今回は、アニマル・メディスン カバ Hippopotamus の巻です。
写真は、ネットからお借りしました。

動物として
カバ 偶蹄目 カバ科 カバ属
学名:Hippopotamus amphibius 英名:Hippopotamus
サハラ砂漠以南のアフリカ大陸に分布。
河川、湖、沼など水辺に生息。
陸上動物としては、サイと共に
ゾウに次ぐ重さとされる。
遺伝的には、クジラ目に近いと考えられている。
5亜種から成ると言われているが、
生息地域により、頭蓋骨の形が違う程度で、
遺伝的な違いなど、詳細はよくわかっていない。
■ナイルカバ■ Nile hippopotamus
最も一般的な種で、タンザニアやモザンビークなどに分布
■東アフリカカバ■ East African hippopotamus
ケニアやソマリアなどに分布
■南アフリカカバ■ South African hippopotamus/Cape hippopotamus
ザンビアからのアフリカ南部にかけて分布
■西アフリカカバ■ West African hippopotamus/Tchad hippopotamus
西アフリカ全域やチャドの一部に分布
(写真なし)
■アンゴラカバ■ Angola hippopotamus
アンゴラやコンゴ民主共和国南部、ナミビアなどに分布
(写真なし)
体 長 3.5~4メートル
体 重 1.2~4トン
肩 高 1.4~1.5メートル
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なお、同じカバ科のコビトカバは、単体でコビトカバ属を形成し、
カバ属とは、遺伝的にかなり離れている。
■コビトカバ■ Pygmy hippopotamus
ギニア、コートジボワール、シエラレオネ、リベリアに分布
森林に生息し、単独生活を好む。
水中で生活しないため、目と鼻は突出していない。
体長 150~175センチ
体重 180~275キロ
世界三大珍獣(世界四大珍獣)の1つとされている。
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(以降、カバ属の説明)
半水生で、1日のほとんどを水中で過ごし、
夜になると、陸に上がって食餌をする。
食性は、草食性。
草類、芽、茎、樹皮など、1日約40~50キロ食べる。
他の大型草食動物と比較して、
カバが1日で食べる量は少ないが、
(体重4トンのゾウの食餌量は、飼育下で1日約200キロ)
カバは、昼間は水中でほとんど動かず、
エネルギー消費を抑えているためと考えられている。
また、カバは死んだ動物の肉を食べたり、
インパラなどを襲って食べるのも目撃されているが、
草食動物も、時に肉を食べるのは確認されており、
食餌を肉食には依存していないため、
草食動物とされている。
10~20頭の群れを作って生活するが、
水場が減る乾季には、
100頭ほどの大きな群れを作ることもある。
群れは、オスをリーダーとし、
メスとその子どもたちから成る。
オスは単独で生活することもある。
カバの体は、水中生活に適したつくりになっており、
交尾、出産、哺乳なども水中で行う。
足指の間は膜で繋がり、水かきになっている。
目、鼻、耳は顔の側面に直線に並んでいるため、
水面に目と鼻だけを出し、
周囲を警戒しながら呼吸することができる。
鼻孔は自由に開閉でき、
水中では閉じて、水が入るのを防いでいる。
潜水時間は、最長で5~6分。
水中では泳がず、前肢で水底を歩くように移動し、
時速8キロ程度の速度で動き回る。
顎の筋肉が発達しており、
口を150度まで開くことができる。
下顎には、威嚇用の長く尖った門歯と犬歯を持ち、
50~75cmにも達する犬歯は、
しばしば上顎を突き抜けて上方に出る。
また、噛む力は1トンを超える。
カバは瞬発力に優れ、
陸上でも俊敏に動くことができる。
時速30~40キロで走ることができるが、
