獲得された絶望感(盲人ウエカジ公式ブログ)

~網膜色素変性症と司法試験とモー娘。と・・・~

チャプター5 東横インのインは、INではなくてINNでNがひとつ多いのね~遠征先のホテル選び~

2020-05-26 23:59:28 | 「目が見えなくなったボクが、どうしてハロプロを好きになるのか。」」
チャプター5 東横インのインは、INではなくてINNでNがひとつ多いのね~遠征先のホテル選び~ 

ハロプロコンサート遠征をする場合、遠征先での宿泊場所の確保が大事。目の見えないわたしにとって、宿泊先を探すことが大変。コンサート会場よりも宿泊先ホテルを見つけるのが大変。コンサート会場は、いろいろなブログを検索すると、こうやって行きますよ、最寄り駅はここですよ、バスで行ったほうがいいですよとか情報はたくさん。

でも、ホテルとなると、なかなかそういう行き方ををくわしく書いたブログなどはすくない。いちから、ホテルを探すのは大変。目の見えない私にとってはとっても大変。いいホテルを見つけたとしても、そのホテルにひとりで行くのはもっと大変。

まだわたしの目が見えていた高校生のころ。大学受験のためにひとりで、大阪のホテルに泊まったことがある。受験日の前日に田舎から大阪にでてきて大阪一番の繁華街梅田のホテルで宿泊。

当時、私の目は、視力は1.2ほどあり、視野狭窄もさほど進行していなかった。ただ、夜盲が進行していて、夕方薄暗くなるともうお手上げ。駅からそれほど遠くないのに、変な路地に入ってしまって、そこをぐるぐる歩き回るわたし。夕方ぐらいの明るさでも、私の目ではもう真っ暗と感じる。見えない。

夕方から夜へ、あたりが暗くなっていくと、どんどんホテルを見つけることができなくなっていく私。

もちろん通行人のひとにホテルの場所を聞くのだけども、その道案内が私にはなかなか理解できない。目が見えている人は、何かのランドマークを指差して、あそこの建物をの裏側ですと教えてくれるも、そのランドマークとなる建物がわたしには見えない。ありがとうございましたと一応言って別れるも、またしばらく歩いて人に尋ねる。あたりが暗くなるともう、お手上げ、人に道を聞いても、もうわからない。そして、梅田にはたくさんホテルがあって、通行人の人はそのホテルを知らないことも多い。

だんだん、さらに暗くなってきて、しかもビルの路地に入ってしまったようで、人もいなくなる。不安になる田舎者の高校三年性男子。当時は携帯電話もないし、誰かに助けを呼ぶことも難しい。オフィスビルの裏側のごみ捨て場が置いてあるような路地に迷い込む。

あたりはもうすっかりまっくら。不安に襲われるわたし。自分が今どこにいるのかもわからなくなる。公衆電話を見つけて、警察に相談しようにも、その公衆電話も見つからない。路地にはいりこんだせいで、コンビニも見当たらない。遠くのほうで聞こえる、車が走る音。大通りにまずは出よう。そこで、また人に聞こう。

大通りに出ようと、夜盲の目で一生懸命、該当の灯りをたよえりに、ゆっくり歩く私。ふと、前方を見ると、青白く輝く大きな看板。その看板が、まさかの、私の宿泊するホテルの看板。

助かった。1時間以上ぐるぐるさまよっていた私。ようやく見つけることができた。あたりがすっかり真っ暗になったおかげで、私の目指すべきホテルの看板に灯りがともって、夜盲の私の目でも見つけることができた。薄暗い夕方だと、見つけられなかったホテルの看板なのに、真っ暗になって見つけられた。不思議。見えなくなって見えるものもあるのね。

受験生のわたしが、はじめてのホテルをさがす時にいちばん大事なのは明るいこと。白く輝くホテルの看板がさまよい続けるわたしを導いてくれた。

ホテルに到着して、きれいな大理石みたいな床、フロントがあり、その右側奥にエレベータが何台もある。当時の、田舎の高校生が大学受験のために、ホテルをさがすには、田舎町の小さな旅行代理店にお願いしないといけない。その代理店のお姉さんのいう宇賀ママにホテルを予約する。えきから近いことが優先されて、値段のことなど気にしない。1泊15000えんぐらいのシティホテル。レストランが1階にあって、落ち着いたホテル。

部屋の鍵をもらって、エレベーターで上にあがろうとするわたし。エレベーターのボタンをおそうとするその時、ガシャガシャガッシャーーんと大きなおとがエレベーターホール、フロントに響き渡る。エレベーターボタンの前におかれていた、灰皿スタンド。直径30センチ、高さ1メートルぐらいの鉄製の円柱の灰皿スタンド。いまでは考えられないけども、いたるところにこういった灰皿スタンドが置いてあた

その灰皿スタンドを蹴飛ばして、中身をぶちまけるわたし。その灰皿スタンドのなかには、たばこの火を消すために、水が入ったさらが組み込まれている。それも全部まきちらすわたし。

シティホテルは、おしゃれで、エントランス、フロント、エレベーターホールもなぜか薄暗い。そして、わたしの目の視野は、したのほうから掛けていた。そのため、灰皿スタンドに気づかず、蹴飛ばしたわたし。

まだ、目が見えていたころのわたしでも、こんなにホテルを見つけるのは大変。目が見えなくなったわたしにとっては、さらに大変な遠征先ホテル探し。

目が見えなくなったわたしにとって、ホテル選びのポイントは、駅やバス停から近いこと、そして、安いこと。ただ、安いといってもカプセルホテルのようなところは選ばない。視覚障害者のわたしにとって、カプセルホテルは持ち物の管理が難しく、また他の人の生活音とかが気になる。まだ目が見えていたころ、カプセルホテルに何度かとまったけど、となりのカプゼルでものをたべている音が聞こえたり、いびきとかがよく聞こえてくる。

近くて、安くて、個室であること、これがわたしの遠征先ホテルの必須ポイント。そして、遠征の荷物を減らすためには、下着や服をこまめに洗濯するひつようがる。特に数泊連泊するときは、この3つのホテル選びのポイントに加えて、コインランドリーが使えること。

この4つの条件を満たすのが、東横イン(トウヨコイン)。全国にたくさんあるホテルチェーンの東横イン。

1泊料金は、5000えんから8000えんぐらい。ほとんどの東横インは駅から近い。そしてもちろんシングル個室がたくさんある。ホテルのなかにはシングルがないホテルもあるのね。ツインかダブルしかないホテルは遠征には向かないね。

そして、東横インには、コインランドリーは必ずあり、さらにうれしいことに、朝食無料バイキングもついている。10泊とまると1泊無料宿泊券がもらえるのもうれしいね。あとそうそう、ツインの部屋でも、シングルで宿泊する場合は、ツインを2人で宿泊するよりお値段が安いのもいいね。実に遠征向きなホテル。それが東横イン。ちなみに、このインとは、辞書で引くと、田舎にある小さな旅館という意味なのね。

以下、全盲、視覚障害者にとっての東横インのよいポイントを述べていきたい。

全盲視覚障害者にとっての東横イン(トウヨコイン)の好きなポイント合計4つ。

その1
東横インの公式ホームページからの予約が簡単

最近は昔と違って、旅行代理店でホテルを予約することはほとんどない。今は、ネット予約が主流。ホテル予約サイトはいろいろあるけども、東横インの公式ホーmジュページが一番、視覚障害者にとって使いやすい。全盲の視覚障害者は、パソコンやスマホの画面をアプリでよみみあげさせて、そして何月何日、どこどこのホテルに空室があるか調べてネットで予約する。

