昨年の9月10、11日の2日間、
提案型施業等の取り組みで全国的に有名な日吉町森林組合(写真1)を
視察する機会がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/9d/00f4c8432c1376fbfd9bfe83cb75ef74.jpg)
写真1 日吉町森林組合のある日吉町産業振興会館
2日間と言っても、
10日の16時半~18時半の1時間半
11日の7時~8時の1時間の計2時間半です。
今回の視察は、当ブログでも次の記事で紹介している
アウトドアライターの天野礼子さんが企画されたものです。
平成19年 9月 3日付け 天野礼子さんと河原で鮎を食べました!!
平成19年 8月30日付け 天野礼子さん 来県!
平成18年12月18日付け「森里海連環学inかきのき村塾」に出席しました。(Uアマの報告)
参加者は、10日朝7時に高知県を出発し、
10時から岡山県の銘建工業、
13時半から兵庫県の県営住宅(j.pod工法)、
16時半から京都府の日吉町森林組合を視察し、
翌11日は、朝6時半に起床し、
7時から1時間の日吉町森林組合での座学の後、
11時半から奈良県の清光林業を視察し、
22時に高知県に到着するという濃密な視察です。
私は、ちょうど夏季休暇中であったため、
日吉町森林組合のみ視察させてもらいました。
私は、余裕を持って日吉町(現南丹市)入りし、
巨大な日吉ダム(写真2)を眺めながら昼食をとり、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/34/623beaef61de16b9af294ab3c9bf55bb.jpg)
写真2 日吉ダム(でかい!)
昼食後、日吉町内の森林や作業道を自分なりに見学し、
15時過ぎには、日吉町森林組合に到着しました。
緊張しながら、森林組合に入って挨拶すると、
職員の方が、参事さんを呼んでくれました。
日吉町森林組合の参事は、林業関係者なら皆さん御存知のとおり、
全国の研修会やシンポジウム等で引っぱりだこで、
当組合の顔とも言うべき、湯浅勲さんです。
「わっ本物だ。」と思って、びびりながら、
「島根県の益田事務所の大場です。」と自己紹介すると、
「???あっ天野さんの関係ね。早かったですね。どうぞ。」と
中に案内してくれました。
時間があるので、有名な森の道具屋を覗いてみました(写真3,4)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/de/56836a3b5b8d2e3a4ca53818d239c381.jpg)
写真3 森の道具屋正面
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/6c/3139b67317ccbf86f2e9fb297d6f4ce3.jpg)
写真4 森の道具屋店内
森林組合としては、品揃えはかなり豊富で、
山関係の道具だけではなく、
鳥獣被害対策グッズや農業資材までありました。
まるで金物屋か小さなホームセンターのようです。
これだけ商品があれば、「ちょっと組合に寄っていこか。」
という人も結構いそうです。
16時になり、私の後に、
近畿中国森林管理局の日尾野局長さん、同じく販売課の細川課長補佐、
兵庫県の山田林業の山田さんがいらっしゃったところで、
「とにかく、時間がないから。」と
湯浅参事さんの説明が始まりました(写真5)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/91/8b7907cc7f7ad9c65d742041f20224b5.jpg)
写真5 図面を広げ説明される湯浅参事さん(中央)
バス班は、まだ来ていません。不思議な参加者の取り合わせです。
どう考えても、ぺーぺーの私一人が“場違い”で浮いています(苦笑)。
まず、提案型施業の流れに沿った説明がありました。
「森林計画図を樹種別・齢級別に色を塗り分けた図面です(写真6)。」
「ピンク色の部分は、間伐が済んだ箇所です。」
「この図面を見て、間伐する団地を決めていきます。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/c8/ccde312a88c2a2611f5d854b86315809.jpg)
写真6 樹種別・齢級別の色塗り図
「団地を決めたら、境界確認と作業道のルート設計をします。」
「作業道のルートと境界を、
1/1000図面に記入します(写真7)。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/08/6947f2751b62dd69e696c3bac8a9347d.jpg)
写真7 境界と作業道ルートの計画図
「ここまでやって、現場説明会を開きます。」
「“負担なし”なら協力してくれる旨、所有者の承諾を取ります。」
「団地の所有者の承諾が得られたら、森林の現地調査を行い、
森林施業プラン(見積書+契約書)を作成します(写真8)。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/86/3f5c1673138e9e7393c42df8f1ef435c.jpg)
写真8 森林施業プラン
「契約後、施業実施して、所有者に完了報告します。」
「施業実施後の森林の情報は、データベース化しています。」
「データベースとさっきの図面で施業履歴が管理できます。」
林業関係者ではない方は、
「森林計画図、森林施業プラン等、言葉はよくわからないが、
契約の手順等、当たり前のことを言っているのでは?」
という感想をお持ちになるかもしれません。
しかし、
広大な森林、大勢の組合員が相手という森林組合の特性の中で、
団地を設定して、施業の集約化、森林所有者の取りまとめを行い、
森林の現地調査結果に基づいた透明性の高い見積書を
森林所有者に提示して、施業を実施する提案型施業を
全国に先駆けて行ったところが、
日吉町森林組合が高い評価を受けているところなのです。
当たり前のことが、なかなか難しかったのです。
さて、長くなりましたので、続きは次回にします。
投稿者 島根県西部農林振興センター益田事務所林業普及グループ
主任林業普及員 大場寛文
~清流高津川、山の緑に映える柿色の瓦屋根の町並み~
なつかしの国石見(いわみ)
提案型施業等の取り組みで全国的に有名な日吉町森林組合(写真1)を
視察する機会がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/9d/00f4c8432c1376fbfd9bfe83cb75ef74.jpg)
写真1 日吉町森林組合のある日吉町産業振興会館
2日間と言っても、
10日の16時半~18時半の1時間半
11日の7時~8時の1時間の計2時間半です。
今回の視察は、当ブログでも次の記事で紹介している
アウトドアライターの天野礼子さんが企画されたものです。
平成19年 9月 3日付け 天野礼子さんと河原で鮎を食べました!!
