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神の王国

2021-10-16 04:36:00 | 日記
神の王国

わたしたちは,永遠に続く王国の基礎を置きつつあります。この王国は時至れば花咲き,永遠に実りをもたらします。
わたしたちは,かつて世の人の注目を集めた業の中で 最も偉大な業に携わっているのです。

ジョン・テーラーの生涯から

ジョン・テーラーは,神の王国が地上に確立されることを固く信じていた。そして,それに向けた努力は,預言者ジョセフ・スミス やほかのいかなる人物にも依存しているわけではなく,最終的には 主の指示によって行われることを理解していた。さらに,ジョン・ テーラーはその努力のためには自分の命をも犠牲にする覚悟ができ ていた。

1838年,十二使徒定員会に召された直後,ジョン.テーラーはミズーリ州ファーウェストに向かって出発した。聖徒たちと合流するためである。その途中,オハイオ州コロンバスの近くで,あるグル
ープに話をする予定が組まれていた。約束の時刻の直前,数人の兄弟たちがやって来て,ある情報を伝えた。かなりの数の男たちがすでに集会場に集まっていて,テーラー長老の体にコールタールを塗 りつけ,羽根で覆ってやろうと企んでいるというのである。兄弟た ちは,自分たちが数に劣り,長老を守ることができないだろうとい う理由で,その集会をキャンセルするよう進言した。しかし,テー ラー長老は,自分は予定どおり出かけて行って説教をする,しかも, たとえ自分一人で行かなければならないとしても出かけて行くと主 張した。

会場に到着すると,大群衆が彼の説教を聞くために集まっていた。彼 は最初に,専制君主によって支配されている国々を最近まで旅してきたば かりだという話をした。また,今は再び自由の国土の上に立つことができ, その栄誉を感じていると話した。そして,その自由がどのようにして獲得 されてきたかについて触れて,次のように語った。「皆さん,わたしの前
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におられる皆さんの先祖たちは,人類に与えられた最大の祝福の一つ を求めて戦い,これを獲得してきました。それが,考える権利,話す権 利,書く権利であり,また政府の代表者をだれにすべきかを表明でき る権利であり,自らの良心の命ずるままに神を礼拝する権利なのです。 これは皆,神聖なものであり,人類の権利であり,アメリカ合衆国憲法 に保障されたものです。わたしの目の前には,そうした気高い人々を先祖に持つ人々がいます。その先祖たちは暴君の命令に屈するよりも, 生命と財産と神聖な名誉をかけて,そうした束縛を打ち破り,自ら自 由を享受し,子孫にそれを残すことを選びました。そして,もしそれ ができなければ,その戦いの最中に死ぬことも辞さなかったのです。」

テーラー長老は続けてこう言った。「皆さんに申し上げたい。わ たしに届いた情報では,皆さんは,宗教上の意見の相違から,わた しにコールタールを塗り,羽根をつけることを計画しているとのこ とです。それは,皆さんの先祖から受け継いだ恩恵でしょうか。皆 さんの先祖たちが最愛の人の命までも犠牲にして勝ち取った祝福でしょうか。これが皆さんの言う自由でしょうか。もしそうだと言う のなら,今ここにそのための犠牲がいます。そして,わたしたちは それを自由の女神にささげる供え物とすることになるでしょう。」

こう言った後,長老はベストの胸を裂き,次のように叫んだ。
「さあ,コールタールと羽根を持って来るがいい。犠牲になる覚悟はできている。尊敬する愛国者の亡き霊たちよ,不肖の息子たちの 行いを見るがいい。さあ,どうだ,ざあ,覚悟はできているぞ。」 テーラー長老はそこで数分様子を見た。しかし,だれも動かず,だ れも口を利かなかった。それから長老は話を続け,聴衆に向かい3 時間にわたって大胆に,また力強く説教を行った。2

十二使徒定員会のマサイアス・F・カウリー長老は,テーラー大管長の死後何年もたってから,次のように語っている。「彼は,好きな モットーである『神の王国か,それとも無かjという言葉の完壁な
生きた証として生涯を送り,働き,死んでいったのである。」3

