ebakam art studio blog

眞壁 陸二

GERHARD RICHTER その2

2009年03月01日 | Weblog
抽象と具象を同時に描く画家リヒターをもう少し詳しく書く
具象と言っても彼のモチーフはシロウトが撮影した写真が主なモデルだ
その多くはピントが合ってない写真であったり手ブレをしていたり絵はがきのような風景写真だったりする、その写真がおおいに気に入ったから描くといった動機ではない
写真に写っている被写体にとくに意味はない
わざわざ面倒なことに現実→写真化→絵画化というプロセスを経ると多くの場合画家の個性や手癖が出るものだがリヒターの場合には極めてクールに表現しようとしない
つまり感情的では無いのだ
一見するとツマラナイ作品に感じるかもしれないが、個人の主義主張を大げさに歌う歌よりもどこにでもある様な話を静かに淡々と唄った曲のほうがより多くの人に共感を得ることもあるようにリヒターの絵画は静かで美しい
上の作品は僕がリヒターで最も好きな作品〈ベティ〉