長距離を走ることはできない。
カバの体は、分厚い脂肪と真皮、上皮で覆われているが、
表皮は薄いため、乾燥と紫外線には非常に弱い。
体温調節を行う汗腺や、皮脂腺を持たないが、
皮膚を保護し、細菌の増殖を防ぐための
粘液を分泌する腺を持つ。
この粘液はアルカリ性で、もともと無色透明だが、
空気に触れると酸化して赤く変色することから、
「カバは血の汗をかく」と言われる。
カバは気性が荒く獰猛で、
縄張り意識が非常に強く、
縄張りに入ったものは何でも激しく攻撃する。
また、群れにおいてリーダーが代わると、
新しいリーダーが先代リーダーの子を殺す
「子殺し」が行われることが確認されている。
一夫多妻で、決まった繁殖期はない。
アフリカ大陸において、
野生動物による人間の死者の数では、
カバによる死者が最も多いと言われている。
近年、生息地の開発や環境破壊などにより、
個体数は減少しており、
絶滅危惧種に指定されている。

アニマル・メディスンとして
カバが象徴するもの
・・・パワー、創造、豊かさ、家族、保護、母性、
攻撃性、敏捷性、バランス、誕生、堅実、
癒し、創造性、新しいものの誕生、明確な夢、
危機の際の冷静さ、直感、正当な攻撃
地上で2番目に大きな哺乳類であるカバは、
偉大さ、力強さ、パワーを象徴する。
カバは、われわれひとりひとりが
偉大な存在であることを伝え、
われわれに、自分自身の価値を認め、
自分自身を受け容れるよう伝えている。
われわれの中には、
自分の持つ能力を受け容れられなかったり、
自分に価値を見出すことができず、
自分は成功するはずがないと
思い込んでいる人がいる。
カバは、われわれはみな、
生まれながら偉大であること、
誰もがみな、自分がなりたい人物になれる
可能性を秘めていることを思い出させ、
われわれに、自分にもっと自信を持ち、
自分を信頼するよう伝えている。
また、カバは逆に、
自分を実際よりも大きく見せかけ、
権力を誇示したり、乱用する者に対しては、
己を正すよう伝えている。
水の中から周りを観察するカバは、
真実を見抜く力を象徴する。
カバはわれわれに、
何ものにも惑わされず、常に真実を見て、
話す時は、常に真実を話すよう伝えている。
カバは、陸と水中の両方で暮らし、
地と水の両方と深いつながりを持つ。
水は、直感や感情を象徴し、
地は、現実や安定を象徴する。
カバはわれわれに、
人生において、地と水の持つ側面を
バランスよく取り入れるよう伝えている。
すなわち、直感を信じて行動しながら、
現実的な視点を持ち続けることが
大事であると伝えている。
カバをトーテムに持つ人は、
鋭い直感を持つ。
粘り強く勤勉な努力家であり、
常に人生と真剣に向き合い、
目標を達成するまで、骨身を惜しまない。
地面にどっしりと足を下ろすカバは、
グランディング、堅固さを象徴する。
カバは、巨体の割に敏捷であるが、
食餌で上陸する際、同じ道を通るなど、
用心深く、同じ行動を繰り返す習性を持つ。
カバはわれわれに、
自分に最適と思う道を見つけたら、
その道に留まることが
目標の達成につながると教えている。
カバは、われわれが感情に溺れ、
現実的な視点を失いそうになった時、
われわれをグランディングさせ、
人生の浮き沈みを通じ、
霊的に成長するようサポートしてくれる。
水は、直感や感情のほか、
誕生や創造、癒しも象徴する。
1日のほとんどを水中で過ごすカバは、
創造性と深いつながりを持つ。
カバはわれわれに、
人生において、退屈している暇はないこと、
自分の創造性を最大限に活用し、
新しい目標を設定したり
新しい計画に着手するなど、
人生をもっと活性化するよう伝えている。
カバの目と鼻孔は顔の高い位置にあるため、
カバは水中に身を隠しながら、
水の上で何が起こっているかを
安全に観察できる。
カバはわれわれに、
時に、自分の感情の深みに入ったり、
創造的な活動に没頭するのは必要であると
伝えている。
