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2014年09月17日
読売新聞
中国漁船を追跡する海上保安庁の巡視船(2013年2月、沖縄県宮古島沖で)=海上保安庁提供
沖縄県・尖閣諸島の国有化から2年が過ぎ、中国側の戦略に変化が表れている。海上保安庁の巡視船並みの装備を誇る中国公船の動きが鈍る一方で、今年に入って中国漁船による領海侵入が激増。国有化前の2011年と比べて25倍以上となっている。違法操業を繰り返すことで領有の主張を既成事実化する狙いもあるとみられ、中国公船への対策強化で配備する巡視船の増強を目指してきた同庁は「今後は漁船への対応も重要」と警戒を強めている。
「領海内に入ってくる頻度が急激に増えた」。海上保安庁の佐藤雄二長官は9日の記者会見で中国漁船についてこう語った。同庁のまとめでは、尖閣諸島で領海侵入した中国漁船は11年は8隻だったのに対し、12年が39隻、13年が88隻と増加。今年に入ってからは、16日午前8時現在ですでに207隻に上っている。
一方、中国公船が領海侵入するケースは減っている。国有化後の1年間は216隻だったが、13年9月11日からの1年間は101隻。中国は南シナ海で他の沿岸諸国との衝突にも公船を派遣する必要があるとされ、これまで5隻1セットで来る機会が多かったが、「最近は3、4隻のことも多い」(同庁幹部)という。
中国漁船が大幅に増えている実情について、海上保安庁内部では領有権の主張とは別ではないかとする観測もある。今夏は潮流の変化で、日本の領海近くでも魚が増えており、中国漁船の動きはこうした現状を反映したものだという。
ただ、尖閣諸島周辺の海域には常時、1000隻程度の中国漁船が操業しているが、尖閣諸島から半径22キロの狭い領海内で中国漁船が急激に増えるのは不自然だ。佐藤長官は「基本的には軍艦、公船、漁船が一体となって海洋権益確保のために動いていると考えた方がいいだろう」と警戒する。
尖閣周辺に中国公船4隻、41日連続
2014年9月19日:産経新聞テキスト朝刊
海上保安庁は18日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域で、中国海警局の船4隻が航行しているのを確認した。中国当局の船を尖閣周辺で確認するのは41日連続。第11管区海上保安本部(那覇)によると、4隻は「海警2102」「海警2115」「海警2151」「海警2401」。