シネカノン代表の李鳳宇と井筒監督の見事なコラボ作品です。「ゲロッパ」「のど自慢」「フラガール」…話題作連発!高度成長期の日本の内面をうまく映像に盛り込んで、在日の複雑な感情をあぶり出しておりました。また加藤和彦さんを音楽監督に起用して、作品のスパイスとしてフォークソングが美味さを引き立てております。劇中劇の「太平洋のサムライ」が石原慎太郎総製作指揮の「俺は、君のためににこそ死ににいく」の作品とオーバーラップして、あらためて、戦争は単眼的に見てはいけないと思いました。筋ジストロフィーで余命まもないことを宣告された主人公アンソンの息子チャンスの明るさ、回りの優しい人々…。賑やかな食卓風景。LOVE&PEACEのメッセージが伝わってきました。アンソンの妹キョンジャを演じた中村ゆりには最大級の拍手を送りたいと思います。韓国の花「ムクゲ」を連想させる演技と容姿でした。命懸けで守らなければならないものがあるのです。パッチギをぶちかましても。