帰りの車の中でも、しばらく課長は黙ったままで、なにかオレが悪くて機嫌が悪いのかとも思っていた。
ま、俺に不満があるにしても、何も言われないなら関係ないや、と車外に見える朝の出勤風景など眺めていた。
家に帰るので、近くの駅で降ろしてください と言うと、課長は、いや家まで送っていくと言う。ちょっと、気合が入った言い方だね。課長は、その後 咳き込むように話し始めた。
「ヤマザキ君は悔しくないのか?…あの会社の人間は、自分たちのことしか考えてなくて、ヤマザキ君が、危険な目にあったことを心配もしないんだぞ」
う~ん。それは、会社での報告中にオレもちょっと感じたことだった。夜の警備の労をねぎらうという言葉もなかった。それが、面白くなくて、課長は怒って黙ってたんだ。
「くやしく…はないです。仕事ってこんなもんだと思ってますから。いつでも誰にでも感謝されるってものでもないですよね」
課長は、怒りで興奮してるんだろうか。震える声で言う。
「でもね、あの会社の人間はひどすぎるよ。血も涙もないのかと思ったよ・・・。ヤマザキ君はまだ若いから覚えてて欲しいんだけど、世の中の人がみんなあんなのじゃないからね」
今回の仕事というか、警備業は請負なので、つまり発注者の会社は、仕事を外部委託してるわけで、委託・派遣・下請けなどの仕事は、
よくできても『はい、ごくろうさん』、マイナス要因があれば、『なんだそりゃ、責任取れよ』となるんだろうな。そんな、世の中をウナギのようにニョロニョロ泳いでいかなくちゃならないんだ。オレは上手にできるタイプではないけれど・・・
「わかってます。あの会社の人間はいいですよ。どうでも。課長に真っ先に心配してもらったのがうれしかったから。それだけで十分です」
課長は、オレのほうを向いて
「それでいいのか?」と言う。オレは「いいです」と短く答えた。
課長は、ガクッと首をたれてうつむいた。
前を見ると、赤信号で停止中だった。よかった。走行中でなくて・・・走行中に下を向かれたら・・たぶん・・いやきっと前の車にぶつかるだろうから。
なんとか、無事に家につけそうだ。よかった。
ま、俺に不満があるにしても、何も言われないなら関係ないや、と車外に見える朝の出勤風景など眺めていた。
家に帰るので、近くの駅で降ろしてください と言うと、課長は、いや家まで送っていくと言う。ちょっと、気合が入った言い方だね。課長は、その後 咳き込むように話し始めた。
「ヤマザキ君は悔しくないのか?…あの会社の人間は、自分たちのことしか考えてなくて、ヤマザキ君が、危険な目にあったことを心配もしないんだぞ」
う~ん。それは、会社での報告中にオレもちょっと感じたことだった。夜の警備の労をねぎらうという言葉もなかった。それが、面白くなくて、課長は怒って黙ってたんだ。
「くやしく…はないです。仕事ってこんなもんだと思ってますから。いつでも誰にでも感謝されるってものでもないですよね」
課長は、怒りで興奮してるんだろうか。震える声で言う。
「でもね、あの会社の人間はひどすぎるよ。血も涙もないのかと思ったよ・・・。ヤマザキ君はまだ若いから覚えてて欲しいんだけど、世の中の人がみんなあんなのじゃないからね」
今回の仕事というか、警備業は請負なので、つまり発注者の会社は、仕事を外部委託してるわけで、委託・派遣・下請けなどの仕事は、
よくできても『はい、ごくろうさん』、マイナス要因があれば、『なんだそりゃ、責任取れよ』となるんだろうな。そんな、世の中をウナギのようにニョロニョロ泳いでいかなくちゃならないんだ。オレは上手にできるタイプではないけれど・・・
「わかってます。あの会社の人間はいいですよ。どうでも。課長に真っ先に心配してもらったのがうれしかったから。それだけで十分です」
課長は、オレのほうを向いて
「それでいいのか?」と言う。オレは「いいです」と短く答えた。
課長は、ガクッと首をたれてうつむいた。
前を見ると、赤信号で停止中だった。よかった。走行中でなくて・・・走行中に下を向かれたら・・たぶん・・いやきっと前の車にぶつかるだろうから。
なんとか、無事に家につけそうだ。よかった。
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