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ebakam art studio blog

眞壁 陸二

岡本浩二展 atMOKICHI foodsgarden

2011年04月08日 | Weblog
ちょっと報告が遅くなってしまいましたが旧友、岡本浩二の展示が茅ヶ崎熊澤酒造MOKICHIfoodsgardenで開催中です。
岡本さんとは10数年前に予備校講師時代にコンビを組んだ相棒。
ユニークなキャラクターとは裏腹にかなりインテリジェンスで繊細な絵を描いている。
彼の作品の特徴は 格子状の線をズラしながらトリッキーな色面絵画。

強引に例えるならマチスをもっとミニマルな表現にしたような感じである。
いやもうちょっと強引に例えればマチスが150歳ぐらいまで生きていたら描きそうな絵?
変な例えばかりでごめんなさい、岡本さんは良い意味で極めて真面目なモダニスト。
なかなかいない
褒め過ぎかもしれないが近代絵画が追い求めたモダニズムのひとつの到達点だと思う。
これ以上シンプルになると絵画と言うより色のついたキャンバスと見えてしまい「モノ」物体感が強くなり「薄い彫刻」のようになってしまうのです。
反対に空間や量感を錯覚(イリュージョン)をもとに描く方法が古典から続く西洋の絵画の方法だったわけですが、20世紀を代表する評論家クレメントグリンバーグによると絵画の純粋性とは行き着くところ「平面性」にある。
立体感や再現性は彫刻や写真にまかせれば良いという論理によるからです。

岡本浩二の絵画はそのギリギリの地点を自覚し探求している。
しかし この辺りが「絵画の限界」。なかなかこの先へは進めないのも事実
20世紀のモダニスト、フォーマリスト達も(僕も)同じ問題で悩み苦しみました。

僕も絵画の正道はこちら側モダニズム、フォーマリズムにあると思っています。
しかしこのタイプの絵画は残念ながら世間からまるで無視される。
一般の人にとっては難しいと思われ、美術関係者からは20世紀アメリカの遺物とくくられ批判にすらされない。
描いている側のペインターからしてみればモダニズム絵画の時代は本当にあっというまに過ぎ去りすぎていてイマイチ消化不良。
ポロック、ロスコ、ニューマン、スティルらの抽象絵画のスーパースターの絵画は本当に素晴らしい。
彼らに憧れ絵筆を取っても描くものが見当たらない
その後に続くべき絵画はなかなか困難だ。新しさや既視感の無い絵画作成は険しい。
多くの画家達は絵を描くことを放棄するか難しくなりすぎた方法を諦め誰でも知ってるイメージを描きはじめた、ポストモダンやポップアートとなった。
しかし一般にはポロックよりウォーホルの方が理解し易かったのです。そしてすーっとそんな時代が続きこの15年くらいはマンガとアニメに席巻されていたが、ここらでもう一度真剣な絵画を語って行きたいと思っています。
ちょっと見方を変えればオルタナティブモダン(別の道の近代)なのかもしれません
勝手な感想を書き綴ってしまいましたが、岡本さんのようなペインターがもっと日の目を当てられても良いと思う
素晴らしい作品です。
レストラン店舗壁面全域に展示してます。美味しいお料理とお酒とともにご覧ください。

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