エマージェント・フィールズ : Emergent Fields

神奈川県横浜発 ”経営者と従業員の幸せ”をお手伝い

日本に生まれて

2010-10-05 11:39:26 | 日記
お金目当てで集まってくる子供たちがたくさんいました。本人たちには食べていくためには必要なことなのでしょう。
それと、子供たちには、実益をかねた遊び感覚なのかもしれません。
ちょっと嫌だなぁという気持ちはあるのですが、直接困っている人に渡るならと、いらないお土産なんかも買ってしまっていました。

そんな状況にも少し疲れ、シェムリアップの中心から少し離れた遺跡に行って見ました。
夕方だったこともあって、たくさんの観光客がいる有名な遺跡とは違って、静かに見れそうだなと思ったときです。
一人の子供がこっちを見ています。10歳くらいの男の子です。近寄ってこないので、気にせずそのまま遺跡に登ってみようと思いました。
とっても急な遺跡に足をかけたとき、彼は申し訳なさそうに、「こっちから登った方が楽だよ」と声をかけて来たんです。
他の子供たちとはちょっと違う雰囲気の彼の言葉に導かれて、彼の言うところから遺跡に登り始めました。

彼は、自分の近くについてくるだけで話しかけてはきません。人が自分と彼しかいないので、何かして欲しいという感じよりも、自然に一緒に登っている感じです。
そのうち自分の方から、少しずつ彼に親近感を持ってきて、英語で話しかけてみました。
彼らの土地ではフランス語のほうが主要言語なのに彼の英語はとてもきれいな発音でビックリです。
英語はどこで勉強したの?と聞いてみると小学校で勉強したとのこと。
でも、今はお金がなくて学校に行けなくなってしまったと寂しそうに話していました。
将来はたくさん勉強して立派な人になりたいと言っていました。

一緒に遺跡の上まで登ると、急に彼が日本語でガイドさんのように説明を始めてくれたのです。
これまたきれいな発音の日本語で、ビックリするくらい完璧なガイドです。
すごいねぇ、日本語も話せるんだ?と聞くと、日本語は一切話せないと言ってます。
じゃぁどうして?と尋ねると、言葉は分からないけど、日本人のガイドが説明しているのを何度も聞いて、音として覚えたそうなのです。

こんな賢くて、頑張っているけなげな子に本心から感動してしまいました。
ここらへんまでいろいろ話してくると、今まで笑ってなかった彼から少しずつ笑顔が出てくるようになりました。
この写真を撮ったときの彼の笑顔は忘れられません。



シェムリアップの少年と



帰国してからも彼と連絡を取り合いたいと思いましたが、郵便もちゃんと届かないし、インターネットもお金がある人しか使えないと。
またあの地を訪れる機会があったら、この写真を持って彼を探してみたいと思います。



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