益田森林・林業普及情報

島根県西部農林振興センター 益田事務所

赤松亡国論って?

2007年01月26日 | 普及員のつぶやき
昨日のつづきです。


森林太郎A
 ところで「赤松亡国論」ってなんですか。

森林太郎B
 全く聞いたことがない? それでは、本多静六は?
 もぐりがさらにもぐって、浮かびあがれそうにないね。

森林太郎A
 はあ
 その人の名前も聞いたことがありません。

森林太郎B
 本多静六は、赤松亡国論を書いた人だよ。有名な論文だから、林業に関する仕事をしているんだったら、名前くらいは知っておくといいよ。
 確か、明治33年に発表された論文「我國地力ノ衰弱ト赤松」の別称のことだよ。
(明治33年発行、東洋学芸雑誌第230号、本多静六林学博士著、我國地力ノ衰弱ト赤松)

森林太郎A
 中身はどんなものですか。

森林太郎B
 概略は、

  アカマツは痩せ地に生育する。
   → アカマツ(林)が増えると痩せ地が増える。
    → 痩せ地の多い国土は衰退する。

 といったことがかいてあるよ。

森林太郎A
 それは少しおかしいような気がしますが

森林太郎B
 いいところに気が付いたね。
 今、君が思った様に、現在の林業関係者は、

  アカマツは痩せ地に生育する。
  → アカマツは裸地化したような荒廃地へいち早く侵入する。
   → 侵入した荒廃地でたくましく生育しやがて林を形成する。
    → したがって、アカマツはそれ以上の荒廃を防止する。

といった考える方が主流だと思うよ。
 したがって、アカマツは、国を滅ぼすことはないだろうし、松くい虫で松林が消滅しても困るね。


 しばらくして、森林太郎A君、鳥獣担当のK本さんにすり寄り

森林太郎A
 K本さん、「赤松亡国論」って知っていますかー?

K本
 あー、知ってますよ。名前だけは
 えー、森林太郎Aさんは、名前も知らなかったんですか。
 それって、もぐ・・・

森林太郎A
 先程、・・・
  む・む・む・・・




* 通称「赤松亡国論」については、赤松亡国論の周辺(1979,9、林業技術450、
  深作哲太郎著)にいろいろと書いてあります。
  確か、この中では、警鐘だか、警世だかの論文と書いてあった様な気がしま
  す。

  森林総合研究所の文献検索で論文・文献などテーマだけは検索できます。
  「赤松亡国論の周辺」もヒットしました。試してみてください。


林業・林産関係国内文献データベース(FOLIS)をクリックしてみてください。
結構便利なサイトです。
http://www.ffpri.affrc.go.jp/database.html


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