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日刊ドットコムマスター★

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第19回 第2部 第45問

2013-06-17 10:55:53 | 第4章

以下の図のファイル群に不正プログラムが入っていた場合、これがダブルクリックにより実行されてしまう危険性を持つものはどれか。
図中の選択肢から2つ選びなさい。
なお、アプリケーションの脆弱性については考慮しないものとする。

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コムたろう「……1つは何となく解るかな?」


ドット先生「どれがあやしいと思うの?」


コムたろう「『a』だと思うんだけどね。」


ドット先生「その理由は?」


コムたろう「『setup』って書いてあると、だいたいこのファイルって何かを実行するのに使われなかったっけ?」

ドット先生「コムたろう君が言っているのは、『setup.exe』のことだね。」


コムたろう「そうそう、それ!インターネットでダウンロードしたファイルってたいていそんな名前のファイルじゃない?」

ドット先生「まぁだいたいそんな名前だよ。」


コムたろう「ほらね!だから、なんか悪いことを実行するから『a』だと思うんだよね。」


ドット先生「でも、『setup.exe』の『exe』って部分が見えないけど、そう断言しちゃっていいのかな?」


コムたろう「『setup』って来たら、『exe』でしょ?」



ドット先生「では、『exe』って何か解る?」


コムたろう「…………教えてください。」


ドット先生「この『exe』は実行ファイルの拡張子なんだよ。EXECUTE=実行の略だよ。」
「ちなみに実行ファイルってのはダブルクリックしたらプログラムが動き出すファイルの事だよ。」


コムたろう「拡張子って?」


ドット先生「拡張子はそのファイルがどんな種類かを示すものなんだ。」


コムたろう「『exe』って場合は、実行ファイルという種類を示すんだね。」


ドット先生「うん、他にもExcelのファイルだったら拡張子はお馴染みの『xls』だったり、PowerPointだったら、『ppt』みたいな。」

コムたろう「ああ、なんとなく解ってきたよ。」


ドット先生「とは言え、『setup.exe』はアプリケーションのインストールとかアップデートとかに使われる事が多く、本来は悪いことをするものではないよ。」
「悪い人がそこを悪用して危険なプログラムのファイル名を『setup.exe』にしている可能性を考慮して、要注意ってことなんだ。」


コムたろう「ふ~ん、そうなんだー。」





ドット先生「ただね、この拡張子なんだけど、Windowsの基本の設定では、原則、隠れて見えないようになっているんだ。」

コムたろう「えっ、見せてくれればいいのに……その方が一目で何のファイルか解って便利だよね。」


ドット先生「その代わり、図のようにどんな種類のファイルかを示す説明文がファイル名の下に書いてあるでしょ?」

コムたろう「あっ、ホントだ。」


ドット先生「だから、拡張子が見えなくっても、この説明文を読めばいいんだよ。」


コムたろう「じゃあ、『c』は単なるメモ帳のファイル、『d』はJPEGの画像ファイルってことでいんだね。」

ドット先生「その通り。」


コムたろう「だったら、ダブルクリックしてもメモ帳が開いたり、画像ファイルが開いたりするだけだから、悪さはしないね。」

ドット先生「うん、大丈夫だね。」


コムたろう「……あれ、じゃあ『b』のファイルはどうなんだろ?」


ドット先生「おっ、気づいたね。」


コムたろう「うん、このファイルだけ拡張子の『jpg』が見えているよ。他のファイルでは拡張子は見えないのに……。」

ドット先生「それがこの問題のポイントだよ。」


コムたろう「えっ、そうなの?」


ドット先生「うん、ファイル名の下に説明文はあるかな?」


コムたろう「あれ~『d』と同じJPEGファイルなら、同じように説明文があってもいいよね?」


ドット先生「うん、これはつまりWindowsがこのファイルをJPEGファイルだと認識できなかったことを指しているんだよ。」

コムたろう「えっ、でも拡張子が『jpg』なのに?」


ドット先生「こらこら、他のファイルは拡張子が見えてないだろ?」


コムたろう「そうだった……ってことは、この『picture1.jpg』の『jpg』っていうのは……。」


ドット先生「ファイル名の一部ってことだよ。」


コムたろう「ええええ、紛らわしい。」


ドット先生「それが悪さをする人の怖いところ。」
「わざと、拡張子みたいなファイル名を付けることによって、『これは安全なファイルだよ』って受け取った人に思わせているんだ。」


