25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

不満たらたら

2016年04月07日 | 社会・経済・政治

  絶対消費の商品は値上げラッシュである。塩まで上がった。しかし選択消費商品は値下げの傾向である。巷では景気がよいという人は10%。景気が悪いが86%というアンケートがでている。

 つまりこういうことになる。絶対消費が押し上げられる分、人々は選択消費で調整をしている。

 こういうことは当たり前のことで、安倍政権はアベノミクスに危機感を抱き始めたのか、また公共事業でバラマキを始めようと考えている。ケインズ式の公共工事が景気の下支えをする、とまだ本気で思っている。そこには「消費を増やしたい」という政治家の固定観念がある。

 消費は増えるはずはないのである。理由ははっきりしている。少子化、人口減に加え、すでに人にはあまり買うべきものはない。そこに老後の年金不安がある。介護料は上がる。年金から容赦なくとっていく。

 イランの石油増産で石油価格がまだ下がりそうである。日本はどうやら2%物価上昇とそれに見合う賃金の上昇がなく、実質賃金は上がっていないうえに、絶対消費の値上げが続いているのだから、貧富の差は開くばかりの状況となっている。

 テレビを何台も持つ必要はない。洗濯機も掃除機も複数もつ必要もない。冬の服も、夏服も、コートや靴も数多くある必要もない。ある程度の本は図書館やブックオフで済ますことができる。アマゾンでも古本は買える。CDとて同じである。酒ばっかり飲んでいたら、身体に悪いこともわかってきている。つつましやかに暮らせれば、それでよい、という人も結構多いと思うが、女性に活躍しろ、と政府は音頭をとる。それにマスコミも応じる。冷房病はよくない。女性はお尻を冷やすのは子宮や卵巣によくない。障害をもつものが生まれる可能性は大きくなる。女性の晩婚化については思い切った議論が必要である。女性と男性は法的には平等であるが、身体的には違う。

 一方で人間のある種の労働が必要でなくなる(昔の電話交換手みたいに)ロボットが登場し、新しい運搬手段、3D技術、宅配の合理化などが進んでいる。

 僕らが普段、新聞やテレビ、ネットで見るもので、だいたいの景気の雰囲気はわかるのだろうが、もっとわかるのは現在の町の様子である。スーパーなどでの買い物である。人は生活感覚でわかるから、そちらの方が日銀や政府の発表データより信頼ができる。日本は経済成長を目指すよりも維持し、熟成させる方向に進んだ方がよいと思う。そのためには教育である。しかし、財政難という一番困難な状況を歴代政権は借金を積み立ててきた。日銀が買い取った国債はどうなるのだろう。結局は国民にツケが回ってくると思えるが、貯金封鎖にならないよう舵をとるのは至難の技のように思える。僕は常識的に言っているのだが。