もう1つの感性の本棚

書くことを仕事にしている者として、日常をどのような感性で掬い取るか。

街の縁取り75◆大人の遠足・新潟編~寿司は個性

2007-02-13 23:15:02 | 街の縁取り
 2日連続で寿司を食べた。勿論自腹である。
 1日目が新潟市で一番グレードの高いホテルに入っているところ、2日目が寄居町、日銀新潟支店近くの路面店。
 なぜこの2軒だったか。

 以前、本ブログで少し触れたことがあったが、ホテルの方は、大量仕入れの頂点にあるのという話をあるバーで耳にし、試しに行ってみた。もう一方は、新潟市山手界隈で昔大地主だったという老婦人から聞いた。
 ホテルは祝日の昼にアルコールなしで家人と、路面店は平日の夜にビール付きで1人で、ともにカウンターに座った。
 頼み方は、ホテルでは3000円のセットを先にして後は、そこにないものをお好みで追加。内容はあら、ふなべた(かれい)、のどぐろ(赤むつ)、ばい貝など。2人で10600円也。
 路面店では、ビールを頼んでから、「お勧めを一通り」と言ってすべて違う種類でまず10貫、その後追加で巻物1種類とつまみの卵焼き。先の10貫は、ブリ、イカ、うに、いくら、南蛮えび(甘エビ)、マグロ大トロ、バイ貝、えんがわ、アジ、あと1つが思い出せないが、これに椀が付いて3600円也。すべて一口で食べるのがむずかしいほどネタが大きい。

 ここで軍配をどちらかに上げるつもりはない。たかだか何回か市内で寿司を食べたことがあるだけで判断することがおこがましいし、提供する基本的なものも雰囲気も含めて違う。

 収穫は、その違いが分かった点だ。「当たり前のことじゃないか」と言われそうだが、実は、半年ほど暮らしながら食べてみて、新潟の寿司には個性がないのではないか、と思うようになっていたところだったのだ。
 シャリが酢飯でない、ネタとシャリのバランスが繊細でない、だけど素材はいい、というパターンが続き、そのイメージが定着しつつあった。

 ホテルと路面店の寿司に接して、本来存在する個性が際立った。