オー、捨てないと!

隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

現代文 肉弾

2012-07-03 22:23:32 | 
現代文 肉弾
国書刊行会
桜井忠温 著
ISBN978-4-336-05330-5



―今日用いられる「肉弾戦」という言葉はこの本に由来する―

日露戦争について書かれた本としてもっとも有名なものがこの「肉弾」である。
気にはなっていたものの、今まで読む機会が無かったので、今回読んでみました。
もっとも、数年前に再版されるまで絶版だったようですが…。

内容的に最初に驚いたのが何と言ってもその独特の難しい言い回しが多用されている点。
それはともかく、日本側の士気の高さに驚かされる。
予備隊となって戦地に行けなくなったある兵士は「魂だけでも戦地にいち早く赴いて忠義を尽くそう」と自らを傷つける。

日本側の強硬な突撃に対し、ロシア側も激しく抵抗するが、
ロシア側将兵は上からの命令に従って戦うのみで、
将校は自らは楽をするのみで兵士たちは飢えていた。
一方日本側は将校と兵士との結束が高く、一丸となって戦っていたと分析する。

戦闘経過を通して思ったのは現在の目を通してみると
ただただ突撃を繰り返すのみで、ロシア側が新兵器となる機関銃を装備している事もあり、
多大なる犠牲を払っていました。
南山の戦いでは一度の突撃で4000名からの死傷者を出し、大本営が「1ケタ違うのではないか」と問い合わせる状況。
歴史的に考えると後の第1次世界大戦でも塹壕を掘るだけで基本的には歩兵の突撃を繰り返すだけだったので、これも仕方がなかったのかも。

繰り返しにはなりますが、そんな圧倒的に危険な状況でもものともせずに突っ込んで行く
士気の高さは今の時代を生きる私には若干理解できないものの、
今の我々は何かを失ってしまっている様な気がしてならない。


余談ではありますが、これを読んだ有名人の中にアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領がいますが、
感化された彼が当時、アメリカ陸軍に採用されていたスプリングフィールドM1903ライフルに装備されていた
クリーニングロッド兼用のロッド式銃剣を「貧弱で使い物にならない」と反対し、
ナイフ形のM1905銃剣に変更されたのは有名な話。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地震津波警報器 | トップ | マキシム機関銃 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (のきば)
2012-07-06 23:39:25
あ、これ読みましたよ、私も。
コレだったか、戦争の栞だったか…
最初に大陸に渡って朝鮮の民家を借りて寝泊りする話が衝撃的だタアルよ。

だって、家の中では虱と南京虫に悩まされて、野外で寝たほうがずっとマシって、書いてあるんですよね…
書いてなかったら、現代文版では端折られてるのかなんかなのかな。
Unknown (doorgunner)
2012-07-07 21:57:17
あったような、無かったような。
ぺらぺらとめくってみたんですが、ちょっとはっきりしませんでした。
何せ書き方が難しいので…。

現地住民と言えば素知らぬ顔して利敵行為を働いてる描写がありますね。
敵さんも現地人の格好して偵察に来てたりしたようで、
憤慨してる記述を所々で目にします。

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事