同時にカバは、現実から目を背け、
夢の中で成功を思い描くだけの人に対しては、
現実逃避せず、きちんと人生に向き合うよう
促している。
カバは、妊娠、安産、豊穣、繁栄を象徴する。
古代エジプトにおいて、
妊娠や安産を祈願する際、
人々はカバのエネルギーを召喚した。
カバは、妊娠中の女性や、
妊娠を望んでいる女性、
子育てをしている女性の守護者である。
またカバは、肉体的な妊娠に限らず、
新しいアイデアや計画などを産み出す
象徴的な妊娠・出産もサポートする。
カバは、強い母性、適切な攻撃を象徴する。
カバは、自分のテリトリーや子を守る際、
非常に攻撃的で獰猛になる。
また、子を守って戦う他の母親を見つけると
加勢して助けたり、
お互いの子の子守りをしたりもする。
カバはわれわれに、
自分の大切なものを守る際、
死に物狂いで攻撃することは当然であり、
攻撃は、必ずしも悪ではないと伝えている。
カバのカードが出た場合、
テリトリーに侵入しようとしている者がいないか、
注意するよう伝えている。
さらに、自分は大切なものを守りきれているか、
客観的に考えてみるよう促している。
カバは大きな牙と、
噛む力が1トンを超える強い顎を持ち、
口により、相手に致命傷を与える。
カバはわれわれに
自分の口から発する言葉には
充分気をつけるよう伝えている。
自分の何気ない言葉が、
他人を深く傷つけてはいないか。
口を開く際、どのような言葉を使うべきか、
よく考えてから話すよう伝えている。
古代から、アフリカとエジプトにおいて、
カバは神に祝福された聖獣であった。
特に古代エジプトにおいて、
カバは、怖れられると同時に
神として崇められ、
神話にもしばしば登場した。
古代エジプトの多くの家庭では、
祭壇などに、女神『タウェレット』の像を飾っていた。
タウェレットとは、『偉大なるもの』を意味し、
カバの頭部、豊かな胸、大きくせり出した腹を持ち、
妊娠、安産、子供の健やかな成長を司り、
家から悪霊を払う神としても崇められていた。
女神タウェレットはまた、
人が死ぬと、その魂が安全に死後の世界へと遷移できるように
案内する存在とも考えられ、
墓にはしばしば副葬品として、
小さなカバの像が収められた。
エジプト神話において、
オスのカバは、砂漠と嵐の神セトと結び付けられた。
セトは、パワフルな女神タウェレットを配偶者とし、
カバを聖獣のひとつとして、
戦いにおいて、自らカバに変身することもあった。
セトのシンボルカラーは赤であるが、
それは、カバが赤い粘液を分泌することからきている。
古代エジプト人にとって、
ナイル川は生命の源であり、
川は人生を象徴するものであった。
そして、ナイル川一帯で絶大な力を誇り、
悠然と泳ぎ回るカバは、
時に流れに乗って進み、
時に大地にしっかりと足を下ろす
パワーの象徴であった。
カバはまた、夢を象徴する。
カバはわれわれに夢を持ち続け、
新しいことを始めたり、
挑戦し続けるよう伝えている。
生き生きとした人生を送るには、
年齢に関係なく、夢は必要である。
夢は、われわれの人生において
他者の侵入を許さない大事なテリトリーであり、
自分の理想や夢、信念をしっかりと守りながら、
自分を信頼し、堅実に努力し続けるよう
カバはわれわれに伝えている。
《逆位置》
自分の能力や価値を認めているか。
自分を否定していないか。
自分は成功に値しないと思い込んでいないか。
自分を誇大に見せたり、権力を乱用していないか
自分の直感を軽んじていないか。
空想の世界でフワフワと生き、現実から目を背けていないか。
自分の真実を隠していないか。
創造的な活動をしているか。
自分や大事なものを守るため、力を尽くしているか。
時に、攻撃的な言葉遣いをしていないか。
夢を諦めていないか。
夢を達成するために努力しているか。
自分の潜在能力をもっと信頼しなさい。
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