■インク出が改善された、古いプラチナ社 #3776 を使っています。
■思い出しました。冷夏と台風襲来によって作況指数74の大凶作となった1993年、コメ不足からタイ米などが緊急輸入されました。
でも日本ではすぐに 「タイ米はパサパサしてマズイ」 と悪い評判が立って売れ残りが続出しました。 当時はタイでも水不足から収量が減っていたので、困っている日本に善意交じりで輸出したタイ国側マスコミや世論で、不満を言う日本側に対する反感も高まったようです。
当時の新聞の投稿欄などにも、「タイ米は臭くてパサついて不味い。やっぱり日本のコメが世界一だと認識を新たにした」 とかいう主旨のものが見られたことを思い出します。
■当時の筆者は、生意気にも、そりゃ公の場で使う言葉として間違っている、と思ったものです。 家庭内などプライベートで 「タイ米はマズイ」 と言うのはかまいませんが。 特に納豆など発酵食品( ※1 ) などで顕著ですけれど、国によって味覚はかなり違います。不慣れだと 死ぬほどマズイといい、慣れ親しんでいると その臭みが旨いと言う。 トルコでパサついたコメを用いた大変旨い料理を食べたことがありましたし。タイの方々はそういうパサっとしたコメを旨いと満足して食べている。つまりタイ米は日本米と 「味が違っている」 と言うべきで、公の場で 「タイ米はマズイ」 と言うのはそれこそマズイだろうと。当時は、偉そうにそんなことを思っておりました。
■さて、インク出が良くなった #3776 ですけれど、書き味は私の好みとはかなり違っています。 祖父はこれを好んだのでしょうか。
ペン先の形状は、写真の通り平らな面が広く、その両端を折ったような断面をしています。 蟻がペン先の上でゴルフのパットの練習をしようとすると、右のカスタム74では断面が丸いのでボールが転がり落ちて練習になりません。でもこの古い #3776 ではちゃんと練習ができそうです。
#3776 ではペン先両端のリブで剛性を出していて、断面にアーチがないぶん柔らかい書き味を現しそうだと考えてしまいますが、そうでもありません。 根拠も裏づけとなる経験もありませんが、古い国産万年筆によくある書き味ではないか、という気がします。
■縦横断面の曲線が性能を左右するペン先って、設計が単純シンプルなようでいて実は奥が深く面白そう、と感じます。
万年筆のペン先の設計には、有限要素法( ※2 ) のシミュレーションソフトウエアなどが用いられているでしょうか。新製品を創る前にペン先の形状の試作品を100も200も造る訳にはいかないでしょうし。
※1:世界一硬い発酵食品は、鰹節だそうです。
http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/dokunuki/gastronomic_culture/japan/index.html
※2:有限要素法シミュレーション。
http://www.sist.ac.jp/me/CADCAE/CADCAMCAE2.htm
■思い出しました。冷夏と台風襲来によって作況指数74の大凶作となった1993年、コメ不足からタイ米などが緊急輸入されました。
でも日本ではすぐに 「タイ米はパサパサしてマズイ」 と悪い評判が立って売れ残りが続出しました。 当時はタイでも水不足から収量が減っていたので、困っている日本に善意交じりで輸出したタイ国側マスコミや世論で、不満を言う日本側に対する反感も高まったようです。
当時の新聞の投稿欄などにも、「タイ米は臭くてパサついて不味い。やっぱり日本のコメが世界一だと認識を新たにした」 とかいう主旨のものが見られたことを思い出します。
■当時の筆者は、生意気にも、そりゃ公の場で使う言葉として間違っている、と思ったものです。 家庭内などプライベートで 「タイ米はマズイ」 と言うのはかまいませんが。 特に納豆など発酵食品( ※1 ) などで顕著ですけれど、国によって味覚はかなり違います。不慣れだと 死ぬほどマズイといい、慣れ親しんでいると その臭みが旨いと言う。 トルコでパサついたコメを用いた大変旨い料理を食べたことがありましたし。タイの方々はそういうパサっとしたコメを旨いと満足して食べている。つまりタイ米は日本米と 「味が違っている」 と言うべきで、公の場で 「タイ米はマズイ」 と言うのはそれこそマズイだろうと。当時は、偉そうにそんなことを思っておりました。
