文学フリマで配布いたしました「新自由諸国」、いかがでしたでしょうか。
実のところ、これはもう12年も前に書いたもので、そんなものを堂々と胸をはってみなさんにお見せしてよろしいものなのかどうか・・・、って感も内心あったりするんですが(笑)。でも、過去に自分が書いてきたなかでは、もっとも手ごたえを感じた一作という実感があります。他のものに比べてクセがなく、「普通っぽい」話だからかもしれませんが・・・(笑)。変に工夫をするよりも、展開もオチもベタなほうがおおむね好評なのだと、そう感じた思い出もあります。
再版のたびに触れてることなのですが、実はこの話、元ネタがあります。もともとはゲームジャンルでパロ・2次創作をしてましたから、これも本当はある超有名なRPGの一部シーンを題材にして書くつもりでした。けれども創作にジャンル変更後は、こうしたネタ群も無理やり「オリジナル化」(?)させていきました。実際のところ、元ネタのゲームとはまったく異なるストーリーになってはいますけど、「主人公が旅の途中で故郷に立ち寄り、幼なじみと再会し、住んでいた家や親の墓で過去に思いをはせる」といった部分が唯一、元ネタを思い起こさせる名残となってます。・・・そういうシーンのあるゲーム、覚えていらっしゃる方、いませんか?(笑)。
それ以外はすべてオリジナルですから、ローシェ様やリスヴァくんの設定などから元ネタをたどってみようとしても無理なはず(笑)。いや、自分が知らないだけで、これに似た2人組の設定があったりしたら驚きですけど・・・(^^;)。
ちなみに過去に耳にした感じでは、リスヴァくんのほうが人気ありましたね・・・。ローシェ様は「生活力なさそう」とか、散々な言われようだったような(^^;)。ま、否定はできませんけどねぇ・・・。ネタバレにならないように書きますが、個人的にはあの彼女の処遇があれで良かったのかどうか、悔いの残るところであります。ストーリー上、仕方ないにしても、リアルで直面したらあれはちょっと気の毒かなと(笑)。
続編についても聞かれることが多かった作品です。でも残念ながら、これはシリーズではなくこれ一作かぎりしかありません。「その後」編もなければ、「旅立つ前」編もありません。正直に白状しますと、まったくネタが思い浮かびません(^^;)。なにせ一作書くのに数年も考えまくる性分ですから、これから考えるとしたら何年先になるやら・・・(笑)。他にも優先させたいネタがいくつかありますから、「新自由諸国」についてはしばらくこれだけという感じになりそうです。
チラシなどでも触れていますが、挿絵は成瀬志真さんにお願いしました。99年当時のペンネームは「成瀬伯里」でしたので、挿絵中のサインが異なるのはそのためです。はじめてキャラデザのラフ画を見せていただいたとき、あまりの出来栄えに感動し、「まさにこんな感じ、これでOK!」と太鼓判を(笑)。自分の考えたキャラクターがイラスト化されるのって本当に嬉しいものです(笑)。素敵なイラストを描いていただき、とても感謝しております。成瀬さんは現在は「おお振り」を中心に同人活動をされてるようなので、そちらのほうもよろしくお願いいたします。活動サークル名は「成瀬産地」です。
あとがきページが無いかわりに、ちょっと色々と書きつづってみましたが・・・。もしよろしければ、読者のみなさまの声も聞かせていただけたら嬉しいです。