明けない夜はない

膣ガンステージ、肝臓に遠隔転移あり。只今経過観察中。そんな私の心の叫びと、乗り越えて来た事、あれこれ。

去年の冬の日

2006-12-28 11:10:40 | 病気の経緯と治療とか
ご無沙汰しております<(_ _)>

ご心配下さった皆さん、ちゃんと生きてますよ。(笑)
元気です。どうもありがとうヽ(´ー`)ノ

こちらは、今年のクリスマスケーキ「菓子職人」の、
ザッハトルテ風、チョコケーキ



そして断面図




さて。
先日、家族でご飯を食べてる時、ふとこんな会話になった。

『実家に私達夫婦がやって来て1年、忘れられなかった出来事は?』

そっか、もう実家に世話になって、1年も経つんだな。
季節を全部ここで、一巡し堪能した事になる。早い!(@_@)

私達は、(夫+私)印象に残った、忘れられなかった出来事なんて、
ぱっっと思い付かない。なんだか、いっぱいあり過ぎて。
あ、でも思い出した!病棟医長I先生の、5回に渡る針刺し!(笑)

そして、母は、こんな話をした。

「去年の12月某日、京都で記録的な大雪の日、その日は朝から抗がん剤治療の予定で、
 病院へ行かねばならない日だった。その日の事を今も克明に思い出す」

と。
あー、そーいや、そんな事もあった。

去年、12月22日。(手帳より)
その日は、朝起きると、雪が積もっていた。
辺りは、シーンと静かで、雪が降る音だけ聞こえてくる。深々と。
京都で、我が家の地方に、雪が積もるなんて事は、そうそうない。
だから、準備も無ければ、用意も無い。

点滴入りしなきゃならない時刻は、朝9時半。
病院は、隣り県だから、いつも高速を使って、通っている。
まずは、TVで道路状況チェック。問題なし。
でも、車を、出せるだろうか?
高速道路まで、辿り着けるだろうか?


家のまん前から、雪がたんまり積もってる。
私達の車は、家の近所にガレージを借りていて、外駐車。
当然、フロントガラスは、凍ってる。
お湯をいっぱい沸かして、凍ったフロントガラスにじゃーっと掛ける。
一気にガラスは、氷が溶け、エンジンもかかるし、なんとか出れそう。
でも、肝心な、『タイヤチェーン』が無い!(@_@)
(スタッドレス履いてない)


でも、命を繋ぐために、行かなきゃ。点滴打たなきゃ。
そんな思いで、チェーン無しの標準タイヤで、病院へ向かった。

我が実家は、少し高台に位置してるから、町へ出るまでに、下り坂が多い。
まずは、そこがネック。
夫は、雪地方で育った訳でも無かったけど、幸運にもスキーマニアで、
雪道の運転には、自信があった。
轍を通りながら、ハンドルを匠に操り、やっとの思いで、町へ出れた。
ここまで来るのに、通常5分の所が、40分。
しかし、すんごい渋滞の列。(@_@)車は、前後ぎゅーぎゅー。
少しの傾斜部からは、止まる事が出来ず、ずり下がってくる車や、
立ち往生してる車、脇に止めてチェーンを履く車と、
雪の備えが無い私達にとって、意地悪な雪の日となった。

「こりゃー、絶対遅れるな・・・。」

渋滞を待ってる列の中、病院へ電話をすると、病院スタッフ、

「遅れても良いからね。何時でも待ってるよ。気を付けて来てね

何時でも良いと言われ、半ばホッっとしたけど、なんせ車は動かない。
この渋滞の列に、1時間ちょい、ハマってた事になる。
寒さ故、通常ならトイレに行きたくなるはずだけど、ツイてる?事に、
私は、その頃まだ「尿管」を装着してたので、その心配はなかった。
その心配があるのは、付き添いの夫だけ・・・。^_^;


結局、何時間経っても車は、数メートルしか動かないし、
雪はどんどん降り積もって来るしで、次の点滴の日程を電話で決め、
この日は、大雪の為病院へ行くのを断念した。

これが、母が印象に残った話。
今思い出すと、あんな事もあったねーなんて、昔話になってるけど、
この時は、カナリ焦った。



こっからは、私達が印象に残った話。

去年あの大雪の日、点滴予定だったのが、出来ず終いだったから、
代わりの日(12/26)に、打つことに。
どーしても、年内に打たねばならない状態だった私。
ほんとは、このまま逃げたかったけど、仕方無い。打ちに行った。

もう年末で、重篤な患者さん以外は、外泊の為、病棟は空いていた。
それに加え、先生達も手薄になってて、いつもの針刺し先生は居ない。

いつものように、採血を先に済ませ、OKが出たので、点滴開始。
今日の針刺しは、誰がしてくれるんだろ?
そう思ってるトコに、病棟医長I先生、登場。

「よっ!元気やったかい?今日は、顔色もエエなぁー」

この人、とても軽い。(笑)でも、結構偉い先生なんだよ。
いつも、声掛けしてくれて、優しい頼れるアニキって感じの病棟医長。
この先生なら、針刺しも心配無しだな・・・と、この時は思った。


いつもは、看護師がサポートに来るのに、I先生1人でガラゴロ点滴押してきて、
何もかも、1人でやる様子・・・。大丈夫なんだろーか???
それに加え、手慣れて無い様子・・・。益々、不安がよぎる。

予感的中あれこれ、ブツブツ言いながら、やってる。
それだけなら、良かったんだけど。
針刺しが、ヘタクソ~。左手、2~3箇所。
それでも諦め切れずに、左手でルート取ろうとした。
あまりに痛くて、「先生痛いよー!」と叫んでしまった。
その度に、I先生、

「堪忍な、許してな、もうちと我慢してな」

って、優しいなぁー。(笑)
あなたの部下のS女医は、いつも一発針刺しよ!と、
心の中で言うも、I先生の人柄で、許せてしまう。
結局、右手(利き手)に針刺し。2発目でようやくルート確保。^_^;
安堵も、束の間・・・。
今度は、針を固定する事が出来ない。

「こんな、粘着テープ、初めて見たなー、どないするんや?」

笑えないんですけどー。なんとかしてよ~!!!
せっかく、ルートは確保出来ても、ヤクを流す事が出来ない。

「わし、手術は、上手なんやで。」

はいはい。(笑)

「10年前は、こんな粘着テープなかったんや」

えっ?もう10年も、針刺ししてないのかー???
ま、考えてみたら、針刺しってうちの病院では、研修医や下っ端(失礼)がする事が多い。

なんだか、ブサイクに、粘着テープで固定され、ようやく開放されたか?と、
思った頃、看護師到着。(遅いっちゅーねん)

「なんだこれー?先生、このテープは、こうやってね、こうするの!」

I先生、看護師に怒られてた。(笑)
でも、

「わしは、このタイプより、昔のタイプが好きなんや。」

とか、言い訳してる様子。看護師も負けずに、

「今は、コレでやるんですっ!」

I先生、

「・・・・・」

こうやって、合計5回の針刺しで、点滴の針刺しがトラウマになりそうな、
出来事だったけど、I先生だから、なんだか許せた。
患者にも、看護師にも、偉そうに言わない。フレンドリーで優しいI先生。
でも、もう転院して、この病院には居ないけど。( ´Д⊂

しかし、後にも先にも、5回の針刺しは、この日の体験のみ。(笑)


あれから1年。
尿管も外れたし、髪もふさふさ伸びたよ~(*^^)v
この姿を、先生に見て貰いたいな。(ノ∀`♥)

と、去年の昔話でしたとさ。ヽ(´ー`)ノ

この写真は、今年のクリスマスに、「新風館」で撮った物



見に来て下さってる皆様、仲良くして下さってどうもありがとう
今年も、後もう少し来年も笑顔で、迎えられますように