■さて、インク出が良くなった #3776 ですけれど、書き味は私の好みとはかなり違っています。 祖父はこれを好んだのでしょうか。
ペン先の形状は、写真の通り平らな面が広く、その両端を折ったような断面をしています。 蟻がペン先の上でゴルフのパットの練習をしようとすると、右のカスタム74では断面が丸いのでボールが転がり落ちて練習になりません。でもこの古い #3776 ではちゃんと練習ができそうです。
#3776 ではペン先両端のリブで剛性を出していて、断面にアーチがないぶん柔らかい書き味を現しそうだと考えてしまいますが、そうでもありません。 根拠も裏づけとなる経験もありませんが、古い国産万年筆によくある書き味ではないか、という気がします。
■縦横断面の曲線が性能を左右するペン先って、設計が単純シンプルなようでいて実は奥が深く面白そう、と感じます。
万年筆のペン先の設計には、有限要素法( ※2 ) のシミュレーションソフトウエアなどが用いられているでしょうか。新製品を創る前にペン先の形状の試作品を100も200も造る訳にはいかないでしょうし。
※1:世界一硬い発酵食品は、鰹節だそうです。
http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/dokunuki/gastronomic_culture/japan/index.html
※2:有限要素法シミュレーション。
http://www.sist.ac.jp/me/CADCAE/CADCAMCAE2.htm
80年代モデルで平型ニブに変化、現在もその形のはずです。
酒井栄助氏の手作りペンとしてよく知られている六分軸や竹型軸などの(兜木製作所製)ペン先も#3776とよく似た形状をしています、ただし鍛造でつくられているので厚みや弾力は違うと思います。
古い国産ペンに似ているかどうかは、調べてから回答することにします。
思いつきの適当な言葉ですのに、調べて下さるっておっしゃるので、恐縮します。
●鉄というかハガネの鍛造は、不純物を火花と一緒に取り除いたり、折り返し鍛造で硬くするなど、なんとなく意義が分ります。
でも、ステンレスやアルミは鍛造で叩いても良くならないとか聞きます。金という素材は鍛造で粘りが出るタイプの金属なんですかね。
●時々言われるように、「現代のローラーによる圧延と違い、昔は金塊を何度も叩いて叩いて叩いて薄く伸ばしてからペン先型に打ち抜いていた」 というイメージで正しいのでしょうか。それは手で叩いて薄くしていたのでしょうか、機械で叩いていたのでしょうか。 ペン先は軸に差し込む根元が薄くて先の方が厚くなっています。手で叩いてそういうペン先を造るのは、個体・ロットごとのバラツキがかなり大きくなるような気がします。
●また、硬いハガネを思い通りに整形するのには熱して叩く方法が適していたでしょうけれども、金って軟らかい金属なので昔全国に数多くあったというペン先製造工場の設備で、最もポピュラーな製造法が鍛造であったかどうか、ちょっと興味があります。鉄ペンは叩いたかもしれないけれども、金ペンもどこでも叩いて造っていたのかなあ、と。 ペン先工場では、純金塊のインゴットを仕入れて薄い板に加工していったのか、素材業者から14金の薄い板状素材を仕入れて使っていたのか。
大メーカーの大量生産品である万年筆。昔の金ペンが鍛造であったというのは、もしかしてノスタルジーから来る都市伝説の一つかも、鵜呑みにしないでおこう、なんて慎重に考えています。物語としては昔は鍛造だったという方が面白いんですが。
http://franklloyd.blog68.fc2.com/blog-entry-188.html
http://www.suisin.co.jp/Japanese/tokusyu/2005-09/index.htm
問題は、金ペンの場合、添加されている他の金属・・銀・銅その他・・があることです、銀もあまり関係がなさそうですので、銅、その他の金属が鍛造作業が必要かどうかです。
それと、兜木銀次郎氏はまだ極く最近の方です。
叩いて作業をしていたかについては実際に作業をされていたところを見た方がまだ多数健在なので確認が取れると思います。
ちなみに叩いた痕があるものは手元の万年筆を確認してもありません(当然ですね)。
ペン芯を収める部分が削られている物ならたくさんあります。
古い国産ペンもいろいろありますが、どのあたりを想定しておられるのでしょうか?
