庭の草が茂ってきて、筍のような匂いがする。若葉の季節になってっきた。山は新芽で膨らみ、エネルギーに充ちているように見える。自然界のエネルギーほどに、ある絵画や詩歌に感じる時がある。若仲やゴッホ。彼らの精神力には、若葉の自然界力と同程度のものを感じる。
僕は秋の紅葉や、春の桜よりもこの若の山の姿の方が好きだ。なにがなんでも生きろ、と若葉は沈黙はしているものの、薫りで語るようだ。
待ちに待った季節である。溢れんばかりの生理の噴出だ。たったひとりの人間がそれに対抗できる。芸術は爆発だ、という岡本太郎の言うこともわかる。この面では命は短くても永遠だ。