25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

九州場所の女 2018

2018年11月11日 | 日記
相撲界への失望と稀勢の里への心配と栃ノ心への期待で九州場所の太鼓が鳴った。
 何年か前に書いた「九州場所の女」にアクセスする人が多く、今日の九州場所初日はまた多くなった。この初日の田島さん、横から撮った画面で力士が蹲踞しているところ、その後ろの砂かぶり左側にちょこんと座っている。テレビジョン画面では左上にいる。はっきりした色合いの着物ではなく、若さと老いの中間のような、派手でもなく、地味すぎるでもない、いわば風雅な茶系の線で模様がつくられた着物を着ていた。各相撲の取り口をしっかり目で追っている。感情は表さない。隣の人と話すこともない。一、二度、知り合いの男性ときているのかと見えたこともあったが、今日は一人観戦のように見えた。
 九州場所には定番の女性は何人かいるが、やはりこの女性、田島さんが目立つ。目立つ場所にいるのだ。そして身動きせずに背筋を伸ばして座っているのだ。よく毎日このような特等席のチケットが取れるものだと想像力を逞しくする。
 お祖父さんの代からの人脈? 客による人脈? 今夜は田島のママさんのスナックも盛り上がっているのか、彼女は相撲観戦を終えて、何時になると店に現れるのだろうか、おばあちゃんになっても来るのかな、どのお相撲さんを贔屓しているのだろう、といろいろと妄想が湧いてくる。
 これだけ画面に出て来ると相撲界でもタニマチでも話題になることだろう。タニマチとはなんだか地方の中小企業の創業者で相撲が大好き、というイメージがある。ぼくの知り合いの男は清国応援団で、化粧廻しまでもっていた。「これ、もらったんですか ?」と不思議がると、「買い上げるんや、いや買わせていただくんや」と得意そは最前列うに言っていた。趣味なのだろう。そして「贔屓」なのだろう。餌をやって鯉が育つのを待つ心情に似ているのではないか、あるいは、一人前の芸者になるまで育てる旦那様ではないか、と思ったりする。
 この田島さんの客の相手がタニマチの旦那衆であればたいへんなことだろう、などと妄想は尽きなく、土俵の仕切り時間も短くなってしまうものだ。

 ぼくはいつかこの女性が経営するバーに行ってみたいと思っているが、今のところ、その勢いが自分にない。
 大相撲の女性着物デイもこの田島さんからの影響ではなかろうか。ほぼ着物そしてあっと小声をだしてしまいそうになる洋装。

 さて、栃ノ心が玉鷲に完敗。稀勢の里も貴景勝に案の定の負け。
 今場所の朝乃山に光るところを見たし、豪栄道がいいのではないかと思ったのだった。


民営化の嘘

2018年11月11日 | 社会・経済・政治
 「この前来たときはこいつが大きなハタを釣りまして。子供らは大きなグレでした。子供たちがまた行きたいというので、振替休日だったものですから」
全くの澄んだ秋の空。大阪から一家族が先月に続いて来た。曽根の民ぱく貸別荘のことである。

 八月、九月は毎日のように来て、グループで旅行のしかたにたいして、宿泊施設は時代の流れに対応できていないと思う。二、三家族でワイワイと楽しみたい場合、旅館ではやはり不自由である。やはり庭のある一軒家がいい。食事は自分たちで作る。あるいは尾鷲の新鮮な魚を刺身にしてもらって、持ってくる客もいる。ネットの時代だから、簡単に魚屋さは見つかるのだ。魚を食べて飲むだけのため仲間とやってくるグループもある。
 一番多いのは、集まってワイワイしたい。これが6割。つぎが釣り3割。熊野古道歩きの人もいる。家族や恋人とのんびりという客もある。何もしないというか。曽根には店はない。ふるい分け神社と豊な賀田湾があるだけだ。散歩をするのもいいかもしれない。熊野古道では太郎坂次郎坂があって、この山道を歩けば甫母まで行け、二木島に至る。
 日本の宿のスタイルも変わっていかなければいけないと思うのだ。それは交通機関も同様である。
 JRは民営化されたけど、ぼくはこういうのは民営化とは言えないと考えている。JRには競争相手がいない。独占企業である。儲けたお金は株式の持ち率により株主にいく。JR東海は営業利益過去最高である。それが客に還元されない。尾鷲ー東京往復3万円は高い。
 高速道路も同様である。これも独占企業である。このような重要交通網インフラは利益を国民に還元できる仕組みがあった方がよい。
 イギリスの労働党は一度民営化した国鉄を元に戻す政策提言をしている。

 日本の一人あたりの生産性は先進国のなかでも低いと言われる。ぼくは第一にパソコンの操作でずいぶんとアルファベット国と差がついていると思う。入力、変換、選択、間違いが甚だ多いおが日本の事務所だと思う。情報は高速になり便利になったが、移動となると交通費が高すぎるという現実がある。これが生産力を抑圧する。
 民主党政権の時期、高速道路が無料になった時期があり、テレビではなんだかだとその政策にイチャモンをつけていた。あれは東日本大震災のため、取り止めとなったが、復活してもらいたいものだ。惜しい政策である。
 要らぬ堤防を作るより、要らぬ建物を建てるより、商品券を配るよりよほどよい。消費が上がるのも間違いはなく、企業の生産力が上がるのも間違いはない。

 ぼくらは政府が行う政策を深く考えているわけではないが、その政策の影響を受けながら、節約できる方法や楽しみ方の方法をなんとはなしに模索している。
 そのうち、ぼくらの流れの方が主流になっていき、あわてて政策が追い付いてくるということもある。民泊新法がまさにそうだ。不完全で中途半端な法律だけど、だんだんと整っていくことだろう。ミニバス、白タク、タクシー相乗り解禁。JR、高速道路値下げ。