国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

[ 020- 丸いペンポイントをひねる ]

2007年07月01日 | ペン先に注目
■私は限定解除世代のバイク好きで、以前は教習所を借り切りパイロンで1方通行のコースをつくってタイムを競う ジムカーナで遊んでいました。狭くてクネクネなので最高速度が上がらなくて安全ですし、日常スピードでのテクは要るしで、楽しんでいました。
 バイクのタイヤはクルマのタイヤと違って断面が円弧を描いているので、接地面はごく小さなものです。コーナーリング時にはその小さな面の持つ一定の摩擦力が、
 1) 横滑りに耐えるコト
 2) 前進しようとする駆動力に耐えるコト
に配分されます。だから目一杯バンクしている時には摩擦力がほとんど 1) に使われて 2) のための余裕が無く、アクセルを開けられません。チョイとハンドルをこじってでもなるべく車体を早く起こして 1) の仕事を減らし、アクセルを開けている時間をできるだけ長くするように工夫したものです。一時、タイヤの摩擦力のキャパ自体を増量するために、接地面を増やすべく特太のタイヤのバイクを持ち込むという手も流行りましたが、すぐに下火になりました。あまりに太いタイヤだと、直進時は良いのですが、カーブでバイクを傾けていくと、タイヤの接地点が車体の中心線からどんどん遠くなって( 上図 )、 車体を引き起こそうとする力が働くようになります。その違和感が好きでないという者が少なくなかったのです。
■話が脱線しすぎですね。でも極太の線を書く多くのニブが平たいのは、バイクのタイヤではなくて、クルマのタイヤのように設計する方が合理的だということかもしれないですね。
丸い特太も、丸いからといって上図のように傾けて切り割りが紙から離れては具合が悪いでしょう。実際はマイク・スティーブンス氏が言うように "いろんな方向に傾けたりひねっても良いニブ" ではなくて、玉さんのおっしゃるように紙に真っ直ぐ当てて書くモノかも知れません。ただし丸いとハネやハライで紙から持ち上げて次の線に飛ぶときに角が引っかからないので運筆の自由度が少し高まる気がするとか。・・・まだ良く分りませんが、書きながらそんな( 無駄にコ難しい ) ことを考えています。

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12 コメント

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扁平ニブと丸ニブ (マツ)
2007-07-01 22:20:25
今回も面白い切り口ですね。

僕の手持ちの2本のBニブのペンは、プラチナプレジデント(扁平ニブ)と、パイロットカスタム74(丸ニブ)で、対照的なニブの形状をしています。

扁平ニブのプレジデントはコントロールしやすく線もとても綺麗ですが、抑揚が少なく平面的な文字になる気がします。

一方、丸ニブのカスタム74は、やや扱いが難しい(角度によって線質が変わる)ですが、上手く使えたときは筆のように抑揚のある美しい文字が書けます。

もっとも、この違いはニブの形状だけでなく、ペン先の柔らかさや個体差なども大いに影響していると思うので、一概には言えませんが。

どちらも一長一短があり、それぞれに気に入っています。
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ありがとうございます (Fineman)
2007-07-04 23:20:22
マツさん こんばんは。

万年筆は書く道具なのだから、成果は書かれた
文字なわけで、マツさんはその文字の表情を
表現されていますね。

それに比べると私は軸が何mmだとか、重心が
どうしたとか、ニブの形状がどうしたとか、
コ難しいことばかり書いている気がしてきました。
というわけで、記事 021 番はちょっと
変えてみました。
返信する
「使いながら」 (茶渋)
2007-07-05 00:36:31
Fineman さん はじめまして。

田舎万年筆店応援HPと田舎文具店在庫紹介を
愛読させていただいておりますので、看板に
「国産万年筆を、使いながらレポートします」と
掲げたこのブログには期待しております。

