lunas rotas

いつまでも、完成しないことばを紡いでいこう

ピア・ラーニングの魅力を思い出す

2008-09-28 23:54:19 | Weblog
勤務先日本語学校で校内講師研修を行った。テーマは「ピア・ラーニング」。
私がピア・ラーニングについて語るなんて、諸先輩方に怒られそうだ。でも私の大好きなT岡先生に教わったことやI田先生から聞いた話などをもとに構成しなおし、他にも参考になるような概念や言説を援用し、そしてもちろん自分がやってきた実践をそこに挟み込んで、研修を行った。
研修参加者にとって研修内容がどうであったかは聞いてみなければわからないが、人のことはさておき、やっている私自身が充実感を持てる要素があったことは公開しておきたい。

ひとつは研修を行ったのが私一人ではなく、3人でできたこと。これはテーマとの関連からも意味があるし、一人で考えているよりずっと楽しい作業となった。自分では思いつかないアイデアが出てくるのが面白いし、他の二人の話を聞いて自分で忘れていた実践中のエピソードを思い出したりすることもあった。リフレインだ。この3人でできたこと、感謝したいと思った。

もうひとつは、研修でピア・レスポンスを体験してもらおうとワークショップを行ったのだが、このワークショップ中に私達が机間巡視などすると参加者に余分なプレッシャーを与えるかもしれない、純粋ピアの環境を楽しんでもらおうと考えて、あえてウロウロするのはやめて私達3人は3人でピア・レスポンスをしたことだ。純粋ピア環境でのピア・レスポンスは本当に久しぶりだった。最近はピアレスポンス中の教師の役割はどーだこーだと考えることが多くて、なかなかピアだけの状態について新鮮に考える機会はなかったのだが、今回その機会を得た。
読み手としての心情や書かれた作文への興味、ひいては書き手への興味が自分の中に起こる過程を十分に楽しみながらレスポンスをしている自分がいた。

ピア・ラーニングの魅力というのはどこにあるのか。もっとプリミティブに感じるところから考えてみていいように思った。その魅力を忘れては、いくら教師の役割を考えていてもヘンに理論武装するだけだ。
しかしその一方で、私が日本語教師になってからの様々な知識や経験がこの研修にかなり表れているような気分にもなった。研修をするために過去に自分がやった授業を振り返って探し物をしたりしていた時、私こんなタスクシート作ってたっけ?という驚きと発見もあった。数年前にこんな授業をしていたのか、その頃から既にピア・ラーニングを実証するようなところへ私は向かってきていたのだなあという気持ち。
その頃の気持ちを思い出すことと、ピア・ラーニングの魅力をプリミティブに実感することは、重なりが大きいだろうと思う。これは私の次なる課題かもしれない。

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