平成19年 8月30日付け 天野礼子さん 来県!
平成18年12月18日付け「森里海連環学inかきのき村塾」に出席しました。(Uアマの報告)
参加者は、10日朝7時に高知県を出発し、
10時から岡山県の銘建工業、
13時半から兵庫県の県営住宅(j.pod工法)、
16時半から京都府の日吉町森林組合を視察し、
翌11日は、朝6時半に起床し、
7時から1時間の日吉町森林組合での座学の後、
11時半から奈良県の清光林業を視察し、
22時に高知県に到着するという濃密な視察です。
私は、ちょうど夏季休暇中であったため、
日吉町森林組合のみ視察させてもらいました。
私は、余裕を持って日吉町(現南丹市)入りし、
巨大な日吉ダム(写真2)を眺めながら昼食をとり、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/34/623beaef61de16b9af294ab3c9bf55bb.jpg)
写真2 日吉ダム(でかい!)
昼食後、日吉町内の森林や作業道を自分なりに見学し、
15時過ぎには、日吉町森林組合に到着しました。
緊張しながら、森林組合に入って挨拶すると、
職員の方が、参事さんを呼んでくれました。
日吉町森林組合の参事は、林業関係者なら皆さん御存知のとおり、
全国の研修会やシンポジウム等で引っぱりだこで、
当組合の顔とも言うべき、湯浅勲さんです。
「わっ本物だ。」と思って、びびりながら、
「島根県の益田事務所の大場です。」と自己紹介すると、
「???あっ天野さんの関係ね。早かったですね。どうぞ。」と
中に案内してくれました。
時間があるので、有名な森の道具屋を覗いてみました(写真3,4)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/de/56836a3b5b8d2e3a4ca53818d239c381.jpg)
写真3 森の道具屋正面
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/6c/3139b67317ccbf86f2e9fb297d6f4ce3.jpg)
写真4 森の道具屋店内
森林組合としては、品揃えはかなり豊富で、
山関係の道具だけではなく、
鳥獣被害対策グッズや農業資材までありました。
まるで金物屋か小さなホームセンターのようです。
これだけ商品があれば、「ちょっと組合に寄っていこか。」
という人も結構いそうです。
16時になり、私の後に、
近畿中国森林管理局の日尾野局長さん、同じく販売課の細川課長補佐、
兵庫県の山田林業の山田さんがいらっしゃったところで、
「とにかく、時間がないから。」と
湯浅参事さんの説明が始まりました(写真5)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/91/8b7907cc7f7ad9c65d742041f20224b5.jpg)
写真5 図面を広げ説明される湯浅参事さん(中央)
バス班は、まだ来ていません。不思議な参加者の取り合わせです。
どう考えても、ぺーぺーの私一人が“場違い”で浮いています(苦笑)。
まず、提案型施業の流れに沿った説明がありました。
「森林計画図を樹種別・齢級別に色を塗り分けた図面です(写真6)。」
「ピンク色の部分は、間伐が済んだ箇所です。」
「この図面を見て、間伐する団地を決めていきます。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/c8/ccde312a88c2a2611f5d854b86315809.jpg)
写真6 樹種別・齢級別の色塗り図
「団地を決めたら、境界確認と作業道のルート設計をします。」
「作業道のルートと境界を、
1/1000図面に記入します(写真7)。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/08/6947f2751b62dd69e696c3bac8a9347d.jpg)
写真7 境界と作業道ルートの計画図
「ここまでやって、現場説明会を開きます。」
「“負担なし”なら協力してくれる旨、所有者の承諾を取ります。」
「団地の所有者の承諾が得られたら、森林の現地調査を行い、
森林施業プラン(見積書+契約書)を作成します(写真8)。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/86/3f5c1673138e9e7393c42df8f1ef435c.jpg)
写真8 森林施業プラン
「契約後、施業実施して、所有者に完了報告します。」
「施業実施後の森林の情報は、データベース化しています。」
「データベースとさっきの図面で施業履歴が管理できます。」
林業関係者ではない方は、
「森林計画図、森林施業プラン等、言葉はよくわからないが、
契約の手順等、当たり前のことを言っているのでは?」
という感想をお持ちになるかもしれません。
しかし、
広大な森林、大勢の組合員が相手という森林組合の特性の中で、
団地を設定して、施業の集約化、森林所有者の取りまとめを行い、
森林の現地調査結果に基づいた透明性の高い見積書を
森林所有者に提示して、施業を実施する提案型施業を
全国に先駆けて行ったところが、
日吉町森林組合が高い評価を受けているところなのです。
当たり前のことが、なかなか難しかったのです。
さて、長くなりましたので、続きは次回にします。
投稿者 島根県西部農林振興センター益田事務所林業普及グループ
主任林業普及員 大場寛文
~清流高津川、山の緑に映える柿色の瓦屋根の町並み~
なつかしの国石見(いわみ)