日本は大丈夫!?

・社会 ・内政 ・国際 ・経済 ・スポーツ

液化天然ガス 官民連携で高値買い是正せよ

2012-09-25 04:19:44 | ウエーブニュース
液化天然ガス 官民連携で高値買い是正せよ  gooニュース
   2012年9月25日(火)02:13
   YOMIURI ONLINE

 火力発電所の燃料となる液化天然ガス(LNG)の輸入が急増し、価格も急騰している。官民連携を強め、安価での調達を目指さねばならない。

 日本、韓国などの消費国と、カタールなど生産国による初めてのLNG会議が東京で開かれた。

 日本のLNG輸入量は世界1位で、全生産量の3割を輸入する。東京電力福島第一原子力発電所事故後、原発の代替電源として火力発電の依存度が一層高まった。

 事故前のLNG輸入額は年3兆円程度だったのに、今年は約6兆円に倍増する見通しだ。

 電力会社の発電コストが上昇し、料金に転嫁されると、産業や国民生活に打撃を与えよう。

 懸念されるのは、その輸入価格が北米での天然ガス価格の約6倍にも急騰していることだ。

 アジアのLNG価格は、原油価格に連動する仕組みで、原油高につられているのが一因だ。日本は今回の会議で現行方式の見直しを訴えたが、持ち越された。

 日本に次ぐLNGの輸入国・地域は、韓国、台湾、中国、インドで、アジア勢の総輸入量は世界生産量の6割を超える。

 韓国などと結束して生産国に迫り、新価格決定方式と価格引き下げを実現することが重要だ。

 生産国側との価格交渉も、1社単位ではなく、電力会社やガス会社など多数の企業が連携して行う方法を併せて検討してほしい。

 日本が原発を再稼働できず、政府が原発ゼロ方針を打ち出したことで、生産国から足元を見られ、「ジャパンプレミアム」という高値買いを強いられている。

 この状況を改めるためにも、政府は安全性が確認できた原発の再稼働を急ぐ必要がある。電源バランスを考慮しないと、LNGの価格交渉でさらに不利になろう。

 米国などでは、地中深い岩盤に含まれる天然ガスのシェールガスが新技術で採取されている。埋蔵量は膨大で、将来、市場の需給緩和につながる可能性が高い。シェールガス革命と言われる。

 日本の大手商社などが米国でのシェールガスの開発権益獲得に動き出したのは期待できる。巨額な開発資金を政府も支援し、安定調達できる体制を整えるべきだ。

 ただし、米国政府はLNG輸出先について自由貿易協定(FTA)の締結国を条件としている。

 FTAの拡大版である環太平洋経済連携協定(TPP)での米国の方針は不明だが、日本は将来に備え、TPP参加を早期に表明して有利に交渉する必要がある。