● 台湾がここまでするとは…すぐ近くの与那国町長 gooニュース 2012年9月25日(火)18:56
(読売新聞)
「親日的な台湾の人たちがここまでするとは」。沖縄県与那国町の外間 守吉町長は驚きを隠さない。
日本最西端の与那国島。晴れた日には約111キロ先に台湾が見える。交流は活発で、戦後は沖縄本島や石垣市と台湾を結ぶ密貿易の中継地として栄えた。台湾・花蓮市と姉妹都市を締結して今年30周年になる。
外間町長は20~23日に花蓮市で行われた記念式典に町民約70人と出席したばかり。台湾の伝統芸能を披露されるなど歓待を受けた。日本の植民地時代の建造物を観光拠点にする動きもあり、親日的な雰囲気は変わっていなかったという。「政治目的で過激な行動をとるのは一部だと思う。大事なのは民間交流。これからも誠意を持った交流を続けていく」と語った。
与那国花蓮縣交流発展協会(与那国町)の田里千代基専務理事(町議)は、台湾漁船の領海侵入について「世論を抑えるためのパフォーマンスだろう」とみる。中国と異なり、台湾との間では強い信頼関係を築いているとし、「日台は経済面でも必要なパートナー。冷静になって外交してほしい」と求めた。
与那国島南側の漁場などでは、台湾漁船と競合することもあるという。与那国町漁協の中島勝治組合長(46)は「これほど多くの台湾漁船が領海に入るとは思わず驚きだ。こうなると抗議だけではすまない。日本と台湾の交流も控えるぐらいの対応が必要だ」と反発。「与那国島に自衛隊のレーダー施設を早期に整備し、監視部隊の配備も進め、監視体制を強めるべきだ」と話した。
台湾からの移住者や2世らでつくる琉球華僑総会八重山分会(石垣市)の呉屋寛永分会長(59)は「今回は台湾船の数が多いので、トラブルにならなければいいが……」と心配そう。「対立が深まるほど、解決が遅れる」と、台湾側に冷静な対応を求めた。
● 逃げ回る・割り入る・放水の応酬…尖閣緊迫 gooニュース 2012年9月25日(火)19:04
(読売新聞)
白波を立てながら、台湾漁船に水を放つ海上保安庁の巡視船艇。
それを避けようと逃げ回る台湾漁船。間に割って入る台湾当局の巡視船――。台湾の漁船団と巡視船の計約50隻が領海侵入した尖閣諸島(沖縄県石垣市)魚釣島沖では25日朝、退去を求める海上保安庁と台湾の巡視船が放水で応酬するなど、一時緊迫した状況となった。
「釣魚台(尖閣諸島の台湾名)は台湾のものだ」。台湾漁船は、尖閣諸島の領有権を訴えるのぼりなどを掲げ、日本の国有化への抗議をアピールしながら、魚釣島を目指して東に進んだ。
一方、30隻を超える巡視船艇を出動させ、異例の対応で臨んだ海保。無線や電光掲示板を使って領海から退去するよう警告を繰り返した。巡視船で漁船団を取り囲みながら、小型の巡視船艇が漁船の船首側に回り込み何度も放水。漁船を護衛するように並走していた台湾の巡視船は、その間に割って入ったり、海保側に放水したりした。
● 台湾側全船、領海外へ…海保船と放水の応酬 2012年9月25日12時42分
読売新聞
25日午前7時40分頃、沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島沖の領海内に、約40隻の台湾漁船が相次いで侵入した。
日本の海上保安庁に相当する台湾海岸巡防署の巡視船8隻も同行しており、海上保安庁の巡視船艇が、日本の領海から出るよう無線などで警告した。周辺海域では、計約50隻の台湾の漁船、巡視船と海保巡視船艇が入り乱れ、双方の巡視船が放水しあう事態となったが、約4時間後、台湾側の全船が領海の外に出た。
第11管区海上保安本部(那覇市)によると、25日午前6時頃、魚釣島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内で、漁船40~50隻と台湾の巡視船約10隻を海保巡視船が確認。船団は直径約13キロのエリアに広がって魚釣島方向に航行し続け、このうち漁船約40隻と巡視船8隻が同7時40分頃~同8時45分頃に領海内に侵入した。
11管は巡視船のほか、小回りの利く小型の巡視艇なども投入し、約30隻規模で対応。巡視船で台湾漁船団を包囲し、巡視艇が進路をふさぎながら放水などを行って、同諸島に近づかないよう警告を続けた。これに対し、台湾巡視船は無線などで「ここは台湾の海域で、正当な業務を行っている。直ちに退去してください」などと応答したという。
漁船は領海内で操業する様子はなく、「釣魚台(尖閣諸島の台湾名)は台湾のものだ」といった趣旨の中国語が記されたのぼりなどを掲げ、魚釣島に向かって進んでいたが、同島手前で反転。午前11時45分頃までに巡視船を含むすべての台湾船が日本の領海外に出た。その後は台湾方面に向かっているという。
一方、中国の監視船も尖閣諸島の周辺海域で活動を続けており、25日午前9時現在、海洋監視船「海監」4隻と漁業監視船「漁政」2隻の計6隻が久場島北側の接続水域内を航行。このほか漁政4隻が周辺海域を航行しているという。