仲邑菫さんが、昨年7月に、パンダネット主催の女流アマの大会で優勝した譜です。
仲邑さんの白番です。
実戦図1
この1間トビ、いいですね。碁盤全体を使う打ち方です。
実戦図2
このボウシに感心しました。下辺黒石を、きつく攻めたくなるのが一般的なのですが・・・。
小さく生きてくれれば、中央に白石がきて、全局的によくなるという判断です。
参考図1
LZ(LeelaZero)は、ツメを推奨しています。AIでなくとも、右下白の薄みをカバー
したくなるのが普通です。
実戦図3
1~5の打ち方。とても小学生とは思えない堂々とした打ち方です。私も含めてアマチュアのほとんどは、
3で4と繋いで下辺を白地にして、中央の黒はまだ攻めの楽しみがある、とします。この図が浮かんでも、
選択するかどうかは疑問です。この打ち方は、アマ八段以上のクラスにならないと打てません。
実戦図4
局面は進んで1のボウシ。雰囲気が出てノビノビした手です。
LZは、黒57、左辺の鉄柱が悪い手と判断していました。AIは守りだけの手は評価が低いです。
実戦図5
このノビも碁盤を広く見ています。
参考図2
私なんかだったら、この図を想定して、白の優勢拡大、と勝手読みをします。
参考図3
黒は、上辺は捨てて右上を制止にいきます。確かに白は3子取るだけではでかしていません。
後は、参考図を作っていませんが、白138、打ち込んでのサバキです。134・136の
石を捨て石にすれば、荒らせるとみています。どこまで読めていたかは想像がつきませんが、
ここに石がくる感覚は見事というしかありません。
まとめですが、院生クラスの実力はあるとわかりそうなのですが、この時点では、張栩名人・井山5冠
に先で碁になるかどうかは微妙な感じと私は推測します。もし私の推測が正しければ、この碁が7月、
張栩名人との試験碁が12月なので、半年足らずで1子前後強くなっていることになります。
1子は大げさだと言われるなら、最低限、この間でプロ仕様に垢抜けているのは間違いがありません。
それは恐ろしいくらいの成長スピードです。
入段しても順調に成長していくかどうか、見守っていきましょう。
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