コムたろう「ずるがしこいなぁ。」


ドット先生「インターネットで不正を働く人はあの手この手を考えるからね。」


コムたろう「そうか、『c』や『d』のファイルのようにWindowsがどんなファイルかを認識していれば、ちゃんと説明文が入るから、そこで見分けるんだね!」

ドット先生「うん、同じJPEGファイルなのに、『d』は拡張子無しで説明文有り、『b』は拡張子みたいなのが見えるけど説明文無し。」

コムたろう「『b』のファイルをWindowsはJPEGファイルと認識できなかったんだね。」


ドット先生「うん、『b』のファイルの場合、実際には『picture1.jpg.exe』という実行ファイルの可能性が高いんだよ。」

コムたろう「うっかりクリックしちゃったら、大変だね。」





コムたろう「でもさ、こんなリスクがあるなら、Windowsは最初から拡張子を見せてくれればいいのにね。」

ドット先生「初期設定では見せてくれないけど、自分で拡張子を表示させることも出来るよ。」


コムたろう「えっ、そうなの?」


ドット先生「うん、簡単に出来るから、今度教えてあげるね。」


コムたろう「うん、,わかった~。」


ドット先生「まぁ、拡張子が見えるからと言って、万全ってことはないんだよ。」


コムたろう「どうして~?」


ドット先生「例えば『photo.jpg .exe』みたいに、拡張子の前にスペースを入れられちゃうと、結局『jpg』が拡張子だって勘違いしちゃう場合もあるんだ。」
「図のbでは右下に『…』て見えるだろ。これは名前が長いから省略されたって印なんだ。つまり『picture1.jpg』の後ろにまだ名前が続いているって事さ。」


コムたろう「悪い事する人はホントいろいろ考えるんだね。」


ドット先生「だから、僕たちもいろいろ考えなきゃいけないんだよ。」


コムたろう「了解!」










コムたろう「ちなみに先生、アプリケーションの脆弱性ってな~に?」


ドット先生「エクセルとかにはマクロ機能があるのは知っているかな?」


コムたろう「マクロって?」


ドット先生「一定の処理手順を登録しておいて、必要な時に呼び出して作業を簡単にするための機能だよ。」
「これを悪用してエクセルとかのセキュリティの穴をついて悪さするファイルもあるんだ。エクセルのファイルを開いて、エクセルが立ち上がった途端に動き出したりね。」


コムたろう「じゃあ、ファイル名を見て、普通のエクセルのファイルって判断できても、危険な場合もあるんだ?」

ドット先生「その通り、だから設定でマクロを無効にしたり、確認したりとかも選べるようになっているんだ。」

コムたろう「用心するにこしたことはないんだね~。」


ドット先生「そして、今回はそこらへんは考慮しなくても良いよって事ね。


コムたろう「は~い。」





【 第19回 第2部 第45問 解答&解説 】
[解答]a,b
[解説]
a.危険性を持つ。setup.exeであることが想定される。exeファイルはダブルクリックで実行されるファイルである。

b.危険性を持つ。picture1.jpgとなっているが、jpgという拡張子であれば、登録されており、JPEGイメージであると自動判別できるはずである。しかし、判別されていないことから、ファイル名が「picture1.jpg.exe。」等になっていることが想定される。また、拡張子がこのファイルだけ表示されているのは不自然である。

c.危険性を持たない。redme.txtであることが想定される。ダブルクリックしてもメモ帳等(テキストエディタ)が起動するだけなので安心である。

d.危険性を持たない。JPEGイメージであることから、picture2.jpgであると想定できる。ダブルクリックしても、Windows Picture Viwer等が起動するだけなので、安心である。