ただ、2ヶ月が経過して、がっかりもしています。
それは、未だに「使いながら」という部分があまり
見あたらない気がすることです。

初志に戻られることはもうないのかなと、諦めかけて
いたのですが、今夜の Fineman さんコメントを拝見して、
もう少し通ってみようかなと思い直しました。


マツさん はじめまして

私は、扁平ニブと丸ニブの使い心地について、
マツさんとは正反対の印象を抱いています。

そして、パイロットの万年筆が性能は良いのに
いまひとつ人気がないのは、丸ニブなので
「抑揚が少なく平面的な文字になる」ため、

ペリカンがもてはやされるのは、扁平ニブで
「抑揚のある美しい文字が書ける」ためだろう
と思い込んでいました。

なかなか難しいものですね。
返信する
ダークサイド (Fineman)
2007-07-05 07:18:14
茶渋さん おはようございます。

●コメントありがとうございます。
なんだか 私は "ダークサイド" に落ちていたのかと、
リハビリでもしなくちゃならないような気がしてきました。
毎日結構な量の( 8の字や円ではなく )文章やイラストを
国産万年筆で書いているので 「使ってはいる」 のですが、
キーボードでBlogを打つ時の姿勢や気分や思考でそれを
表現するのが、どうもピタっと合わないのです。
●"最強インプレ" というのは、検索で目を引くアイキャッチ
になるかもな、という機能でつけたキーワード程度の意味で
しかないのでそういう自負は無いのですが、
最強と名乗る割りにはあんまり面白くないなあ、という記事
が多くなっているのはちょっと自分でも悩みの種であります。
どうも茶渋さんにはそのへんの腰の据わりの悪さがしっかり
バレていたようですね。
●ただ、多少はみなさんの目を引くと信じる題材を準備は
しています。その準備に手をとられて、
記事を練ることがおざなり( なおざり? )になっている
という事情もあります。
もうしばらく、ほんの少しだけ、ご期待ください。
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「新車情報」 (茶渋)
2007-07-05 13:24:40
Fineman さん、ご丁寧なお返事をいただき、ありがとうございました。

最近、万年筆に関する記事をのせたブログをたくさん見かけますが、
万年筆がかわいそうになるようなブログも多いです。

万年筆を買ってきて、写真を撮って、ブログの記事ができたら、インクを
抜いて大事に引き出しの中へ。万年筆は死蔵されて、今後何年も日の目を
みることもないのだろうな・・・・・などと想像してしまいます。

そのようなブログも、しっかり読ませてはいただくのですが。

ですから、「使いながらレポート」という、このブログには期待しています。
また、「コメントするは易し、記事を実現するは難し」ということも理解して
いるつもりです。失礼なコメントを差し上げましたこと、ご容赦ください。

さて、「使いながらレポート」ということを私なりに考えてみていて、
思い出したのが三本和彦という人の「新車情報」というテレビ番組です。
充実していたのは三本氏みずからがその車を運転してみせる部分でした。

運転しながらいろいろコメントを加えるのですが、運転席の着座感・頭上空間の多寡・
運転席からの視界・操舵感・タイヤのグリップ感・路面状況のフィードバック感・
エンジン音・ロードノイズ・車幅感覚・前後の見通しの良し悪し・加速感・登坂性能・
コーナリング性能・ブレーキ性能など多岐にわたりました。
解説・コメントはユーザーの視点から行われ、番組のその部分を見終わると、
あたかも自分が運転してみたかのような満足感がありました。

万年筆で同じようなことを実現するのはなかなか難しいとは思いますが、
Fineman さんならやっていただけると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

返信する
しつこくてすみません (茶渋)
2007-07-05 22:23:15
前のコメントは少し舌足らずだったので、しつこい
ようですが追加させてください。

三本氏の「新車情報」では、自らがその車を運転しつつ、
コメントされました。それらの解説・コメントは
ユーザーの視点に立ったもので、番組を見終わると、
視聴者にはあたかも自分が運転してみたかのような
満足感がありました。

万年筆の場合も、Fineman さんがその万年筆を使って
感じられたことをそのまま書いてくだされば良くて、
記事を練ることに過度に気を使われる必要や、
特に読者の目を引く題材を準備なさる必要はないと
思います。

Fineman さんにとっては、あたりまえに見えることが、
読者にはとても新鮮に感じられることもあるのでは
ないかと思います。これは、田舎万年筆店応援HPや
田舎文具店在庫紹介を愛読させていただいて、確信
しております。
返信する
ご心配なく (Fineman)
2007-07-06 06:19:59
茶渋さん おはようございます。

●実は私も、クルマ雑誌と万年筆雑誌を比べると、
万年筆雑誌には
ドライブフィールを表現豊かに表現する自動車評論記事に
類するものがあまりないなあ、と思っていました。
スペック解説が多くて。でも書き味の表現は才能や訓練が
要ってそう簡単ではないだろうなという気はします。
私が頭をひねっても「デューク更家のウォーキング」
とかいう奇手しか浮かんできません。

