自分史・・純粋バカ一代・・ZAIYA友二　・・デビルモンスター回顧録……旧タイトル 515の放浪

デビルモンスター逸話集・・そののちにアメリカ人たちから『デビルモンスター』と呼ばれた『オレ』の思い出話・・

【515の放浪】　《第１４話》　【霧の街にて】　《第３章》

2013年10月13日 05時00分00秒 | 515の放浪
　次の日曜日に、キミエと会った。なにか言いたそうに見えた。目が緊張しているな。
「どした？」と聞くと
「あのね・・言わないほうがいいかなと思ったんだけど・・」
「そこまで言ったら言うしかないな。あ、言ってほしいなか」
　きっと、霧の夜のことだろうと思っていた。
キミエは、恐ろしい打ち明け話でもするように、静かにはっきりと話し始めた。
「あのね・・この間霧がいっぱい出たでしょう？ああいうことって、この辺りでは初めてなんだって」
「あんなに大量の霧が出たことがないんだ」
「ううん。大量も少量も霧が出たことが、いままでないんだって・・」
　霧は、地面の水分が蒸発して、空気中の気温が低ければ発生するもののはずだ。川のある地方で、朝晩の空気が冷えた時によく見える。
「ずっと霧が出なかった土地なのに、あんなに大量の霧が出たってことか」
キミエは「うん」と言って、まだ話さなければならないことがあるという目をしている。
「この間、おおきな人を見てって言ったよね。私は見えなかったけど・・」
「うん、見えたよ。１９０ｃｍ１２０Kg体脂肪分７％くらいの怪物だったね」
「体脂肪分までわかったの？」
「ううん、推測」
「そう・・実はね、その大男を他の人も見てるみたい。」
「そう、西から東へ歩いて行ったからね。おこへ行った人だったんだろう」
「それがね・・それを見た人は・・足が浮いて立って」
「誰が？それを見た人が背伸びして、足が浮いたのか・・それとも・・」
　そこで言うと、キムエが割こんで来た。
「違うの。その大男が宙に浮いて歩いてたんだって」