この世界で生きてゆくために

ありふれた毎日を繰り返し、時は過ぎていってしまう。
でも、どんな小さい事でも、優しい瞳で世界を見つめたい

研修終了

2006年11月19日 20時31分56秒 | パソコン、コンピュータ
写真は今日頂いた「終了証」です。

今日の講義は面白かったですよ。講師は先天性の全盲の方で、ソフト会社のプログラマーをしている人でした。
講師の方から、視覚障がい者がパソコンを使う時、一番大きな違いはマウスを使わない事だと説明がありました。マウスポインタが何処にあるかは見えないのですから。
ですから操作は全てショートカットキーで行います。
それから当たり前ですがディスプレイも使いません。必要なのはWAVEファイルを再生できるスピーカーが必須となります。

今日の講師は「いじわる」でしたね(笑)
まず音声読み上げソフトを立ち上げます。
で「マウスを手の届かないところへ置いてください」って言われるんです。これだけで普通のユーザーは半分パニックになるでしょうね(笑)
そして極めつけが「モニターの電源を落としてください」(爆)これで操作しろって言うんですから「極悪」です(笑)

マウスを取り上げられて、ディスプレイの電源も落とされた私たちに要求された操作は「メモ帳」の起動。
皆さんはマウスを使わずに「メモ帳」を起動できますか?
私のブログを読んでくださる人で出来るのは、きーままさん位かな?(他の人、もし出来たら大変失礼しました)
キーボードの下の段に「ウィンドウズキー」というのがあります。ウィンドウズのロゴが目印のキー。これを押すと「スタートメニュー」が立ち上がります。
あとはカーソルキーとEnterキーで辿って行く。。
キーを操作すると「スタート」とか「全てのプログラム」とか喋ってくれるんですが、受講生のほとんどはパニックでした。

一番最初にメモ帳が立ち上がったのはエクサ「先生」でした(笑)
全員のパソコンがメモ帳を立ち上げ終わったのはその2~3分後。エクサさん、暇そうに寝てました(笑)

音声読み上げソフトは体験版もあるので、もし興味があれば「試して」下さい。ソフト名はPC-TalkerVer5.0XP
http://www.aok-net.com/dlpage/dltkpx.htm
試すときは、マウスは手の届かないところに置きディスプレイの電源も落として(笑)

午後は視覚、聴覚、肢体以外のハンディを持った人への対応。いわゆる知的や精神、自閉症などの方への注意点でした。これも大変勉強になりました。ほとんど知っている事でしたが(汗)ここが「先生」と言われる所以か(笑)

理解の仕方は「僕の歩く道」のテレビドラマそのものです。でも、そういう接し方って子どもや普通の人間関係を円滑にする基本なんですね。
相手の操作が遅くても怒らない、ボランティアが操作してしまわない。具体的に指示を出す。抽象的な言葉はダメ「最近どう?」とか(笑)
そういう考え方で付き合えば人間関係が潤滑になります。

ハンディーへの理解って大切な事を私たちに教えてくれます。
障がい者を施設へ「隔離」して、健常者だけの社会を作ってしまう。一見、効率的なようですが、その社会は人に冷たく味気ない社会になってしまうのです。

今日は、終了証をもらって、早速パソコンボランティアに登録させてもらいました。

エクサ「先生」と呼ばれる所以かな

2006年11月19日 20時19分39秒 | ひとりごと
今日の研修で、全盲の講師の方が
「みなさんの中で、全盲など視覚障がいを持っている親戚、知人、会社の同僚などいらっしゃる方いますか?」
と受講生に訊かれました。
私を含めて、数名の方が挙手をされたのですが、私だけ小さい声で
「はい」
と言いました。

言っている意味、分かりますか?
分かれば福祉に詳しい、もしくは視覚障がいを理解している人だと思います。

そうです。手を上げただけでは、何人くらいの人が居るか?全盲の講師の方は分かりません(本当は彼らは耳が良く、勘も鋭いので、挙手だけで分かるのですが)

講師の先生は、今「はい」と言ってくださった人がいましたね。と褒めてくださいました。
ちょっとした気配りというか、理解の問題なのですが。
たとえ親戚、知人、同僚に視覚障がいを持った人がいても、やはりこの社会は「健常者」の世界だと、私は感じました。

実は、これには私の苦い経験があります。
遥か昔、私は手話サークルで込み入った事の質問をしなければならなくなり、周りの人に分からないように「目を閉じて」挙手をおねがい「してしまった」のです。

聴覚障がい者の方は、視覚から入る手話や口の動き(口話)が情報取得手段です。目を閉じたら何も分からなくなってしまいます。

若いときの失敗は、こういう経験で生きてきます。

恐れずに、どんどん「失敗」しましょう。特にボランティアなどをする時は。本当は失敗しちゃダメなんですが、失敗も後で経験として生きてきます。