今月20日、ロシアの俳優オレグ・ヤンコフスキーが逝去されたそうです。
享年65歳。
まったくの偶然ですが、今週、滋賀会館シネマホールで
ヤンコフスキー主演の「ノスタルジア」が上映中。
ロシアの巨匠、というか20世紀映画界の巨匠、
アンドレイ・タルコフスキー監督の名作ですが、恥ずかしながら今回が初見。
学生時代、ネイティブの先生から直接ロシア語を習ってました。
で、先生から「授業でなんぞ観たい映画あらへんか?」と聞かれたので
「タルコフスキーのノスタルジア」と答えたら、
「あれはイタリア語やさかいアカン」と即座に一蹴。
でも、「代わりに、他のタルコフスキー作品観せたるわ」と、
二週にわたって『惑星ソラリス』を鑑賞いたしました。
…でも、ソラリスってセリフめちゃめちゃ少ないので、
語学のクラスではあんまし役に立たんのですね。
映画に関心の無い他のクラスメイトには悪いことをしました。
さて、そんな『ノスタルジア』ですが。
新型インフルエンザ関係で連日の臨戦態勢、
実は本日もいつスクランブルがかかってもおかしくない状態。
こんな眠いときに、静かな作品は寝るよな~、と思っていたのですが、
その心配は全くの杞憂に終わりました。
二時間強の作中のすべてのシーンが、絵画のような、というか、
詩をそのままビジョンにしたかのような圧倒的な美しさ。
ストーリーなんてあってないような、よぅ分からん物語なのですが、
そんなことに微塵も退屈を感じさせない作品でした。
はっとわれに返ったら、いつの間にかエンディングまで来ていた感じ。
やっぱ名作として名前が残る作品には、
それだけの力があるなぁ、と改めて感心した次第。
『ノスタルジア』、滋賀会館シネマホールでは、24日日曜日までの上映です。