前回の記事を承けて、具体的に一首でも歌を引いて・・・と思って、またどっぷりと浸ってしましました。(汗)
独断と偏見によりますが。
「右耳の鳩」(中川宏子)を、私がどんな風に味わっているかをご紹介いたします。(笑)
積もらない雪が降ってる地中深く短歌をやめろといふ爆弾
二〇〇八年/わたしもさくら の章より
この歌を読んで、すぐに連想したのは、ほむほむ(穂村弘)氏の「短歌という爆弾」です。
この本は、私も何度か読みました。
この著書の中に、石川啄木や俵万智の「驚異の感覚」について述べられていまして。
砂浜に二人で埋めた飛行機の折れた翼を忘れないでね (俵 万智)
なんで「飛行機の折れた翼」なんやねん、ってことで。
「桜色のちいさな貝」では、心の深いところには刺さらない と言われてまして、すごく勉強になったのです。
空を飛ぶ為の飛行機の翼が、砂浜に埋められるだけでも悲しい。しかも、翼って左右で一対やのに、折れてるなんて、めっちゃ悲しい。。。
この自分自身の体験とかけ離れた一瞬の衝撃を通過することによって、より普遍的な共感の次元へ運ばれることになる ってことなんですね。(赤字は著書より引用)
このくだりを思い出したんです。
積もらない雪も、はかなげで悲しいのに。
それが地中深くに降るんです、人に気づかれることもなく。
宏子さん(って自分と同じ名前の方って、それだけで自己投影してしまいます)そんなに苦しい思いをしながら歌を詠まれてるんですね。
でも、だからこそ、こんなに味わえる作品になるのでしょうから、どうかこの爆弾は抱えていても爆発させないで・・・などと思いを馳せ。
そういえば
本当に好きなのならば風恋の歌の百首を一晩にせよ
二〇〇九年/風恋 の章より
という歌も、歌人ならではの歌かもなぁとため息が出ます。
同じようなテイストで紅(永田紅)さんの歌を思い出したりもしました。
相聞歌つくれよある日壜底の輪っかのしみをにじませながら (永田 紅 「日輪」)
私は、「本当に好きなのならば」という歌い出しでどんな歌が詠めるのだろう。。。
こんな事をあれこれ思いながら、味わってます。
いつも、どの歌(歌集)に対してでもではないのですが。
当分は、寝室の文机の上に置く歌集かも知れません。
*画像は、先週広島出張の折のワンショット。
人なつっこいすずめさんでした。^^
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お読みくださり有難うございます。仰る通り『短歌という爆弾』を踏まえて作った歌です。
「風恋」は造語ですが、自分でも好きな連作です。丁寧に読んで頂けてうれしいです。
目に留めていただけた上に、わざわざコメントいただいて大変感激しております。
「風恋」、すてきな言葉ですね。「恋魚」も好きです。
まだまだ思うことがあるので、また、拙ブログで好き勝手書くかもしれませんが、ご容赦くださいませ。^^;
これからもご健詠あらんことをお祈り申し上げます。