自分史・・純粋バカ一代・・ZAIYA友二 ・・デビルモンスター回顧録……旧タイトル 515の放浪

デビルモンスター逸話集・・そののちにアメリカ人たちから『デビルモンスター』と呼ばれた『オレ』の思い出話・・

【515の放浪】 《第16話》 【福島の雪道にて】 《第3章》

2013年10月23日 05時00分00秒 | 515の放浪
起き上がった軽ワンボックス車は、右側面がベコベコ状態だった。購入時は丸みを帯びた車体だったろうに、みごとに平らになっている。ドアは変形していて、開かないだろうな。
「おじいさん。こっちのドアは開けられないから、助手席側から乗り込むしかないね」
と親切に説明してあげたら
「ああ、だいじょうぶだ。だいじょぶだ」
と、冷たい外気に当たりながらも・・元気だ。
「この先も気をつけて行った方がいいよ。今度、左側に倒したら車から出れなくなっちゃうから」と、丁寧にアドバイスすると
「ああ。だいじょぶだ。この車は、後ろのドアが中から開けられっから・・外からしか開かねぇのもあるんだど。これは、だいじょぶだ。中から開くから・・」
 もし、両側がベコベコになっても平気らしい。
 当事者が志村けんのように「だいじょぶだぁ」と言うんだから・・大丈夫なんだろう。
 車が倒れていた所に、ガラスの破片などないだろうなと雪面を見ていると、なにやら赤いシミのようなものが見える。
「血だ」と直感した。
「おじいさん。どこか怪我してない?」
と聞くと、おじいさんは腕をぐるぐるまわして
「体はなんともねぇぞ」と元気だ。
 じゃあ、この雪を赤く染めてるものは何なんだ。
 車の下敷きになったネコか、イタチか、冬眠中に起こされたヘビか・・

(つづく) 第16話全編 は[楽天グログ・・FREE PAGE]に掲載します 





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