益田森林・林業普及情報

島根県西部農林振興センター 益田事務所

日吉町森林組合の視察に行きました。(3)

2008年01月11日 | 普及員のつぶやき
 湯浅参事さんから、一通り説明を受けましたが、
 バス班は、まだ来ません。
 
 「先に現地も行きましょう。」との参事さんの声があり、
 同じメンバーで利用間伐の現場に車で向かいました。

 今回の視察は、作業道がメインでしたので、
 湯浅参事さんの話も道の話が中心でした。

 日吉町森林組合のつくる道は、
 びっくりするほど低コストという感じはしません。
 むしろ、道の弱いところには、
 丸太組み(写真1)やL型よう壁(写真2)等、
 惜しまず、積極的に構造物を入れているという印象です。


 写真1 切土法面の崩壊防止のための「丸太木組み」


 写真2 「L型よう壁」を使った盛土法面の補強 


 湯浅参事さんから色々な話を聞いているうちに、
 視察に間に合うかどうか心配されたバス班の皆さんとも、
 無事、山で合流でき、
 その晩の交流会、2日目の座学(ビデオ研修)を含めて、
 短時間ながらも濃密な視察ができました。

 視察参加のチャンスをくれた天野さん、
 日吉町森林組合の皆さん、他の参加者の皆さんに感謝です!


 さて、湯浅参事さんは、
 日吉町森林組合の一番の特徴は、
 「職員が、イキイキと仕事に誇りを持って働いていること。」
 おっしゃいます。
 
 そんなイキイキと働いていらっしゃる職員さんの
 アイデアから生まれたグッズを紹介します。

 バックホウ用のトングです(写真3)。
 

 写真3 バックホウ用トング
 (バケットの先に付いているハサミのようなのがトングです)。

 作業道開設時の支障木の移動が容易になります。
 いちいち、丸太のワイヤーの掛け替えをする必要がなくなります。
 実際に使用されているのを見て、
 予想以上に使い勝手がよいと感じました。
 
 樹木ガードです(写真4,5)

 写真4 樹木ガード使用中
(立木の根元に固定されています)


 写真5 取り外された樹木ガード

 伐倒木により残存木が傷つく(樹皮が剥ける)のを防ぎます。
 荷締めヒモで固定しているので、着脱が比較的容易です。
 日吉町森林組合の職員の方は、
 「今までに1,000個は作った。」
 おっしゃってました。

 実は、私、この樹木ガードを休日に自作してみました。
 オリジナルは、荷締めヒモで固定してあるのですが、
 ロープで作った方が安いかも?と思って、
 改良(改悪?)しました。

 釘の代わりに、二股釘(写真6)を使いましたが、
 収まりが悪く、釘の先端が手に刺さりそうです(写真7)。


 写真6 二股釘


 写真7 野地板とロープの二股釘留め

 それならと思って、電気コードを留めるステップル(写真8)を
 使ったところ、体裁は良くなりました(写真9)。

 写真8 ステップル


 写真9 野地板とロープのステップル留め
 
 早速、地元高津川森林組合の間伐班に試してもらったところ、
 板がこじれるとやっぱりステップルが抜けてしまうようです。
 バラバラになってしまいました(泣)。

 「想定内」と強がっていますが、
 オリジナルを超えるものというのは、なかなかできませんね。
 しかし、もう一つ試したい金具があるので、
 くじけず、もう一度だけ試作したいと思っています(笑)。


 さて、視察で聞いてきた情報は、
 私が、大事に抱えていても意味がありませんので、
 これまでに、高津川森林組合さん、(株)美都森林さん、
 また、当林業普及グループのグループ員に
 パワーポイントでスライドを作って報告しています。
 
 この3回のブログとほぼ同様の内容になりますが、
 益田管内の事業体等で、話を聞いてみたい方が、
 もし、いらっしゃれば御連絡下さい。
 大場が、出張いたします。
 
 
 投稿者 島根県西部農林振興センター益田事務所林業普及グループ 
     主任林業普及員 大場寛文

 ~清流高津川、山の緑に映える柿色の瓦屋根の町並み~ 
  なつかしの国石見(いわみ)


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