せめて、年代だけでも限定しないといささか困難です。
1920-30年代ぐらいのからありますからね。
すると昔のペン先製造者は、包丁や鍬を打つ鍛冶屋さんの同類みたいな感じだったのですね。
●それにしても、2mm厚の板状の素材を卸から仕入れて、そこから0.5mm厚とかにするのに叩いたとか、そういうイメージをしてしまいますが。赤く熱した鉄をウドンをこねるように何度も折り返して叩くとくっつきますけど、冷たい金も折り返して叩くと合わさった面が融合してくっつくんですかね。
●知識が無いので、別に想定しておりません。 「なんかコレまで試した古くて安そうな万年筆たちの書き味に似てる気がするな~」 とぼんやり思った程度です。
ああ、ペン先のカリカリ感のことでしたか!
そりゃ、プラチナ萬年筆という会社の好みの味付けというだけの話でしょう!
使う人の好み次第だと思います。
実際、こちらが最近使っているペンはプラチナがダントツに多く、しかもペン先が硬い物ばかりです。
プラチナには曾て細軟というペン先がありました。
極く少ないと思いますが中軟というペン先もあったかな?そのあたりならFinemanさんの満足がいくかもしれません。
いや、満足とまでは行かないかもしれませんが、カリカリ感はかなり低めだと思います。
プラチナ萬年筆の限定品には縦延べ式で作られたペン先が付いていることはご存じだと思いますが、この方法で作られたペン先は通常品よりもさらに硬めです。
不思議です。
●曲面が性能を決定し、カーブのちょっとした変更が大きな変化につながる設計で連想するのは、ヨットです。応力でなくて流体力学の世界かもしれませんが。
http://acboat.zz.tc/design1
http://acboat.zz.tc/design2
以前に中海で2年ほど、タライに帆がついたようなOP級の操船を習っていました。 週末に都合がついて風が初心者向けでかつ好天の日って、年52週のうち4回ほどしかありませんでしたが。 今年2007年のアメリカスカップは、ほとんどマスコミで紹介されませんでしたけれど、艇のデザインが行き着くところまでいって各国とも新機軸がなく性能差が小さいためか接戦で、かなり面白いレースでした。 次回はレギュレーションが変わるので、また新規発想力や設計力が問われて性能差が生じそうです。
●松江南郊の奥出雲地方は、もののけ姫のたたら場のような 「たたら製鉄」 が古くから盛んでした。現在もまだタタラ製鉄で玉鋼( たまはがね ) を造っているのは、奥出雲だけではないかと思います。
http://fish.miracle.ne.jp/mail4dl/05-topic-news/AB6-09.htm
●クアトロは神戸の例の店に行って買いたいのですが、なかなか都合が。
昔のペン先の製造について書かれてありますので、これがわかりやすくて参考になると思います。
情報有難うございます!
造っているご本人のお話ですね。
ただ、解答集を開く前に好き勝手に演繹したいややこしい性格なのです、私は。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%94%E7%B9%B9
お名前から月光と旭光をイメージしました。
>ただ、解答集を開く前に好き勝手に演繹したい
>ややこしい性格なのです、私は。
そんな気がしましたので(笑)静観させて頂いてたのですが、クアトロの件では訂正をされていたので、余計なお節介を致しました。
カスタムの件でも明らかな間違いがありますが、これは又いずれ実物をご覧になる機会があればおわかりになるでしょう。
>お名前から月光と旭光を
これは光栄です。、
中を取って「金光&銀光」にしましょうか(笑)
はい。知らずにいい加減なことを書いているかも知れない、という不安はずっとあります。
勘違いの言いがかりで製品の売り上げの足を引っ張らないとよいと思いますし、自分の軽率さや無知が嘲われる宣伝にもなりますし。
そこは、"これはブログ。読者の方にとっては消費するエンターテイメントというかバラエティ番組的な気楽な立ち位置なんだから"、と甘えておりますけど、誤りが多いのは良いことではないですね。
ブラウザの更新ボタンを押していただくと、ページ最上部のタイトル横に ( 鵜呑み禁止のファンタジー ) と出るようにしました。 きちんと裏を取ってから書くなら隔月間くらいの記事投稿頻度になりそうなので、ファンタジーレベルでもうすこし回数を書きます。もともと老店主応援サイトと同時に止める気でいたのですが、まだ少しなごり惜しいので。