●安倍・石原氏の2位争いが焦点…自民党総裁選 gooニュース
2012年9月25日(火)10:18
(読売新聞)
5氏が争う自民党総裁選(26日投開票)は、安倍晋三元首相(58)と石原伸晃幹事長(55)による2位争いが焦点となりそうだ。
先行する石破茂前政調会長(55)も、1回目の投票で過半数を獲得できず、上位2人による決選投票になる公算が大きいためだ。各陣営は、生き残りをかけた多数派工作に力を入れている。
読売新聞社が自民党議員に対して行った投票動向調査では、24日現在、安倍氏45票、石原氏40票、石破氏30票、町村信孝元官房長官(67)29票、林芳正政調会長代理(51)22票の順となった。一方、読売新聞社が14~16日に行った自民党員への電話調査では、4割弱が石破氏を支持し、安倍、石原氏への支持はそれぞれ2割となった。
今回の総裁選は国会議員票199票と、全国の党員約79万人を300票に換算した党員票で争われ、党員票の比重が大きい。このため、調査結果を総合すると、石破氏がリードし、安倍、石原両氏が追う展開になっているとみられる。石破陣営の鴨下一郎元環境相は24日のBS朝日の番組で「政権交代後、地方で積極的に講演してきた。3年間の努力が徐々に理解されてきた」と手応えを語った。
2位争いは、しれつだ。
安倍氏は当初、首相辞任から間もないことや、同じ派閥から町村氏も出馬していることで「苦戦は避けられない」(安倍氏周辺)とみられていた。しかし、尖閣諸島をめぐる中国への対応など、安倍氏の得意とする外交・安全保障分野が総裁選の争点となり、歯切れの良い弁舌が支持を集めている。
決選投票に進んだ場合、町村氏の支持議員をどこまで取り込めるかなどがカギとなる。
「町村先生の鋭く的確な発言が、私たちの議論に厚みを増していた」
安倍氏は24日、北海道函館市での演説会でこう述べ、体調不良で検査入院している町村氏を持ち上げた。安倍陣営幹部は同日夜、党本部で鴨下氏ら石破陣営の幹部とも会談した。
一方の石原氏は、出身の山崎派や額賀派の支援を受け、森元首相らベテランにも推す声が多い。ただ、谷垣総裁を総裁選出馬断念に追い込んだ経緯が党内に悪印象を与えたほか、得意とするテレビ討論も「発言の危うさが目立つ」(若手)と不評を買い、頼みとする国会議員票で伸び悩んでいる。石原陣営幹部は24日、「党員票が取れれば楽なのだが、きつい」と危機感をあらわにした。
● 自民総裁選5候補、経済政策は TPP・原発ゼロ慎重
2012年9月25日
(産経新聞)
26日投開票の自民党総裁選に出馬した5候補はいずれも「聖域なき関税撤廃」など国益に反する形での環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加には反対の意向を示している。政府が打ち出した「2030年代の原発稼働ゼロ」方針にも全候補が慎重な立場だ。一方で、消費税率の引き上げ時期では、安倍晋三元首相がデフレ脱却ができない場合の先送りに言及し、他候補と見解に微妙な違いがある。
5候補とも自由貿易の必要性では一致。2国間の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の推進には積極的だ。
ただ、野田佳彦政権が検討するTPP交渉への参加は、全候補が「例外なき関税撤廃」が条件となる交渉参加には反対を表明。石原伸晃幹事長が「『乗り遅れたら大変』という意識で議論するのは国益を損なう」、石破茂前政調会長も「国益にならないことはやらない」と訴える。林芳正政調会長代理は「米大統領選の後、担当者が決まる来春まで交渉は動かない」と述べ、時間をかけて検討すべきだと指摘している。
「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」という新エネルギー戦略にも、全候補が否定的だ。町村信孝元官房長官は「再生可能エネルギーの技術開発の動向を見極めながら、将来の原発比率を2、3年かけて議論すべきだ」と主張。原発の再稼働も原子力規制委員会できちんとした基準を作り、安全と判断された原発は容認する考えだ。
TPP交渉参加、原発・エネルギー政策では、いずれの候補も野田政権の方針に批判的。自民党が政権復帰を果たせば、政策方針が転換される可能性もある。
一方、8月に成立した社会保障・税一体改革関連法は消費税率を平成26年4月に5%から8%、27年10月に10%に上げる前提として、「経済状況の好転」を定めている。安倍氏は「時期を間違えると経済の腰を折ってしまう。デフレが続いていれば増税すべきでない」と強調。経済情勢の急変がない限り26年に8%に上げるべきだとする町村、石原、林各氏との温度差が鮮明になっている。
● 自民総裁選26日投票 大混戦 gooニュース
2012年9月25日(火)08:02
(産経新聞)
■石原氏 ベテランに“個別攻撃”展開
■石破氏 地方票大差で「民意」を強調
■安倍氏 ポスト条件 町村票流れる?
自民党総裁選は24日、北海道で街頭演説が行われ、26日の投開票に向けて各候補はラストスパートに入った。地方票で優位に立つ石破茂前政調会長(55)が1回目の投票で首位となるのは確実な情勢に変化はない。激しさを増す2位争いでは安倍晋三元首相(58)が一歩リードし、石原伸晃幹事長(55)が追う展開だ。決選投票をにらみ連携を模索する動きも表面化してきた。(小島優)
「北海道の農業は競争力がある。しかし、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)はダメだ!」
札幌市での街頭演説で石原氏は、農業の盛んな北海道を意識してこう訴えた。
4候補とも、体調不良のために入院し、地元・北海道での街頭演説を欠席した町村信孝元官房長官(67)の早期回復を願う言葉を忘れなかったが、特に踏み込んだのが石原氏。「我らが兄貴分である町村氏が議論に深みを与えてくれた。最終日に元気な姿を示すことを心から祈念する」と最大級の賛辞を贈った。「町村票」を取り込みたいとの思惑もちらつく。
2位争いで後れを取る石原陣営は巻き返しに必死だ。加藤紘一元幹事長らベテランに支持を呼び掛ける“個別攻撃”を展開している。ある重鎮は電話で「特例公債法案に協力的な石破氏が総裁になれば解散が遅れる」と、石破陣営の議員の切り崩しも始めた。
1回目の投票で1位が予想されている石破陣営も決して楽観できない状況にある。石破陣営は地方票では優勢でも、無派閥の中堅・若手が中心で議員相手の「多数派工作は不得手」(陣営若手)。決選投票になれば、2位以下の候補による連携で、逆転される可能性があるのだ。
実際、町村陣営は24日夜の会合で、決選投票に同じ町村派所属の安倍氏が残った場合には、町村氏や陣営内からの要職起用などを条件に安倍氏支援に回る方向で調整に入った。町村陣営が決選投票で安倍氏にかじを切ると打ち出せば他陣営がなびく可能性も高い。
石破陣営幹部は「地方票で大差をつけ『民意に背いていいのか』という心理を働かせたい」と述べ、地方票で大差を付けることに期待を寄せている。
石破陣営幹部の鴨下一郎元環境相が24日夜、安倍陣営幹部の甘利明元経済産業相と会談するなど、情勢認識について、互いの腹の探り合いも活発化している。