国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

兄弟-カスタム74とカスタム742

2007年05月12日 | Weblog
■[ カスタム74 と カスタム742 の寸法形状 ]
・カスタム74と742を並べてみました。
寸法とは全長や径など「長さ」の数字ですが、わずかしか違っていません。
ただし、動物の体長が2倍になると、おおまかに言って表面積はその2乗の4倍に、体積は3乗の8倍に増えるそうです。シロクマが温帯のクマよりも巨大なのは、大きくなればなるほど体表面からの冷えが肉の体積に及ぼす影響の度合いが小さくなるからだとか。
それと同様に、74と742を手に取った時のボリューム感(体積)は寸法という "長さ" の数値以上に違っています。( 108%の3乗は126% )
・カスタム74の長さは、お兄さんクラスのライバルであるプロフィット21より長いくらいなので、742との印象の差を生じる主な要因は、軸径やキャップ径だと思われます。74はあえて葉巻型にしてあり、742は少し空気を入れて膨らませたような紡錘形の面の張りがあります。74のキャップ天冠や尻軸は「半球形」だけれども、742のそれは半分に割った「ラグビーボール形」。

■[ カスタム74 と カスタム742 の書き味 ]
・書き味も、特にしなる感覚の有無が異なっています。兄の742の方が柔らかい。けれどもこれは、74の方がペン先に大きなポイントを溶接するために穂先が太いからかもしれません。74の(M)を試し書きしてまた後日ご報告します。
・もっとも、良い形状をしたBBの威力で、書いて手が気持ちイイいわゆる "ヌラヌラ" は、圧倒的に74の方です。でもしなりは無い。そういう違いです。
・一般に実験では1回に1つの変数を変えないと比較になりません。
今回は事前の考えが足りずに、ペン先の形状寸法と、ポイントの線幅という、2要素を変えているので、 比較インプレがちょっと難しいです。しまったな。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
パイロット好きです。 (丸刈太)
2007-05-15 06:36:35
はじめまして。大変興味深い連載です。
小生もパイロットを愛用しています。74は全くもって必要十分な逸品だと思います。安価品にもかかわらずペン先が出荷時点から精密に研磨されていて、まず書きにくいということがありません。
823も愛用しております。プランジャー式でインク容量が大きいところが、時折大量の筆記をするときに助かります。今はBニブを多少研磨して慣らし中です。
先日丸善で742の試し書きをしました。10号ニブはまだ持っていないのですが、中でもSFMの書き味が気に入りました。柔らかさは742の10号が最も優れているように思いました。
今後も楽しみにしております。
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823 (Fineman)
2007-05-15 23:05:54
丸刈太さま こんばんは。
・マルガリータの軸はきれいですね。
・私は、質より量、ともかく筆が早いのには少し自信があります。たまにカフェで何か書くと、インクを入れた万年筆を2本持って出て、ほんのしばらくの間に2本ともインク切れになるなんてことがあります。
・だから大容量の823のことはしばしば頭に浮かびます。
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re:823 (丸刈太)
2007-05-15 23:44:35
Fineman様今晩は。マルガリータ「が欲しい」丸刈太です。欲しいなあ。
パイロット823ですが、中字でインクフロー程々ぐらいに調整しておかないと、結局出先でインクを消費しつくしてしまいます・・・。太字のドバドバは気持ちいいのですけどね。
とはいえカスタム743とさして変わらぬ価格にあの吸入機構はお買い得だと思います。お店によっては標準(F、M、B)以外のニブに換装してくれるところもあるようですから。
今夜は手持ちのカスタム74・ソフトファイン
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re:823 (丸刈太)
2007-05-15 23:47:42
尻切れで失礼しました。
今夜は手持ちのカスタム74・SFニブをおろして(首軸に難あり別部品に換装・さすが出所不明品)、ちょっと調整して、カルティエのボルドーインクを詰めてみました。このくせ者のインクにどう反応するやら。ではおやすみなさい。
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74で気になるのは (スカブVR)
2007-06-02 20:46:41
キャップの開け閉めの回転数が多いことです。…742・823に比べ
私もパイロットを愛用していて,74は全くもって必要十分な逸品だと思いますが…。
携帯用に愛用のペリカンM405は,更に少なく1回転。硬いニブですが,使い勝手がいいです。
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