歴程日誌 ー創造的無と統合的経験ー

Process Diary
Creative Nothingness & Integrative Experience

禮以道其志 樂以和其聲 -文明化された社会の要件

2008-07-06 | 美学 Aesthetics
禮以道其志 樂以和其聲 (禮記)

li3 yi3 da4o ji1 zhi4, yue4 yi3 he2 ji1 sheng1

礼を以て其の志を道(みちび)き、楽を以て其の声を和(やわら)ぐ

今の中国でも日本でも「禮」は失われている。それを封建道徳と結びつける近視眼的な考え方に災いされていたと言うべきであろう。「禮」の時代によって変わらぬ本質なるものを直観することが肝要である。この文、為政者が民を導くというように理解すれば、たしかに統治の具として禮をもちいるということになろう。しかし、統治されるものは自ら統治するものでもあるということ-すなわち人民の自治を認める立場に於いても、「禮」は必要なのである。禮は、各人の意志をただしく実現させるために必要不可欠な順序を示すところにその本質があり、それらの複数の主体の異なる意志を、如何に調和させるか、それらがオーケストラのハーモニーのように、不協和音とならずに一大「和音」をめざすべきこと--如何なる文明化された社会もそれをめざすべきであろう。
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