他の予約サイトだと、いろいろな宿泊プランがたくさん羅列されていたり、いろいろな情報がどばーっと予約ページに表示されてしまって、視覚障害者はなかなか、希望の部屋タイプなどを見つけられない。

その点、東横インの公式ホームページの予約サイトは、とってもシンプル。実際目が見ている人が見てどうなのかはわからないけども、視覚障害者から見るととってもシンプル、必要な情報しかない。宿泊のしたい都道府県から、その都道府県にある東横インホテルを選んで、何月何日何泊とまりたいと入力する。この入力ができないホテル予約サイトもある。この入力も2020/12/01というふうに日にちを直接入力できるのもいいね。ほかのホテルネット予約だと、カレンダーがべろーーんと表示されて、3か月ぐらいの日にちの中から希望する日を探し出さないといけない。この100以上ある日から選ぶのは視覚障害者はとっても大変。その点東横インは日付の直接入力ができるのがいいね。

シングルの部屋、禁煙の部屋も簡単に選べる。そして空室があれば、そこから予約できる。

クレジットカード支払い、チェックイン予定時間の入力などすべて視覚障害者一人でできる。うれしいのは、キャンセルも簡単にできて、予約一覧画面から、宿泊ホテルを選んで、キャンセルすればよい
とってもシンプル。

ハロプロ遠征先のホテルを予約するには、ハロプロのコンサート日程が発表されてすぐに予約することが必要。視覚障害者はこういった早い者勝ちはとっても苦手、ネットでの予約だとどうしても時間がかかってしまう。でも東横インの予約はとっても簡単なので、全盲視覚障害者でもいち早く予約できる。そこがうれしいね。

あそうそう、東横インの会員(無料)になれば、一般だと3か月前からしか予約ができないけど、会員になるとなんと6か月前から予約できる。これもありがたいね。

ひとつ、東横インの公式ホームページの予約画面で改善してもらいたい点を言うと。空室のありなし。空室があまだあるときは、その日付は丸とかよみあげてくえるけど、空室なしのときは、この表示がなく、空室かどうかわからない。いうなれば、視覚障害者にとっては、空室のある日だけしか表示されないように見える。ぜひ、空室がない日にはバツ印をいれてほしいね。

その2
部屋のレイアウトが同じ

視覚障害者がはじめてのホテルで困るのは、部屋のレイアウト、部屋を入ってどこにカードキーを差し込めばいいのか。どこにハンガーがあって、どこに窓があるのか、どこにコンセントがあるのか、っどこにスイッチがあるのか。それがわからない。でも東横インはどこの東横インもほぼ同じ設備とほぼ同じレイアウト。

どこに、メッシュのスリッパがあるのか、それは入口はいって、何歩か歩いた壁の側面、足元のところにひっかけてある。このメッシュスリッパいいのよね。シャワーをあびたあとでも、スリッパがべちゃべちゃぬるぬるにならないんだよな。ぜひこのメッシュスリッパ売ってほしいくらい。

どこに、机があるのか、それは必ず、ベッドと並行な壁側にある。この机もとっても幅広で、タブレットPCとかおいてキーボードもおいてしっかりブログもかける。ホテルによってはこの机がないあるいはちっちゃい直径20センチぐらいのちっちゃい机しかないところもある。コンセントはその机の壁側にかならず2個はある。そして、机の天板の下には必ず引き出しあるいは引き出しではない場合は物入スペースがあるここに財布とかメガネとかまとめて入れておけるのもいいね。

トイレはユニットバスだけども、必ずウォシュレットがついている。全盲視覚障害者は、自分でちゃんと代弁をふきとれたか、トイレットペーパーを見て確認できない。どうしても、ウォシュレットが必要。精神衛生上必要。

フェイスタオルとバスタオルは、そのトイレの便座のすぐよこの壁の天井のところの棚にかけてある。

そして、視覚障害者がホテルで一番こまるのは、ボディソープとシャンプー、こんでぃしょなーの判別。同じようなボトルに入っていてどれがどれだかわからない。ただ、東横インにはこのボトルの法則がある。

ユニットバスのバスタブのシャワーフックの下にの壁に3つのボトルが壁にくっつけられている。3つのボトル。手触りではどれがどれだかわからない。だけど、私にはわかる。ボディソープと、シャンプー、コンディショナーの3つの区別のしかた。

まず、ボディソープ。これは、実はハンドソープの役目も果たしている。ということで、このボディソープのすぐ隣が洗面台になっている。これは法則。洗面台で手を洗う時に、すぐ隣にハンドソープのかわりにもなるボディソープのボトルが必ずある。洗面台とボディソープはワンセットと覚えておけばよい。

そして、そのボディソープの隣、3つある真ん中のボトルはコンディショナー、そして一番反対側がシャンプーと決まっている。基準はボディソープ。この並びは、私の自宅でも同じ並びにしている。コンディショナーはないので、ボデイソープとシャンプーは東横インの法則にしたがって並べている。この気息性はとっても視覚障害者にとってありがたいね。

なお、ほかのホテルだと、私はシャンプーに輪ゴムをくくりつけたりもしていたけど、シャンプとボディソープを私は、左がボディソープ、右がシャンプーと決めているので、、その並びに置き換えることが多いね。

設備でうれしいのは、ハンガーが3つあること、これも便利。

もちろん、部屋では無料のWi-Fiファイファイも使えるのもうれしいね。

それと、これは共同利用だけども、フロントの横らへんに、必ずコインランドリーがあるのもいいね。コインランドリーは早朝はすいていて、フロントのスタッフも手がすいているので、その時間帯に一緒に、コインランドリーの操作方法をおしえてもらう。ついでに乾燥機の使い方、どこにコインをいれるか、100円で何分かおしえてもらう。不思議なことに、東横インに破格ホテルによって100円10分のところもあれば、100円30分のところもある。これが不思議。

ひとつ改善点というか視覚障害者にとっては必要のないものについて言うと、あの机の3分の1以上をしめている大型液晶テレビはいらないね。あれがなかったらもっと机の上を有効活用できる。私は東横インにとまって一度もあの大型テレビで番組を見たことはない。
あと法則といえば、カーテン。東横インの客室にはいると、その客室の窓のカーテンは必ず開いている。正確には、レースのぺらぺらのカーテンだけで窓を隠している。これが視覚障害者は気になる。向こうのビルから私の部屋はまる見えじゃないの?レースのカーテンって丸見えじゃないの?目の見える人なら、このレースカーテンなら、まぶしい朝の太陽の光がレースカーテンごしに差し込んでくるのだろうけど、全盲の私にはそのまぶしい光はとどかない。私は必ず、レースのカーテンだけでなく、遮光カーテンも必ずきっちり閉める。これ大事。

その3
無料朝食バイキング

東横インは、1泊5000円から8000絵円ぐらいの宿泊料の中に、無料朝食バイキングもふくまれている。これが結構おいしいね。昔、私がまだ弱視だったころ、このバイキングといううものは苦手、というかさけてきた。目が悪いと、一人で皿をもって、、料理を取り分けて、そして自分のテーブルにもどって食べる。この動作ができない。人ごみの中をかきわけて、あるいは、人ごみの流れにしたがって、料理を順番にとっていくことができない。視野狭窄の弱視のころは、ホテルにとまってもこのバイキングは利用しなかった私。ホテルやほかのお客に迷惑をかける可能性大だな、お皿をひっくりかえす可能性大だな。やめとこう。