ジ ョ ン ・ テ ー ラ ー の教え

地球は主のものであり,主は正当な統治者,裁き主,王であられる

この地球をお造りになったのはどなたでしょうか。主です。では,この地球を支えておられるのはどなたでしょうか。主です。聖徒であ ろうと罪人であろうと,この地上に生存する数多くの人類に食べさせ, 着せられているのはどなたでしょうか。主です。宇宙の万物を支えて おられるのはどなたでしょうか。主です。.....・人類に理解の力をお授 けになったのはどなたでしょうか。主です。異邦人の哲学者や機械技 師などに英知のあらゆる要素を与え,前世紀のうちに,電報,電力, 人類の必要を満たす蒸気機関の応用といったあらゆる発明をもたらさ れたのはどなたでしょうか。主です。......国々を統治し,王国を支配
し,地のあらゆる民を治める権利をお持ちなのはどなたでしょうかo4 この地球が聖徒たちの住まう場所であり,聖徒たちの合法的な受け 継ぎであると考えるのは正当なことです。地球がイエス.キリストのも のであるかぎり,聖徒たちのものであり,イエスに従う者たちのもので す。それは,「地と,それに満ちるもの......とは主のものである」と書かれているからであり,また,あらゆるものが正しく置かれたときには, 「いと高き者の聖徒たちは王国を受け,王国を所有し,全天下の王国 の大いなるものがいと高き者の聖徒たちに与えられる」ことになって いるからです〔ダニエル7:18,27参照〕。こうしたことから,地球は聖徒 たちの合法的な受け継ぎなのですo5

聖典では,キリストは合法的な相続人であり,この世を受け継ぐ御方であると表現されています。さらに,かつて世の罪を蹟うために降 臨された御方,また,やがて世の統治者,裁き主,王として降臨される 御方であると記されているのです。6

教会は地上において神の王国を導入する役割を果たす

神の王国とは,神の統治のことですbつまり,力と権能と支配と主権と, そして統治する民が存在するということですbしかしこの原則は,聖文で教 えられているように,この世のもろもろの王国が主でありキリストである御方 の王国になるまでは,成就することもなければ完全な意味で成就させること もできません。それが成就したとき,主が国々を治め〔黙示ll:15参照],キ リストに対してあらゆるひざがかがみ,あらゆる舌が,父なる神の栄光に対 して,主こそキリストであると告白する〔教義と聖約M:lOl参照〕ので戎そ の時はまだ到来していません。しかし,それに関連してすでにもたらされて いる原則も幾つかありますbそれがすなわち,その王国の導入ということです。その王国の導入については,王であり,統治者であり,その政体の頭である御方によってのみ可能となります。この御方は,その考え方,原則,律法'統治方法などを民にお伝えになるのです。そうでなければ,わたしたち は主の律法が何であるかを,知りようがないからです。
神の王国を打ち立てるために最初に必要なこととは何でしょうか。一 みこころ
人の預言者を起こし,その預言者が神の御心を宣言することです。次 に必要なことは,その預言者を通じて伝えられる主の手に従順な民の 存在です。この二つがなければ,地上に神の王国を設立することは不可能なのです。

神は御自分の王国を地上にもたらしたいと望んでおられました。そのためにはまず、教会を設立し,国々に散らしておいた民を組織し,一つ にまとめる必要がありました。そのようにして,一つの群れ、一人の羊飼 いとなり〔ヨハネ10:16参照],主は一つ,信仰は一つ,神は一つとなる のです。この神はすべてのものの内にあり,すべてのものを貫いていて 〔エペソ4:5-6参照〕,あらゆるものを統治しておられます。そして,そ の目的を達成するために,天上で存在していたと同様に,聖なる神権の 組織を樹立されたのです。

