヒューマンカラー理論ダイジェンスト
・思い込みから開放する色彩心理学
配色編:秋冬の配色
・タイプ別秋冬からーチャート
・雑貨・小物のトータル提案
・審判編:プロとしての審美眼が肝心   
・Good配色 vs Bad配色
・秋冬コレクション分析 トレンドカラーを誰でも似合う配色にアレンジ
・テスト&資料編:色への理解をさらに深める
・脳を鍛えれば色通になれる/色力向上の識別テスト、他となります。

大好評を頂きました、今年3月号の特集、
色彩達人講座“色を極める2006年春夏版”の続編です。

今後、シリーズ化となり、年に2回、毎回カラー30頁程で特集予定です。
原稿、大変ですが書いていきます。
ご期待下さい。

ファッションのカラーについて、ここまで書ける人はいないと
編集者の方も言って下さっています。
この考えがファッションカラーのすべてのベースとなるように
がんばっていきます。

また、この本を読んで『ヒューマンカラー理論』に納得した方は、
パーソナルカラーコンサルタントになって頂きたいです。
人を幸せにできる大きな力となりますから。

人生は、向上を目指す人には楽しいものです。
すがすがしく、素直に生きてください。


すでに学んでいらっしゃる方々へ~
いまフィットモアでは、
男性のファッションタイプを、女性ファッションタイプと
同様のものまでレベルアップするための軸作りを行っています。
女性、男性のファッションタイプ相性分析のようなものが
できるように、祈っていてくださいね。