こういった、列にならんで、すこしずつ進むということができない。マクドナルドも大好きだったけど、レジ前の列に並べなくなって、、前の並んでいる客に突進することとかあって、それ以来、列ならびから逃げていた私。当然、東横インの朝食バイキングも回避。実にもったいないね。

でもある日、私がまだ弱視だったころ、全盲の人に手引きされて、京都河原町駅の改札を捜し歩いたことがあった。普通なら弱視の私が、道案内すべきだけども、その全盲の人がここはまかせてくださいと言うので、私がその人の両肩をうしろからもって、電車でゴーの形でついていく。

改札のほうまで、点字ブロックにしたがってあるく。そして改札の音が聞こえてきたら、すいませーんと大きな声で、でもやさしい声で、駅員さんにお願いする。駅員さんからは遠くて、別の通行人がその声にはんのうしてくれた。その通行人の人にお願いして、駅員さんのいる改札までつれていってもらった私たち。

そうか、お願いすればいいんだ。声をあげればいいんだと、はじめて知った私。これはコペルニクス的大転換だった。そして無事電車にのれた後、マクドナルドの列にならぶことができなくなったので、もうマクドナルドはずいぶん行ってませんというと、そんなとき私は、入口入ったら、すこし大きな声で、レジのほうにむかって、すいませーん。視覚障害者なんですけども、レジあいてますか?と私は言っていますよ。ひとりでよくマクド行きますよとの答え。
そうか、お願いすればいいのね声をあげればいいのね。。このお願いすることを知ってから、私は、東横インの朝食バイキングもお願いすることにした。チェックインの時に、フロントスタッフに明日バイキングたべたいんです。バイキング開始時間すこし前にきますので、配膳をおねがいしたいのですとお願いすると。

わかりました、朝食担当者は別なので、そのスタッフに伝えておきますとすんなり答えてくれる。

翌朝、浅井一番、7時からのバイキングスタート。私は10分ぐらい前に行って、テーブル席に案内してもらってそこで待つことにしている。そして7時になると、朝食スタッフが私のために、おかずをとりわけて、あったかいごはん、あったかい味噌汁、そして、オレンジジュースかホットコーヒーをもってきてくれる。

私は、全種類のおかずをちょっとずつたべたいです。サラダにはドレッシングはいりません。ウインナーは大目にしてくださいとおお願いする。

うれしいね。ごはんをおかわりしたいときも、ハロプロコンサートで推しメンの名前をコンサート会場で大声で叫ぶときの10分の1ぐらいの声で、ごはんおかわりおねがいしまーすというと、はーいと声がかえってくる。うれしいね。

東横インの朝食バイキングがうれしいのは、そのご当地の食材がすこしでてくる。福岡なら辛子明太子がでてくる、山梨だとほうとう味噌汁がでてくる。特に福岡の博多の辛子明太子はほんとおいしいね。ごはん3杯ぐらい食べれるね。

たった一言、すいません!私は視覚障害者なので、バイキングを取り分けてもらえませんか?たったその一言が言えるかどうか、たったこの一言で、あつあつのお味噌汁、あったかいごはん、そして、ぴりからの辛子明太子がいくらでも食べらられる。どうして、たった一言が私には言えなかったのか、今ではとっても不思議。全盲でも、弱視でも、スタッフからみれば、同じ目の悪い人、弱視のころのほうが、動きや歩き方が不自然なのにね。弱視だと、私が目が悪いってことは見破られてないって視覚障害者本人は思っているけど、思いたいけど、十分、動きがおかしいですからね。おなじ変なら、お願いしないのは損なのにね。

その4
点字ブロックと点字シール

東横インを私がはじめて知ったのはずいぶん昔のニュース。まだ私が東横インを使ったことも、名前も聞いたことがなかったころ。ニュースで、東横インの社長が謝罪会見をしていて、その記者会見の態度が横柄だといろいろたたかれていたような記憶。たしか、バリアフリー客室を勝手に改造して駐車場とかに転用していたということだった。

そのことがあってからか、、東横インは視覚障害者にとってやさしい。まずホテルの入口まで、歩道から点字ブロックがのびている。正確には、歩道の上は東横インは勝手に点字ブロックを敷設できないので、歩道と東横インの敷地のその敷地部分から点字ブロックがホテル入口まで敷設されている。これはうれしいね。ホテルの入口ってなぜか奥まったところにあったり、間口が小さかったりする。そんなときにこの点字ブロックを見つけるとうれしくなるね。

あと、エレベーターのボタンの点字シールと音声案内。東横インはだいたいひとつのホテルに2基のエレベーターがある。そのどちらかは、必ず音声案内があって階数ボタンには点字シールがはりつけてある。これがほんとありがたい。

よく、目の見える人は、点字をボタンにつけとけば、それで十分だろうと思うけどそうではない。点字がボタンにうってあっても、フロアに到着して、エレベーターの扉が開いて、はたしてそこが私の部屋がある12階だとはかぎらない。その途中に、人がのってくるかもしれないし、だれものってこなくても、エレベーターが私の部屋のフロアにとまったとは限らない。必ず音声案内が必要。12階に到着しました。扉が開きます。この音声案内があるのがうれしい。

改善点を言うと、点字をうってほしいところが2つある。まずは部屋番号の数字をぜひ、ドアにうってほしいね。たしか、数字についていえば、おそらく点字は、数字は全世界共通、すくなくとも、日本語と英語の数字は点字でも共通。ぜひ、ドアの表面に、1201とドアノブのすこし上ぐらいのところにうってほしいね。

あとは、ワイファイのパスワード。客室内で使える無料ワイファイのパスワードの数字8ケタをぜひ、客室のあのでっかい液晶テレビのどこかはしっこにでも貼り付けてほしいね。目の見える人は、まず東横インの部屋にはいると、この液晶テレビの電源をオンにして、そこに表示される、この部屋のワイファイパスワードを見て、自分のスマホに登録する。この2つの数字をぜひ点字でうってほしいね。そうすれば、私はフロントスタッフに部屋まで案内してもらわないですむ。本来東横インは客を客室までは案しないことになっている。それは、東横インのスタッフのほとんどが女性であり、また数少ないスタッフで客対応をしているため。ぜひ点字をうってほしいね。

と言いつつ、点字がなくても、だれか私の目のかわりになってくれて、ドアの数字と、パスワードを読み上げてくれればいい。そんな便利な無料アプリもすでにある。私の目になって!!。BE MY EYES(ビーマイアイズ)というアプリ。全世界の見ず知らずのボランティアさんにスマホを通じて私のスマホが見ている映像を読み上げてもらえるアプリ。そんなボランティアさんと視覚障害者を結び付けてくれる無料アプリがある。これを使えば、東横インのスタッフに一切手助けを借りることなく宿泊できるね。だれかのひとりに大きな負担をかけるより、たくさんの人にちょっとずつわずか数分間、私の目になってもらうほうが負担が少ないね。ビーマイアイズを知っていれば、あの時、あの名古屋の東横インで、私は意地を張る必要はなかったのにね。

こちらでは、お客様をお部屋まで案内するサービスは行っておりません。申し訳ございません。お客様は目が不自由なのですね。うーーん・・・。では、仕方ありません。今回だけですよ。特別ですよ。少々そこでお待ちください。

私は、このフロントスタッフの言葉に、どうして、傷ついて、くゃしくて、腹を立ててしまったのだろう。視覚障害者って実に繊細。大の大人でも、生まれたての泣いている赤子のように、泣きじゃくって、フロント前でヤダヤダヤダーって言えたらどんなによかっただろう?


視覚障害者って繊細 ありがたい感謝の気持ちを忘れちゃいけない。 - 獲得された絶望感2019年10月28日はこちら

東横インに何回泊まっただろう何回キスしただろう - 獲得された絶望感2019年5月19日はこちら

モーニング娘。 『みかん』 (MV)

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チャプター4 大空へと羽ばたくまで ~遠征手段としての飛行機~

2020-05-05 23:59:33 | 「目が見えなくなったボクが、どうしてハロプロを好きになるのか。」」
チャプター4 大空へと羽ばたくまで ~遠征の交通手段としての飛行機~

ここまで、遠征の交通手段としては、バス最強説を唱えてきた私。大阪から四国や名古屋はほんとに高速バスが一番いい。障碍者割引を利用しての高速バス。これが最も経済的な交通手段。

だけど、ハロプロは日本全国どこでもコンサートを行う。北は北海道から南は沖縄まで。さすがに、大阪から、バスのみで北海道や沖縄にはいけない。

沖縄は海をわたらないといけないので、もちろんバスは無理だし、北海道は青函トンネルをとおれば高速バスでも行けそうだけど、実は、青函トンネルは車は通行できない。よって、北海道へも高速バスではいくことができない。

そこで考えられるのが、飛行機。飛行機なら、海もトンネルも関係ない。飛行場があれば大丈夫。沖縄にも、北海道にも飛行機が飛んでいるのはしっている私。でも、私の頭の中に、遠征手段としての飛行機というのはまったくない。

田舎育ちの私。はじめて飛行機に乗ったのは30念以上前、飛行機とは、高級な乗り物で、一般庶民がのるべきものではない。大学受験のためとか、親がなくなったとか、そういったやんごとなき事情があってのるものだという認識。今でもきっとこういう認識の人は多いとおもう。

それは航空運賃の通常料金から見てもそのことはうなづける。

例えば、大阪、伊丹空港から札幌新千歳空港までANA全日空の通常料金はなんと、45000円もする。片道でこの値段。単純計算で往復で9蔓延もする。沖縄も同じく、片道38000円もする。

いくら、私の喜びは、活動能力を増大させることとはいえ、ここれほどまでの高額なお金を払って大阪から札幌や沖縄までいくことはしない。

ということで、私の遠征する範囲というのは、関西、名古屋、中国四国、そして足をのばして福岡、東京、神奈川の関東どまり。飛行機は使わず、高速バスと新幹線を使っての遠征どまり。

ずっとそうだったけども、ある日、ハロプロのコンサート現場で、おもわぬ情報を聞いた。昼公演と夜公園の合間に、声をかけてくれたJuice=Juiceファンの人とおしゃべり。コペルニクス的大転換だった。

今度Juice=Juiceが初めて沖縄でコンサートをやるけども行きますか?そう尋ねられて、いやいや、さすがに大阪から沖縄にはいけませんよ。だって飛行機代とか何万円もしますから。障碍者割引をつかっても、飛行機は3割引きぐらいしかならないんですよ。そう答える私。

そうしたら、予想外の返答。

そうでもないですよ、LCCを使えば、大阪からでも9000円ぐらいでいけますよ。

耳を疑った私。LCCというのは聞いたことがあった。格安航空会社のことをLCCと言う。これはローコストキャリアの意味。全日空とかJALとかはこれに対してフルコストキャリアというらしい。

LCCとしては、関西では関西国際空港、関空を拠点のピーチ航空という飛行機会社が有名。

ピーチという名前は知っていた、ただ、開業当初から格安だけども、その飛行機チケットの予約が難しい、ネットでしか受け付けはしていないとか、ネットでの予約に限り格安にするとか、それでコストを削減しているというニュースを聞いたことがあった。なんかチェックインカウンターもパソコンと液晶画面とダンボールでスタッフが手作りしているとも聞いた。

その時点で、障碍者は手をだしてはいけない交通手段だと思っていた。おそらく、コスト削減のため、障碍者の手引きサービス、アテンドとかもしてくれないんだろうな。ほったらかしなんだろうな。こりゃだめだ。

そこから、私の頭の中には、LCCも含めて飛行機という選択肢はなくなった。

視覚障害者は情報障碍者。目の見える人なら、街をあるいて目に飛び込んでくる広告や看板、人の服装、、商品などの情報が入ってこない。はやりとか、新しいサービスとかが入ってこない。

視覚障害者はほとんどテレビはみない。私も見るのは、NHKの朝ドラとバリバラ、それとハロプロのテレビ東京の深夜番組ぐらい。テレビコマーシャルとかがまったく入ってこない。

私がイメージするワイシャツとはその名前のとおり、ホワイトシャツ。サラリーマンは真っ白なワイシャツを着て、ネクタイをしめて、スーツを着て出社しているものとずっと思っていた。でも、ここ最近は、真っ白なシャツを着ている人は少ないよう。デザインシャツというのか、ほんのり色がついていたり、ほんのりストライイプがついているシャツを着て、そしてネクタイをしめているよう。知らなかった。

ある日、職場の中年女性から、いつも白いシャツを着ていますけど、もっとおシャレに気を使ったらどうですか?全然イメージが違いますよ。そういわれてすぐに、その週末ガイドヘルパーさんと、梅田の駅前第3ビルの紳士服のはるやまにシャツを買いにいった私。

職場の昼休み、視覚障害者だと外食もなかなかしづらいよ。それに外食はお金が高くつくしねというと、サイゼいいですよと今度は若い女性。私はこどものころから家族でサイゼにつれていってもらうのが楽しみでした。安くておすすめですよとのこと。

あれ?サイゼてそんなにリーゾナブルなレストランなの?と私。

サイゼとはサイセリヤの略。たしかに、私がまだ目がみえていたころ、家の近所にそういうファミリーレストランみたいなものがあった、でもその看板には、イタリアンワイン、カフェレストランとおしゃれなことが書いてあった。私はお酒ものまないし、カフェレストランというようなおしゃれな高級なお店には縁遠いな。それで私の頭からはサイゼリヤは消えてしまった。

でもよくよく聞いてみると、辛みチキンというのが299円で食べれるし、ピザもドリアもパスタも299円で食べれますよとのこと。おすすめは辛みチキンとペペロンチーノえすと教えてもらった。

これにはびっくり。さっそく、その週末、ガイドヘルパーさんと一緒に、家の近所のサイゼリヤにはじめて言った私。その時はじめてペペロンチーノとういのを食べて、そのおいしさを知った。そして、その時、看板で、平日は500円日替わりランチもしていますよとガイドヘルパーさんが教えてくれたので、会社が休みの平日に、今度はひとりでいってみた。日替わりスープと、生野菜サラダ(今はゆで野菜になっているけど、当時は生野菜だった)、、それにライス、ハンバーグもしくはから揚げチキンのセットで500円。30円プラスすればごはん大森にできて、さらに110円プラスすればドリンクバーもつく。640円で、ランチができて、食後のコーヒーまでのめる。これにもびっくり。

目の見えない私には、テレビよりも、チラシよりも、街の看板よりも、一番影響力があるのは口コミ情報。身近な人が教えてくれる、私にとっていいだろうと思って教えてくれる情報、これが一番大事。

もし、あの時、色のついたデザインシャツを教えてくれなければ、もしあの時、辛みチキンをおしえてくれなければ、私はいまだに白いシャツを着て、毎日麻婆豆腐を食べていたことでしょう。そう考えると、情報って、ほんと大事だね。

ハロプロコンサートの昼公演と夜公園のほんのわずかな時間での立ち話、オタトークのおかげで、私は大阪から沖縄まで9000円で行けることを知った。もし、この時の会話がなかったら、私は沖縄にも、北海道にも、仙台にも、宮崎にも、かごしまにも、そのあと行くことはなかっただろう。

宮本佳林をエースとするハロプロの5人グループ、Juice=Juiceが1年4か月をかけて、日本全国まわるライブツアー。その千秋楽公演、225公演目が沖縄で行われる。前人未到のライブ数のこのツアー。このライブツアー公演数は、過去にも未来にも、どんなアイドルもだれも達成できないと思う。

そんな貴重な、沖縄でのライブ。行けることなら行きたい。大阪から沖縄まで9000円と聞いて、可能性がてきた。大阪から沖縄へと続く可能性の道が見えてきた。おもわぬ情報をえて、いうなれば、風が吹いてきた、風がふけば大空へと羽ばたくほかない。

家に帰って、さっそくパソコンでピーちの公式サイとから申し込もうとするも、当時はピーチの公式サイトは視覚障害者ではうまく、日付入力とかができなくて、申し込めなかった。やっぱりそうだよな。視覚障害者ひとりじゃチケット申し込むの無理だよな。ヘルパーさんが来た時に一緒にパソコンを操作してもらおう。

でもまてよ、亜iPhoneならどうかな。パソコンがだめならiPhoneでネットに接続して、そこのピーチ公式サイトから申し込めないかな。

私は、3台も携帯を持っている。目の見えない私が3大も持つ必要はないとおもわれるけども、必要がある。

ひとつは、ガラケー、らくらくホン7。昔ながらの折り畳み型のガラケー。これは視覚障害者のために携帯画面をオン背でよみあげてくれる携帯電話。これで時間や、スケジュール、メールを確認し、Juice=Juice宮本佳林ブログへのコメントを毎日おこなっている。視覚障害者は、手帳にスケジュールを書き込めないので、このらくらくホン7にスケジュールを打ち込んで、スケジュール管理。これで、ハロプロコンサート日程も管理している。

2代目は、ソニーのエクスペリアというアンドロイド携帯。ラジコというインターネットラジオ配信アプリhはガラケーでは使えないので、スマホを購入。ラジコをタイマー録音いして、1.5倍速でいつもラジオを聴いている。なぜソニーにしたかというと、Juice=Juiceの宮本佳林が、ソニーのエクスペリアをずっと愛用しているため。どうせ買うならエクスペリアでしょ。

そして、3代目はiPhone。なぜこれを買ったかというと。これもハロプロきっかけ。ハロプロの有料モバイルサイト、ハロモバがガラケーでは見れなくなるため。そこで、ドコモに行ってiPhoneを契約。一番安い、一番小さいiPhoneSEを契約。

そのiPhoneならピーチ航空のサイトでも申し込みできるんじゃないか。予想通り、なんとか時間はかかったものの申し込みができた。

Juice=Juiceの沖縄ライブのあるその当日、2016年10月29日土曜日、午前10時30分 関西空港出発で、12時40分に那覇空港に到着。このピーチのチケットがカード支払い手数料なども込みで6440円で買えた。大阪から沖縄までこの金額でいけるとは衝撃的だね。

購入したのは3か月前の7月31日。この値段なのは、購入時期が早いこと、あとキャンセルができない、別のフライト変更もできないという制限がある。あとスーツケースとかを預けるには別料金がいる。機内に手荷物としてならリュックとかを2個までもちこめる。私はりゅっくひとつでどこへだっていくのでそれで充分。

LCCすごいな、すごいなと思っていたら、後日また、口こみ情報。ハロプロファンの人から教えてもらった。

LCCだけでなく、全日空とかJALでも出発日から75日前なら、航空チケットはかなり安いですよとのこと。

沖縄からの帰りのチケットをためしに、全日空でさがしてみたら、10月30日(日曜日)、11時45分、那覇空港発、13時40分大阪伊丹空港着で、全ニックでなんと9400円だった。これまたびっくり。全日空でもこんなに安いのね。

大阪沖縄往復で、15000円ぐらい。新大阪から東京まで新幹線の指定席は障碍者割引なしだとだいたい15000円。大阪東京の片道料金で大阪沖縄が往復できるなんて信じられないけど、それが現実。

すごい時代になった。飛行機の料金がぐんとさがったことで、遠征というものがぐんとしやすくなったのね。

ハロプロのコンサート日程は、だいたい3か月ぐらい前に発表される。すると、遠征オタクはまず、その遠征先のホテルを予約する。東横インだと6か月前から予約できて、予約キャンセルは直前まで無料でキャンセルできるので、とりあえずホテルを確保する。そして、75日前であれば、こちらもまた急いで飛行機の手配。遠征オタクのすごいところは、まだチケットが確保できていない状態で、遠征先ホテル、遠征手段を確保する点。それが、最も経済的な遠征をするための秘訣。

はやく情報を入手して、はやく行動にうつさないといけない。視覚障害者にとって一番苦手なこと。でも、今はネットがあるので、視覚障害者でも目の見える人とタイムラグなくその情報を入手できる、そして視覚障害者ひとりでネットを使ってホテルも飛行機チケットも予約できる。視覚障害者でもやればできる。そんなことを、ハロプロは教えてくれた。

ハロプロは、Juice=Juiceは、宮本佳林は、どんどん私の活動能力を増大させてくれる、どんどんひとりでできることを増やしてくれる。どんどん生きる喜びが増えていく。

視覚障害者でも風が吹けば、すぐに大空へとはばたいていけばいい。そうすれば、視覚障害者だって、青空がいつまでも続くような未来へ羽ばたくことができる。それを教えてくれたのがまさにハロプロ。

おすすめの遠征飛行機路線

大阪・関西空港から東京・成田空港 片道 ジェットスター  4780円 2019年6月17日(月曜日) Juice=Juice宮崎由加卒業コンサート(日本武道館)
大阪・関西空港から福岡空港 片道 ピーチ 5240円 2019年2月2日(土曜日) Juice=Juiceミニライブ握手会(博多キャナルシティ)  、翌日2月3日(日曜日 ハロコン(福岡市民会館))
大阪・関西空港から札幌・新千歳空港 往復 ピーチ 15730円 2017年2月5日(日曜日) Juice=Juice小樽ライブ 帰りは翌日2月6日(月曜日)
大阪・関西空港から仙台空港 往復 ピーチ 12170円 2019年10月6日(日曜日) つばきファクトリー仙台ライブ 日帰り
大阪・関西空港から宮崎空港 片道 ピーチ 5240円 2018年3月2日(金曜日) 翌日3月3日Juice=Juice宮崎ライブ
大阪・関西空港から沖縄・那覇空港 片道 ピーチ 6440円 2016年10月29日(土曜日)Juice=Juice沖縄ライブ
LCCは平日だとかなり安いね。

おすすめの楽曲

青空がいつまでも続くような未来であれ

青空がいつまでも続くような未来であれ!(2007 LIVE)

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チャプター3 バスがくるまで ~コンサート遠征に最も適した交通手段を考える~

2020-05-04 23:35:24 | 「目が見えなくなったボクが、どうしてハロプロを好きになるのか。」」
チャプター3  バスがくるまで~コンサート遠征に最も適した交通手段を考える~

哲学者スピノザによれば、人の喜び、幸せとは活動能力を増大させること。

いろいろ解釈はあると思うが、私は、活動能力とは、ひとりで遠くに行けることだと思う。小学生は、わずか半径300メートルぐらいのところで、すべての生活が完結している。でも、いつのころからか、それでは満足ができなくなる、トンネルのその先には何があるのか、橋の向こうにはどんなところか、この国道をひたすらまっすぐ行けばどこへ行くのか、考えて夜も眠れない。そして、子供たちは、黄色い自転車にのり、サンドイッチなんかつくって、冒険をする。実にワクワク、幸せな感情。大人になるにつれて、どんどん活動能力が増大していく。

だけど、目がみえなくなると、いちからのやりなおし。目が見えなくなると、半径300メートルどころか、半径3メートルの世界に、活動能力が減退する。そして、そこからなかなかでてこれない。視覚障害者になって、目がみえなくなって、何年も家に閉じこもるという人も少なくない。

何年もたって、やっと、白杖の歩行訓練を受けるという人も多い。白杖の歩行訓練を受けて、ひとりで家の周りをもう一度散歩できるようになり、近所の自販機でビールを買えるようになり、最寄りのバス停まで行けるようになり、そして最寄り駅、それから図書館や福祉施設などにひとりでいけるようなる。活動能力の増大。ワクワクする達成感。やればできるじゃん。

多くの視覚障害者はここで、満足。活動能力の増大をここでとめてしまう。でも、私はそれでは満足しない。

繁華街の大型書店、CDショップ、映画館、ショッピングモール、ライブハウス、コンサートホール、に行かねばならない。目が見えなくなったぐらいで、やめるわけにはいかない。

大阪で言うなら、紀伊国屋書店、HMV、タワーレコード、TOHOシネマズ梅田、神戸ハーバーランド、西宮ガーデン、ゼップなんば、NHK大阪ホール、オリックス劇場、大阪城ホール、
東京で言うなら、新星堂、サンシャイン噴水広場、東京ドームシティラクーア、ゼップ東京、中野サンプラザ、日本武道館

私はいかねばならない。なぜなら、そこにハロプロがあるから。本屋での写真集サイン会、CDショップでのインストアイベント、映画館でのコンサート生中継上映会(ライブビューイングという)、ショッピングモールでのCD販売促進ミニライブ握手会、そしてコンサート。私はいかねばならない。ワクワクがとまらない。活動能力の増大。

それはもちろん一人で行かねばならない。障害福祉サービスの同行援護という制度を使ってガイドヘルパーさんに1割負担で外出支援をしてもらうことは可能だけども、月たったの50時間しか利用できないので、遠征ではその制度は利用できない。ガイドヘルパーさんなしで、白杖1本、どこへでも行かねばならない。

そして、現在私は白杖一本、単独で日本全国38都道府県に行くことができた。ハロプロのコンサート、Juice=Juiceのライブ、宮本佳林のソロコンサートに行くために。全国制覇ももうすぐそこ。目の見えない私の活動能力をここまで増大させた、ハロプロ、Juice=Juice、そして宮本佳林っていうのはやはりすごいね。

コンサートやイベントのため遠くまで行くこと、これをアイドルファンの間では遠征という。遠征とはあくまで手段であるのだけども、視覚障害者にとっては、その遠征そのものが活動能力を増大させてくれるもの、つまり喜び、幸せでもある。

では、ここで、目が見えなくなった私の遠征でよく使う交通手段、最も最適な交通手段は何かかんがえていこう。

私は大阪在住なので、名古屋までの遠征の交通手段についてまずは考えたい。

大阪から名古屋までだと、一般的に、4つの方法が考えられる。JR新幹線、JR在来線、近鉄電車、高速バス

JRで新幹線をつかうと、大阪から名古屋まで自由席で、6000円
近鉄電車だと、大阪難波から近鉄名古屋まで、特急指定席で4300円
JRで在来線だけで行くと 3400円
高速バスだとJR大阪駅からJR名古屋駅まで3000円
この料金の違いは、所要時間の差でもある。新幹線を使うと約1時間だけど、近鉄電車だと約2時間、JR在来線だと2時間45分、高速バスなら3時間となる。

遠征にはお金がかかる。ライブチケットが1公演6000円ぐらいするので、そのライブを見に行くために、安くても往復6000円かかってしまう。新幹線で往復するとなると、チケットの倍以上のお金を払わないといけない。6000円のライブをみるために、さらに12000円はらわないといけない。つまり、遠征オタクにとっては、そのライブは6000円のライブではなく、18000円のライブということになる。その値段にふさわしいと思えるからこそ、遠征オタクは遠征をする。その魅力がハロプロにはある。

でも、ちょっと冷静に考えると、なんか損した気分。6000円でいいのに、なぜ私は3倍の料金を払わないといけないの。なんか不平等。

そこで、遠征オタクはこう考える。普通なら、そんなに交通費がかかるのなら、やめておこう、地元にハロプロが来てくれた時に行けばいいやとなるのだけども、遠征オタクはそうは考えない。交通費が12000円かかるのなら、1日2公演のコンサート、昼公演と夜公園2公演にはいればいいいじゃないか。そうすれば、1公演あたりの費用は18000円から、12000円と安くなるじゃないか。ということで、多くの遠征オタクは、帰りの交通手段がなくなる場合をのぞいて、昼夜2公演はいる。

もっと言えば、2日連続、土日それぞれ2公演のコンサートがあるのならば、4000円ぐらいの格安ホテル、カプセルホテルに1泊して、翌日の昼夜コンサートも見れば、1公演あたりの単価は1蔓延にまで下がる。そうだ、1泊して明日の2公演も見ようとなる。なんか笑い話のようでもある。費用を抑えようとして、結果的に、倍以上のお金を払うことになる。これは遠征オタクあるある。

さらに言うと、そのコンサートは昼夜、セットリスト(コンサートで披露される楽曲)はまったく同じ、つまり同じコンサートを見るために1泊して、4公演同じコンサートを見る。ここまでくると、もう一般人の人には理解できないと思う。

でも、そこに価値を見出すのが遠征オタクのすごいところ。遠征オタクは、まったく同じセットリストのコンサートであっても、その違いをみつける。それは、座席位置が違うことによる見え方音の聞こえ方だったり、客層であったり、客の盛り上がりだったり、コンサート中のMCトークであったり、もっというと、メンバーの汗の書き具合、声の張り、などで違いを見つける。遠征オタクにとっては、まったく同じ内容のコンサートというものは存在しない。そして、遠征オタク独特の経済原理がここに加わる。遠征オタク独特の審美眼ととでもいうべき価値基準と経済原理。実におもしろい。

ここまでは、コンサートチケットが買おうと思えば買える場合の話。もし1公演だけしかチケットがとれなかったとかで、大阪名古屋を日帰り遠征する場合、遠征オタクの価値基準と経済原理からしても、やはり、選ばれるのは、一番安い高速バス往復6000円。

もっとも、車の運転できる遠征オタクでありかつ、遠征オタク友達(オタトモと言う)が複数人いるのならば、一番安いのは、だれかの車で4人の遠征オタクが同乗して名古屋にいくことだと思う。ガソリン代と高速代を4人でわけるので、遠征費用はもっと安くなると思われる。

ここまでは、目の見える遠征オタクの話。では、目が見えなくなった私はどうだろうか。

基本的に、私は協調性のない人間なので、コンサート会場で知り合いの人とたむろするということがあまりない。いわゆる、一人オタ。コンサート会場まで一人で行って、だれともオタクトークうぃおすることなく、一人で帰ってくるという遠征スタイル。

そんな一人オタクであり、目の見えない私が選ぶのは、片道1500円、往復3000円の高速バス。

本来、片道3000円、往復6000円の高速バス。障碍者手帳をみせれば、障碍者割引が適用されて、半額になる。これはありがたい。

目がみえなくなって、うれしいことが3つある。ひとつは、パチンコやマージャンなどのかけ事ができなくなったこと、ふたつめは、目立てることそして3つ目は、障碍者割引を受けられるということ。

活動能力の増大、それが半分の費用ですむ、逆に言えば、同じ費用で倍の距離までいいけるということ。これはうれしいね。喜びだね。

半額になるのなら、所要時間が短い新幹線や近鉄電車を使ってみようかなともおもうけど、ここに落とし穴がある。新幹線や近鉄特急は、はんがくにはならない。

大阪名古屋までの新刊セなら自由席で6000円のところ、4300円にしかならない。近鉄電車の特急は、4300円が3000しかならない。はんがくにはならない。高速バスは半額になるのに、新幹線や近鉄特急はならない。

このように、高速バスの割引率が一番いいのは、新幹線や近鉄特急だと、障碍者割引が適用されるのは、乗車券の料金のみで、特急料金の割引はなし。そのため、半額にはならない。一方、高速バスは、特急料金という概念がないので、障碍者だとそのまま半額になる。遠征障害者オタクにとって、高速バスほどありがたい乗り物はない。

これは夜行高速バスや空港リムジンバスについてもいえることで、大阪東京間の夜行バスは、3列独立シートで9000円のところ、障碍者だとその半額の4500円。成田空港から新宿までの空港リムジンバスは通常1000円のところ500円になる。

私はよく東京から大阪まで夜行高速バスを使う。東京九段下の日本武道館でハロプロのコンサート夜公園を見て、翌日仕事のため大阪に朝早くもどらないといけない場合夜行バスを使う。。

新幹線の東京駅発新大阪行きの終電は、21時24分。日本武道館でのコンサートは21時ぐらいまであるので、そこから急いで東京駅にいくには、視覚障害者の私には難しい。

そこで頼りになるのが、夜行高速バス、新宿駅に併設されているバスタ新自クという高速バスターミナルから22時40分発の大阪行きの夜行バスに乗れば、翌朝6時45分には、昔ハロプロもよく屋外ミニライブをやった千里セルシー広場のあった大阪の千里中央駅に到着する。朝早く大阪に到着するので、その日の仕事にも遅刻せずにいけるのがいいね。

ただ、高速バス、特に夜行バスは体がつかれる。夜行バスでは熟睡はできないね。

あと、高速バスは、到着時間が遅れることがある。大阪から名古屋まで高速バスを使って、名古屋の映画館ミッドランドスクエアシネマ2で行われたJuice=Juice宮崎由加と高木紗友希のバースデーライブに行ったけど。高速バスが渋滞で遅延して、ライブのはじめの部分が見れなかった、また、東京お台場のゼップ東京で行われたJuice=Juice宮本佳林のソロライブツアーの初日を見て、夜行バスで大阪へ。台風の影響で高速道路が通行止め、それで千里中央駅に到着するのが30分遅れたことがある。あやうく会社を遅刻しそうになった。

それと、夜行バスだと早くバスターミナルに到着したところで、1本前のバスに乗り換えるということが難しいので、出発まで1時間待たないといけないことがよくある。そんな時どうやって時間をつぶそうか。視覚障害者が遠征をしてこまるのは、急にトイレにいきたくなったときのトイレ探しと、空いた時間の時間つぶし。この2つは視覚障害者が苦手なこと。視覚障害者あるある。

バスがくるまで、安倍なつみ演じる安倍かわもち君がコントを見せてくれればいいのだけどなぁ。


おすすめ遠征高速バス路線 (金額は 片道障碍者料金)

大阪ー名古屋 3時間 1500円
大阪ー高松 3時間40分 2050円 
大阪ー徳島 2時間45分 1300円
神戸ー岡山 2時間35分 1450円  
神戸ー高知 4時間 2880円 
福岡ー神戸 夜行バス(3列独立シート) 4130円 20時50分 発 - 5時50分 着  
高知ー大阪 夜行バス(3列独立シート) 22時38分 発 - 5時45分 着 3080円 
東京ー大阪 夜行バス(3列独立シート) 22時40分 発 - 6時45分 着 4500円

西日本に行く場合、大阪よりも神戸三宮から出発したほうが、かなり所要時間が短縮される。神戸から高知まで4時間でいけるのね、大阪から高知だとたしか5時間以上かかった。

おすすめハロプロ楽曲
黄色い自転車とサンドウィッチ(スマイレージ)

黄色い自転車とサンドウィッチ



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チャプター2 青封筒が届くまで~ハロプロのコンサートチケットを入手するには~ 

2020-05-02 23:59:16 | 「目が見えなくなったボクが、どうしてハロプロを好きになるのか。」」
チャプター2 青封筒が届くまで~ハロプロのコンサートチケットを入手するには~

この本のタイトルは、「目が見えなくなったボクがどうしてハロプロを好きになるのか。」このどうしてハロプロを好きになるのか?の「どうして」には2つの意味があります。
1つは、英語で言うところの、WHY、なぜ?どうして?という意味。もう1つは、英語で言うところの、HOW、どのようにして、どうやってという意味
なぜ、私が、ハロプロを好きなのかそして、どうやってハロプロを好きになるのか。この2つの「どうして」について書いていきたいと思います。

まずは、HOWについて、ハロプロの最大の魅力である、そのコンサート、ライブに目の目以内私がどうやって行くのか、北海道小樽で2017年2月に行われたJuice=Juiceのライブに、私がどうやって行ったのか書いていきます。
なお、私が住んでいる大阪から遠く離れた北海道のような場所にまでわざわざコンサートやイベントのために行くことを、アイドルオタク用語では、遠征といいます。また、コンサートを鑑賞することを参戦と言います。
遠征にしろ、参戦にしろ、目の見えない人間にはとても縁遠い言葉です。視覚障害者は、移動障害者であり、情報障害者であるといわれます。遠くにいくこと、そして、そこで何かを見聞きし体験すること、これはもっとも視覚障害者が苦手とすることです。

では、ライブに行くための準備から、目が見えない私がどうやってひとりで、チケットを買い、どのような交通手段で、どうやってホテルを探し、どのような人の力を借りてライブ現場までたどり着くのか書いていきましょう。

まずは、このチャプターでは、チケットの入手まで書いていきます。

ハロプロの各グループは、春と秋に全国ツアーをやることが多くて、そして、その合間の、冬と夏にハロプロメンバー総出演のハロプロコンサート、通称ハロコンの全国ツアーが行います。つまり、年賀ら年中ハロプロはどこかしらでライブをやっているというわけです。

Juice=Juiceはハロプロの中で最もライブを行っているグループで、2015年6月から翌年2016年10月までの、わずか1年4か月間で、225公演という驚愕のライブ数をこなしています。
これは単独ライブの公演数で、このライブの合間には、冬と夏にはハロコンがあり、そしてCD販売促進ミニライブもあるわけで、この225公演というのは驚異的な数字です。
しかも、この225公演というのは、ひとつの会場でずっと行われているいわゆる劇団四季や宝塚過激のような常設の劇場での公演ではなく、全国47都道府県のライブハウスやコンサートホールをまわる全国ライブツアーなのです。
おそらく、これほどまでに短期間にライブをこなしたアイドルはJuice=Juiceがはじめてでしょうし、今後おそらくもうそんなアイドルはでてこないとおもいます。

目の見えない私も、この225公演のうち、私が住んでいる大阪、関西はもちろん、沖縄、台湾と、合計30公演に行きました。
そのことは後述するとして、まずは、そのチケットの入手方法について書いていきたいとおもいます。