●ワインの味の表現で 「日なたの麦わらの匂い」とか
言ったりする、あれを連想したりしています。
凄いのでは 「キューピー人形の内側の匂い」 という表現
を見かけたことがあります。
私は詳しくないですが、どんなワインでしょうかね。

●さてそれから、面白いとコメントしなかったことを気に
なさっているようですが、ご心配なく。
姿勢良く座って真剣に書く原稿用紙や報告書の文章を
「お前の話はつまらん!」 と言われたら落ち込みますが、
足を組んで椅子に背中を預けて菓子などつまみながら
キーボードを打つブログの文は、気楽に割り切ってます。
また、顔が見えないコメントのやり取りに関しては、
ある大学の先生( 私ではない )の運営されている下記のサイト
http://www.web-sanin.co.jp/p/kacco/ashiato.htm
のページのずっと下のほうにある太字
「メールって暴力的だってことはよく知っていた方がいいと思うよ。」のそのまたちょっと下の
 ーMLの運営はしんどいの巻ー
やその太字6項目下の
 enjoyのようなMLはトラブルが多い!
をときどき思い出して肝に銘じています。ですから大丈夫ですよ。
私も余り人間が出来ている方ではないですが、
コメントは善意に善意に受けとらなくちゃ、と努力しています。

●それに
私の記事に簡単に面白いと迎合しない茶渋さんが現れて、
コメントの応酬のちょっとしたピリピリ感が
先の展開をドキドキさせるのか閲覧者数がグイッと増えました。
時々派手に議論を吹っかけて下さるとむしろ助かります。
返信する
丸いペンポイント? (茶渋)
2007-07-07 03:03:51
020- の記事を読み直していてなんだか違和感を
感じるので、ズームやコースのイリジウムを自分でも
ルーペで眺めてみました。

紙と接する面を良く見ると、かなり広いフラットな
面ができています。
( 019- を良く読むとちゃんと書いてありますね)

しかし、019- 018- の記事の写真を見るかぎり、
いかにも丸いペンポイントという印象です。
そして、 020- の表題が「丸いペンポイントを
ひねる」・・・・・

言いたいことは、丸いペンポイントという言葉は、
ズームやコースのペン先の性質に対して誤解を
もたらすのではないかということです。巨視的には
丸いのだから間違っているとは言えませんが・・・・

イリジウムの外見に惑わされず、ペンポイントと紙の
接触面の形状だけに注目すれば、ズームやコースと
扁平なニブの違いは接触面の前後幅(奥行き)に
あることになります。

実際に書いてみると、ズームやコースは、縦線も
横線もほぼ同じ幅で書けますが、扁平ニブでは
横線が細く、縦線が太く書けます。

Fineman さんの考察の図も上述しました誤解
(私だけかもしれませんが)を助長している
気がします。このように配置して図を作ると、
特太ニブでも紙の側は曲面ではなく平面になる
はずです。

つまり、扁平ニブと特太ニブで紙との関係に
違いはないはずです。

切り割に関する部分も実際にやってみると、
違った様相を呈しました。

軸を捻って書いてみると、切り割の両側は上下に
ずれ、特に金ペンの場合はかなり捻っても外側に
なったペン先もしっかり接地(紙)しました。
ペン先自体も接触面を広げる方向に少し捻れて
いるようです。

両方の接地点の間にちゃんとインクが拡がり、
問題なく筆記できます。
書き心地は良くありませんが。

だから、よほど極端に捻らない限り、万年筆の
ペン先はいつも車のタイヤのように働いている、
これは扁平ニブでもいわゆる「丸ニブ」でも
違いはない、ということにならないでしょうか。
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二輪車 (丸刈太)
2007-07-08 11:53:47
こんにちは。万年筆とバイクの対比、思っても見ませんでした。面白いですね。

その伝で申しますと、わたくしには、万年筆は「2本のサスペンションで
左右両輪を接地させる二輪車」に見えます。
(バネの長いセグウェイみたいな構造)
(するとクロスポイントは四輪車?)
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そうですよね (Fineman)
2007-07-09 06:36:17
茶渋さん、丸刈太さん
コメントありがとうございます。

あり?
そうですよね。どうも私もヤキが回ったか。
おっしゃるようにペン先は、
私が描いたような1個の球ではなくて、

左右に分かれていてそれぞれが別個に動く
独立懸架のサスペンションですよね。
イラストも、バイクでなくてセグウェイに
描きなおさなくちゃ。

さて、ちょいとバタバタしておりまして、
茶渋さんの指摘には後ほどまたコメントします。
しばらくお待ちくださいませ。
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