春場所前から場外で八百長を週刊誌に書かれ、初日から二連敗でスタートした横綱朝青龍です。私はTV桟敷ながら仕切りの最中から彼の異常さを見抜きました。
時間前の仕切りの所作がぎこちなく相手の力士に合せようと苦労していました。結果は案の定まさかの完敗でした。しかも翌日も連敗するオマケを付けて春場所が始まりました。これはどうなるかと心配しましたが三日目からは立ち直りいつもの横綱に戻りました。
この人の相撲の評判の悪さはその品格にあります。具体的には勝負が決まった後も相手力士に攻撃をするところです。過去の名力士は勝負が決まれば一気に力を抜き相手に優しくなります。これは怪我を防ぐ意味もあるのでしょう。
ところがこの横綱は厳しい。相手を土俵に転がした後に上から抑えたり乗っかたりします。俵を割った相手を更に突き飛ばして土俵下まで落します。日本的な美学に叛く行為ですね。相撲もラグビーも勝負が終わればノーサイドです。侍も紳士も共通する美意識ですね。
そんな事で嫌う人が多い朝青龍ですが、この一年余り前から穏やかになり相撲ぶりも様変わりしました。まあ手荒くしなくても勝てるからでしょうが野生の荒々しさが消えました。
しかし今場所の連敗で本人も初心に返ったようです。何日めかの相撲では相手力士を転がしてから更に膝蹴りを食らわしていました。まさに「野生の証明」ですね。私は思わず「これだ!」とTVの前で叫びました。
昔からの諺で「死者に鞭打つ」があります。よい時に使いませんね。敗者に対して更に過酷な対応をする事です。この諺と朝青龍の相撲の合せ技で考えたのが次の言葉、「死者に鞭打つ、朝の駄目押し」。どうでしょう、なかなかいけてると思うのですが・・・
いずれにしても横綱の連敗で今場所は面白くなりました。大関以下の力士には丁度良いハンディキャップになったようです。それを思うとまだまだ朝青龍の天下は続きそうですね。強い横綱は素晴らしいとつくづく感じた春場所前半でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます