【1日目 旅館・夜の勉強会】
■旅館への移動
植林体験のあと,全員で旅館へ向けて移動しました。車9台を連ねての移動のため,信号で後続車が取り残されてしまい途中で待ったり,はぐれる車がでたりと先導係のくりこまの方,本当にお疲れ様でした。旅館は佐藤旅館と温湯旅館に別れての宿泊です。
我が家は佐藤旅館に泊まりました。中庭に面して部屋がぐるりと配置されている変わった造りで,部屋の扉はなんと障子戸のみ!風情ですね~。
お風呂も露天風呂も情緒たっぷりで最高でした。ただし,強行スケジュールのため,旅館到着から次の夜の勉強会まで1時間ほどしかありません!みなさん,大慌てで入浴し食事を済ませ,いざ,山の講義へ出かけました。
■夜の勉強会・山の講義
夜の勉強会は,旅館近くの道の駅にあるレストランで行われました。呑める人はビール片手に,そうでない方はめいめい好きなものを飲みつつお話を伺いました。
まず,くりこま杉協同組合理事長の千葉さんから組合の現状についてのお話がありました。
平成2年にスタートした組合ですが,3つの基本方針があるとのことです。まず,山を守ること。放置され荒廃していく山に手を入れ守っていくためには,地元で製材し地元経済を活性化する必要がある。加えて,雇用の確保も大切なポイントであるそうです。2番目に,建てられた住宅で深呼吸できる空間を提供すること。かつ,それらを実現できる材を提供することだそうです。3番目に,安全性およびトレーサビリティの確立です。これは,深呼吸できる空間を作るために必要なことであり,国産材に対する信頼を向上させるためだそうです。
これらを掲げ活動されてきたそうですが,去年民事再生を申請したそうです。幸い,不採算部門を閉め20名の職員を解雇し,7月14日から再スタートを切ったところだそうです。これだけのすばらしい取り組みがなされているのに,経済的になり立たないという現状に強い憤りを感じました。
ついでに1杯目のジョッキが空に・・
次に,山武の社長である大場さんから山側の事情に関するお話がありました。
かつて,くりこまを含めた宮城の山というのはブナの原生林であったものを,戦後の拡大植林計画でどんどん伐採し,杉の人工林に変えていったそうです。
続いて,我が国の木材の使用に関するデータが示されました。一人当たりの木材消費量は20年前と比べて15%も減少しており,木造住宅割合というのもどんどん低下してきている。さらに,柱材における国産材の割合は平成5年には7割であったものが,平成14年には5割に減少してきている。木材の需要が低下し,かつ,安価で危険な外材に押されシェア自体も低下しているのが現状だそうです。このように,国産材で採算が取れないため,手入れされず放置される山が日本中でみられるようになってしまったとのこと。
さらに,問題なのは人工林の3割が同時期に植えられ現在45年生のもので占められていることだそうです。10年後には一斉に伐採時期を迎えるので,それまでにこれらを有効利用できる方法を確立する必要があるとのことでした。
大場さんのお話で印象的であったのは「山・木を守るということは水を守ることである」とのお言葉です。大きく育ち二酸化炭素還元能力や保水力の落ちた木を伐り,若い苗に変えていく事でこれらの能力が保たれるとのこと。まさに大きな循環を担う仕事だと思いました。
ここで,2杯目のジョッキも空に・・
続いて,相根さんからこれらの現状を改善するためのプロジェクト-エコハウスプロジェクトーが紹介されました。木材の原産地で製材のみでなく,住宅を組み立てられる寸前の加工まで行うことで山側に経済的な還元を行い,それを都市部に運んで住宅を造るというプロジェクトです。これに関しては相根さんから総会などで詳しくお話ししてもらいたいですね。
ついに,3杯目のジョッキも空に・・
最後にSさんから,森林経営の現状についてお話がありました。林業を守るために,日本の山を守るために様々な取り組みがなされているのだなと感じました。
私も大分いい感じに・・
こんな話を伺ってあっという間に時間が過ぎましたが,みなさん白熱した議論はなかなか終わりません。終了時間を1時間も延長して頂きようやく終了となりました(お店の方ありがとうございます)。ちなみに,子どもたちは外でカブトやらクワガタを捕まえて大喜びしていました。しかも,虫かごまでもらって!上機嫌でした(重ね重ねありがとうございます)。
このあと,帰ったあとも,それぞれの旅館で白熱した意見交換が行われたようです・・すごい・・。
■1日目のまとめ
ツアー1日目は,自分達の住まいに使われる木材がどんな山で育ち,どんな人たちによって守られ,どのように作られているのかを体験し,日本の山や林業の問題点について考えさせられました。我々の住まいや活動がこれらの改善に少しでも寄与できるよう願ってやみません。
(文・かわちや)
■旅館への移動
植林体験のあと,全員で旅館へ向けて移動しました。車9台を連ねての移動のため,信号で後続車が取り残されてしまい途中で待ったり,はぐれる車がでたりと先導係のくりこまの方,本当にお疲れ様でした。旅館は佐藤旅館と温湯旅館に別れての宿泊です。
我が家は佐藤旅館に泊まりました。中庭に面して部屋がぐるりと配置されている変わった造りで,部屋の扉はなんと障子戸のみ!風情ですね~。
お風呂も露天風呂も情緒たっぷりで最高でした。ただし,強行スケジュールのため,旅館到着から次の夜の勉強会まで1時間ほどしかありません!みなさん,大慌てで入浴し食事を済ませ,いざ,山の講義へ出かけました。
■夜の勉強会・山の講義
夜の勉強会は,旅館近くの道の駅にあるレストランで行われました。呑める人はビール片手に,そうでない方はめいめい好きなものを飲みつつお話を伺いました。
まず,くりこま杉協同組合理事長の千葉さんから組合の現状についてのお話がありました。
平成2年にスタートした組合ですが,3つの基本方針があるとのことです。まず,山を守ること。放置され荒廃していく山に手を入れ守っていくためには,地元で製材し地元経済を活性化する必要がある。加えて,雇用の確保も大切なポイントであるそうです。2番目に,建てられた住宅で深呼吸できる空間を提供すること。かつ,それらを実現できる材を提供することだそうです。3番目に,安全性およびトレーサビリティの確立です。これは,深呼吸できる空間を作るために必要なことであり,国産材に対する信頼を向上させるためだそうです。
これらを掲げ活動されてきたそうですが,去年民事再生を申請したそうです。幸い,不採算部門を閉め20名の職員を解雇し,7月14日から再スタートを切ったところだそうです。これだけのすばらしい取り組みがなされているのに,経済的になり立たないという現状に強い憤りを感じました。
ついでに1杯目のジョッキが空に・・
次に,山武の社長である大場さんから山側の事情に関するお話がありました。
かつて,くりこまを含めた宮城の山というのはブナの原生林であったものを,戦後の拡大植林計画でどんどん伐採し,杉の人工林に変えていったそうです。
続いて,我が国の木材の使用に関するデータが示されました。一人当たりの木材消費量は20年前と比べて15%も減少しており,木造住宅割合というのもどんどん低下してきている。さらに,柱材における国産材の割合は平成5年には7割であったものが,平成14年には5割に減少してきている。木材の需要が低下し,かつ,安価で危険な外材に押されシェア自体も低下しているのが現状だそうです。このように,国産材で採算が取れないため,手入れされず放置される山が日本中でみられるようになってしまったとのこと。
さらに,問題なのは人工林の3割が同時期に植えられ現在45年生のもので占められていることだそうです。10年後には一斉に伐採時期を迎えるので,それまでにこれらを有効利用できる方法を確立する必要があるとのことでした。
大場さんのお話で印象的であったのは「山・木を守るということは水を守ることである」とのお言葉です。大きく育ち二酸化炭素還元能力や保水力の落ちた木を伐り,若い苗に変えていく事でこれらの能力が保たれるとのこと。まさに大きな循環を担う仕事だと思いました。
ここで,2杯目のジョッキも空に・・
続いて,相根さんからこれらの現状を改善するためのプロジェクト-エコハウスプロジェクトーが紹介されました。木材の原産地で製材のみでなく,住宅を組み立てられる寸前の加工まで行うことで山側に経済的な還元を行い,それを都市部に運んで住宅を造るというプロジェクトです。これに関しては相根さんから総会などで詳しくお話ししてもらいたいですね。
ついに,3杯目のジョッキも空に・・
最後にSさんから,森林経営の現状についてお話がありました。林業を守るために,日本の山を守るために様々な取り組みがなされているのだなと感じました。
私も大分いい感じに・・
こんな話を伺ってあっという間に時間が過ぎましたが,みなさん白熱した議論はなかなか終わりません。終了時間を1時間も延長して頂きようやく終了となりました(お店の方ありがとうございます)。ちなみに,子どもたちは外でカブトやらクワガタを捕まえて大喜びしていました。しかも,虫かごまでもらって!上機嫌でした(重ね重ねありがとうございます)。
このあと,帰ったあとも,それぞれの旅館で白熱した意見交換が行われたようです・・すごい・・。
■1日目のまとめ
ツアー1日目は,自分達の住まいに使われる木材がどんな山で育ち,どんな人たちによって守られ,どのように作られているのかを体験し,日本の山や林業の問題点について考えさせられました。我々の住まいや活動がこれらの改善に少しでも寄与できるよう願ってやみません。
(文・かわちや)