わたしたちは神の教会について話題に採り上げることがありますが, それはなぜでしょうか。また,神の王国のことも話題に上りますが,そ れはなぜでしょうか。それは、神の王国が存在するに先立って,神の教 会が存在しなければならないからです。つまり,主イエス.キリストやほ かの人々がこの地上におられた時代と同様に,福音の第一の原則があらゆる国々に説かれる必要があったのです。それはなぜでしょうか。 啓示の霊の影響を受けることも,その導きを受けることもできない民の 間では,神の律法をもたらすことなど,不可能だったからです。

神がこの地上に王国を建設することがおできになったのは,先に, 教会が存在し,また,それまで神の律法に従っていて,さらに喜ん で従おうとする民が存在していたからです。そのような民を組織し て,つまり,エホバの御心を民に告げる代弁者である,神から霊感を受けた者の指示の下に,地上の国々から集められた民を組織して 初めて,主なる神が啓示を下される機会が生まれ,命の律法が明ら かにされる機会が生じ,神がこの地上に天の原則をもたらされる機 会が生まれ,神の御心が天において行われるように地上でも行われる機会が生じるのだと,わたしは断言します。

イエス・キリストはやがて王国を完全に確立し,地上で統治きれる


「御国がきますように」〔マタイ6:10〕......これは,弟子たちが イエスのもとに来て,「どう祈るべきか,教えてください」と言つ たときに,イエスがお教えになった言葉です。...・・・御国が,すなわ ち,王国が,来ますように。どのような王国なのでしょうか。「御 国がきますように」とはどういう意味なのでしょうか。それは,神 の支配ということです。神の律法ということです。神の統治という ことです。これまでエホバの命令に耳を傾け,これからも喜んで耳 を傾け,それに従う民がいるということです。さらに,民を喜んで 導き,教え,支える神がおられるということです。御国が来ますよ うにという祈りは,それによって,あなたの統治が確立されますよ うにということであり,永遠の真理の原則が,天で存在しているよ うに,人にも教えられますようにということであり,そして教えら れた人々がそうした律法や神の統治に従い,神の戒めを守り,神の
おそ 導きの下にあって,神を畏れて生活するようになりますように,ということです。御国が来ますように,という祈りは,それによって, 人類の中に現在存在している混乱や悪事,邪悪,殺人,流血が消え てなくなり,神の胸に宿る真理と義の原則や思いやりと慈愛と愛の 原則がわたしたちの心にも宿りますように,ということなのです。

神の王国は文字どおり地上に確立されると......わたしは申し上げ てきました。これは,一部の空想家が言うような,実体のない幻想 のようなものではありません。具体的に起こる現実の問題です。以 前申し上げたように,神の王国は文字どおりこの地上に確立されま す。そしてその構成員は,文字どおり年齢を問わずあらゆる人であり,神の戒めを守る生きた聖徒たちであり,また実際に墓から出て 来てこの地上に住む復活した人々です。主が全地の王となり,全人 類が文字どおり主の統治下に入ります。そして,天の下にあるもろもろの国は主の権威を認め,主の笏に身をかがめざるを得なくなるのです。義にかなって主に仕える人々は,神やイエスとの交わりを 持ち,天使の導きを受け,そして,過去,現在,未来のことについ て知ることになります。一方,ほかの人々は,主の律法に対して完 全な意味では従順ではないかもしれませんし,また,主の聖約の中 で完全な意味で教えを受けることもないかもしれません。しかしな がら,そういう人々も主の統治の下には完全に入ることになります。 それは,地上で主が主権を持っておられるからです。主は御自分の律法を施行し,世の国々にその律法を遵守するようお命じになりますが,これは立法上からも,主の権利です。そのときには,サタン は地上の住民を支配下に置くことが許されなくなりますが,それは 主なる神が全地の王となられるからであり,また,王国と,全天の 下にある王国の偉大さとが聖徒たちに与えられるからです。
キリストの王国が確立されると,あるいは地上において神が統治されると,その結果としてどのようなことが起こるのでしょうか。
......戦争,流血,貧窮,病気,罪に終止符が打たれ,平安と義,正 義,幸福.繁栄の王国が開始されることになります。それは,地球 と人が,いにしえの栄光と本来の優れた資質を取り戻すことであり, 実際,世の始まる前からあらゆる預言者によって語られてきた,万物の更新なのです〔使徒3:21参照]。

