益田森林・林業普及情報

島根県西部農林振興センター 益田事務所

K森少年の遊び場

2008年02月14日 | 森づくり
 2/7(木)は、
 林業雇用管理改善セミナーに参加するため、
 出雲合同庁舎に出張でした。

 そこで、ちょっと寄り道をして、
 同じく出雲市内にある県立浜山公園で、
 昼食をとることにしました(写真1)。


 写真1 昼食のおにぎり(具は梅干しです)

 というのは、
「浜山公園の海岸マツ林を一度、見てみたい。」
 と思っていたからです。

 浜山公園のマツ林は、
 江戸時代井上恵助という人が、
 22年もかかって造成したものだそうです。

 さて、私とK森専門林業普及員は、
 新しまね森林・林業活性化プラン後期施策に掲げている
 自治会による海岸林の保全・整備推進プロジェクト
 サブリーダーとして取り組んでいます。

 K森普及員は、時折、
 次のような思い出話をしてくれます。
「わしが、子どもの頃はなぁ、
 走り回ったり、木登りをしたり、
 浜山公園のマツ林でよく遊んだもんだ。
 ショウロなんかも珍しいもんじゃなくて、
 蹴飛ばして遊んでいたなぁ。」

「海岸マツ林っていうのは、
 腐葉土なんて、ほとんどなくて、
 砂地にマツの枯葉が、薄くかぶってる程度でな、
 他の植物は、コケがあるぐらいの
 イメージなんだよ。」

 ということで、K森普及員は、
 海岸マツ林での原体験が豊富なのです。

 一方、同じサブリーダーの私は、
 マツとキノコと言えば、
 団地の植込のアカマツに生えていた
 アワタケぐらいしか思い出がありません。
 親父と一緒に採って食べたこともありますが、
 味は、憶えていません(うまくなかった?)。
 K森普及員と同じく、蹴飛ばしていたような気がします。

 K森少年の遊び場だった
 海岸マツ林を思い浮かべてはみますが、
 「百聞は一見に如かず」です。
 実際に歩いてみることにしました。
 もっとも、松枯れの被害と運動公園ができたことで、
 当時とは景色が様変わりしているそうですが・・・。

 下の3枚の写真が、
 浜山公園の海岸マツ林を撮影したものです(写真2,3,4)


写真2 浜山公園の海岸マツ林

 K森少年が、駆け回っていた頃は、
 左端のような古木が多かったのでしょうか?


 写真3 海岸マツ林の林床

 林床は、落葉がやや厚く堆積していたものの、
 驚くほど、他の植生がありません
 K森普及員が言っていたとおり、コケがある程度で、
 スリッパでも歩けそうです。
 
 今まで持っていた森林のイメージが変わりました。
 やはり、海岸マツ林の植生は特別なようです。


 写真4 天然下種更新するマツの稚樹

 マツの枯損木が、伐倒除去されたところでは、
 このように、びっしりとマツの稚樹が生えていました。
 これも、益田市沿岸の荒廃した海岸マツ林では、
 あまり見られない光景です。
 表土が、薄いのでこのようになるのだと思います。

 実際の海岸マツ林を歩いてみて、
 何となく海岸マツ林のあるべき姿
 イメージを持つことができました。 

 
 話は、変わりますが、
 上記のセミナーが予定より、1時間早く終了したため、
 帰りに出雲大社に寄ることにしました。
 もちろん、観光目的ではありません。
 実は、出雲大社の参道のマツは、
 明日、明後日の研修会で講演される小川眞先生が、
 約2年前に、炭と菌根菌を使った樹勢回復工事
 指導されているのです。

 そこで、「どんな感じで施工されたんかなぁ?」
 見に行ってみた訳です(写真5)。  



 写真5 出雲大社参道のクロマツ(H17.12月に樹勢回復工事)

 この写真を後で小川先生に見ていただいたところ、

 「すごい!♪(葉っぱが茂って)枝の間が見えなくなってる。」

 と言って喜んでいらっしゃいました。


 投稿者 島根県西部農林振興センター益田事務所林業普及グループ 
     主任林業普及員 大場寛文

 ~清流高津川、山の緑に映える柿色の瓦屋根の町並み~ 
  なつかしの国石見(いわみ)



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