ebakam art studio blog

眞壁 陸二

GERHARD RICHTER その3

2009年03月03日 | Weblog
リヒター話その3 たぶん最終回です
なんだかんだ言ってもリヒター絵画の最大の特徴は、具象、抽象問わず生乾きの絵具が引きずられている点にあります
引きずることによってレイヤー状の層が出来る
そして微妙なのだがグラデーションが出来る
モダニズム絵画では絵画はなるべく平面的になろうとしていた、平面的であることが絵画が絵画たる所以と誰しも思い込んでいたからだ
こうしたグラデーションは絵画の専門用語ではキアロスクーロとも言われます、イタリア語で「明暗」の意、深々とした奥行きやボリューム、立体感のある古典絵画には欠かせなかった
抽象的な絵画にこのようなキアロスクーロがあることは非常に稀であり珍しい
でもこのことが実はとても重要なのだと思うのです
絵画は平面であって平面であってはならないのです
やはり問題にしなければならないのは空間、現実にはあり得ないねじ曲げられた空間や時間をともなった多次元空間であることが望ましい
それが絵画空間というものだろう