主は王国設立の手助けのために聖徒たちを召された

フランスである紳士が話しかけてきて,わたしたちが世界で何か偉大なことを達成しようと考えているのかどうかを知りたいと申し出ました。わたしは彼に,わたしたちが全世界に福音を宣く伝える ためにやって来ていること,そして,すでに地の隅々にまで伝わっ ていることを説明しました。これは世界の片隅で行われるような業 ではありません。むしろ時間を超えて,永遠にまで及ぶ業なのです。 この業は永遠の過去にまで及び,数千年前に亡くなった人々を探し 出して,神の王国に連れ戻します。さらに,これから次々に生まれ てくる新しい世代に祝福を注ぎ,最終的には,天と地を一つに結び ます。そしてこうしたことをすべて,イスラエルの神の名によって 達成するのです。天の力はわたしたちの助けになります。そして, 永遠の世にいる父祖たちは,わたしたちと一つに結ばれています。 それは,わたしたちが,現に今存在する命と,そしてまたやがて生 まれてくる命の約束を担っているからなのです。
わたしたちはたった今,栄光に満ちた企画に着手しました。時の経 過とともに,古代の預言者たちが語ってきたことをすべて実現します。 ....・・兄弟の皆さん,わたしたちは開始します。自身の望みよりも,栄光 に満ちた神の目的を成就するためにはどうしたらよいかを研究します。 ・・・...真理の力が世に出る必要があります。暗黒の鎖は断ち切られな ければなりません。神の王国を建設しなければなりません。そして, いかなる力もそれを押しとどめることはできないのですbl5
わたしたちはこれまで何年もの間,神の王国の規則や統治について, そして,王国が最終的に平和と義のうちに地上に確立されることについて話し合ってきました。あるいはまた,天と地,地の下と海の中にある つくすべての造られたもの,そして,それらの中にあるすべてのものが,「御座にいますかたと小羊とに,ざんびと,ほまれと,栄光と,権力とが, 世々限りなくあるように」(黙示5:13)と歌うのを聞くのはいつになるのか, その時について話し合ってきました。こうした話し合いを続ける一方で, 残りの期間で,すなわち,現在と,偉大なる将来にわたるあの測り得な い期間との間で,しなければならないことが多くあります。それは単に 信仰だけのことではありません。何らかの行動が必要なのです。それ
は,わたしたち自身が,個人としても一つの民として全体としても,かかわら なければならないことで,決して軽々しく扱ってよいことではないのです。16 わたしたちには実践すべき偉大な使命があります。それは,神の王国の律法に従ってわたしたち自身を治めるように努めなければならないとい うことです。そして,これまで着手した事業の中でも,これが最も困難な仕 事の一つであることが分かっています。つまり自分自身を治められるように なることです。自分たちの欲望,気質,習慣,感情,生活様式,精神の動 き,判断力を治め,心の望みを皆,神の王国の律法や真理の精神に添わ要なことであり,また今この時点で始めなければならないことなのです。

神を畏れ,義の業を行ってください。自分の宗教の教えに従って生活 し,戒めを守り,神の前に謙遜になってください。一つになり,聖なる神 権を持つ者と,また互いに一致してください。そうすれば,わたしは神 の名によって申し上げます。シオンは立ち上がって輝き,神の力はシオ
ンにとどまり,シオンの栄光は明らかにされ,わたしたちは完全な平和の福音の祝福に喜ぶことになるでしょう。さらに,神の業は前進し,拡大して,やがてこの世界のもろもろの王国が,神とキリストの王国となることでしょう〔黙示11:15参照〕。そのときには,天と地,地の下にあるすべての造られたものが,「御座にいますかたと小羊とに,祝福と,栄光と, ほまれと,権力とが,また勢力と威厳と主権とが,世々限りなくあるよう に」と歌うのを聞くことになるでしょう〔黙示5:13参照]。

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