ハロプロのチケットはまずはファンクラブで先行受付がおこなわれて、その後、一般発売、チケットぴあ、ローチケなどで販売されます。
おおむね、ライブの3か月前ぐらいにツアー日程が発表され、ファンクラブでのチケット先行申し込み受付がスタートし、1か月前に一般発売がスタートします。

ファンクラブの先行受付、一般発売とも、目の見えない私でもひとりでチケットを買うことができます。
それは、インターネットと、パソコン画面読み上げソフトのおかげです。

ハロプロファンクラブでは、ファンクラブのホームページがあり、そこで、会員番号とパスワードを入力すれば、自分のマイページに入ることができます。そのマイページで、ライブチケットの申し込みができるわけです。
チケット代金の支払いも、マイページに表示される支払い番号をひかえて、コンビニに行けば、その支払い番号のみで、支払いができます。そして、ちゃんとチケット代金を支払えば、ライブの2週間前に、簡易書留郵便で、チケットが送られてきます。

チケットぴあなどの一般発売の場合も、昔のように、ぴあカウンターというお店まで行ってそこでチケットを買う必要は今はありません。自宅で、ぴあのホームページにアクセスして、そこでチケットを買うことができます。チケット代金はクレジットカードで支払うことができ、支払えば発見番号をが通知されるので、その発見番号をもって、セブンイレブンなどに行けばすぐにチケットも発券してもらえます。

ファンクラブにしろ一般発売にしろ、ネットでの申し込みなので、パソコンに画面読み上げソフト(スクリーンリーダーソフトという)がインストールされていれば、または、iPhoneにはじめから備わっているアクセシビリティー機能、画面読み上げ機能(ボイスオーバーと言う)をオンにすれば、視覚障害者ひとりでもハロプロのライブチケットを購入することができます。画面の情報を、合成音声が読み上げてくれるからです。

これはちょっと自虐的に聞こえるかもしれませんが、私はほんといい時代に視覚障害者になったなと思います。
昔は、視覚障害者が文字を読んだり、書いたりすることはできませんでした。新聞を読むにしても、頭をさげて、だれかに読んでもらわないといけませんでしたし、手紙を書くにも、プライバシーを犠牲にしてだれかに書いてもらわないといけませんでした。
それが今では、ネットの新聞記事を、パソコンやiPhoneの合成音声が読み上げてくれますし、パソコンやiPhoneで自分が入力した文字は一文字ずつ読み上げてくれるので、視覚障害者ひとりでも文字を書くことができるようになりました。

初対面の人によく、どうやって文字を書くのですか?どうやってメールを書くのですか?と聞かれます。
私は引っ越しをすると、ご近所さんにあいさつに行きます。ガイドヘルパーさんといっしにょ、自治体指定ごみ袋にのし紙をつけて、簡単な自己紹介の文章をもってあいさつにいきます。自分が視覚障害者であることを積極的にご近所さんには知ってもらいたいので、そのことを文章にして、プリンターでプリントアウトして持っていきます。そのプリントアウトした紙を見て、お年寄りとかは、あら、どうやって文章書かれるの?と驚かれます。お年寄りだけでなく、若い人にもたまにきかれます。
今や視覚障害者でもパソコンやスマホを使えば、自由に文字をかけて、ある程度自由に文字を読むことができる世の中になっていますが、考えてみれば、それはほんの20年ぐらい前からなんですね。パソコンとネットのおかげなんです。

ちなみに、この文章も、Windows10のパソコンで書いています。高知システム開発製のPC-TALKER(PCトーカー)という画面読み上げソフトをインストールして、書いています。
日本語は漢字があるので、漢字変換が必須ですが、画面読み上げソフトは漢字の一文字一文字を説明してくれるので、視覚障害者でもちゃんとこんな文章もしっかりかけます。
「貴社の記者が汽車で帰社した。」
貴社の2文字を、合成音声がどのように読み上げくれるかというと、「貴金属のキ、トオトイ、社会のシャ、ヤシロ」と読み上げるんです。
宮本佳林の場合は、宮殿のキュウ、本箱のホン、佳作のカ、ヨシ、山林のリン、ハヤシと読み上げてくれます。

このように、画面読み上げ機能のおかげで、視覚障害者でもひとりでチケットを申し込むことができますが、できない場合もあります。それは、文字認証を要求するチケットサイトです。
文字認証とは、英数字が変な形にデフォルメされたり、デザイン科されたり、していて、これは何と書いてありますか、それを読み取って入力してくださいというやつです。これは、ロボットによる大量申し込みを防止するために、ロボットでは読み取れないような、人間の目でしか読み取れない画像文字を入力させるものです。
こうなると、視覚障害者ひとりではお手上げです。以前チケットぴあのホームページでも文字認証が導入されて、私ひとりではチケットが買えなくなったことがあります。
でもそれでは困るんです、ハロプロのチケットが手に入らないんです、こまります。ということで、ぴあに苦情と要望のメールを書きました。そしてそれからしばらくたって、文字認証は要求されなくなりました。
私はこういったことをひとつひとつやっていくのが、視覚障害者、全盲ハロプロオタクの氏名だと思っています。

文字認証が求められるチケットサイトは、視覚障害者ひとりではもうお手上げといいましたが、でも、だれかの目を借りれば、そこもクリアできます。
同居の家族に、ちょっと早く来て!!といえばいいんでしょうけど、私のような独身視覚障害者はそれができません。そんなときどうするか、知り合いにラインなどを使って、テレビ電話をすればそのスマホをとおして、知り合いに文字認証を読み取ってもらうことはできます。でも、知り合いが、今まさにテレビ電話にでてくれる保障はありません。そして、夜中や早朝にはなかなかお願いしにくいものです。
そんなときに、私が利用するのは、「BE MY EYES」(ビーマイアイズ 私の目になって!)という無料アプリです。このアプリは、ちょっと誰かこの文章を読んでくれませんかという視覚障害者とちょっとならあなたの目になってあげますよというボランティアさんを一瞬で結びつけるアプリです。そして、視覚障害者のスマホとボランティアさんのスマホをテレビ電話でつなげてくれるアプリです。日本のボランティアさんだけでなく、アメリカにいる日本語が読めるボランティアさんもたくさん登録しているので、日本の深夜や早朝でも、アメリカででは昼間なので、こちらは遠慮することはないんです。これは助かります。ありがたいことに、ボランティアさんにお金を払う必要はありません、無償ボランティアなんです。また、アプリの利用料もいりません、通信料だけがかかるだけです。
これも、インターネットと画面読み上げ機能のあるiPhoneのおかげですね。

最後に、チケットの受け取りです。前述したように、ファンクラブチケットは、簡易書留郵便で送られてきます。
独身だと、家にいることが少ないので、ほとんどの場合、ポストに入っている不在連絡票を確認して、再配達の依頼を電話ですることになります。ここで、視覚障害者が困るのはその不在通知書がわからないということです。不在通知書に何が書いてあるかわからないということです。
そんな視覚障害者のために、郵便局は事前に、お願いしておけば、点字の黄色のプラスチック板を一緒にポストに入れてくれます。その点字のプラスチックの板には、点字で、再配達受付電話番号が開廷あるので、そこに電話すればいいわけです。
さらに、iPhoneを使えるのなら、その不在通知書に張り付けられてあるレシートみたいな紙切れをiPhoneのカメラで読み取れば、そのレシートに印字されてあるバーコードを読み取って、再配達ホームページをiPhoneが表示してくれます。そこで、再配達希望日と時間を入力すれば、再配達依頼完了です。指定した日時に、郵便屋さんが、青部封筒に入ったハロプロのチケットを簡易書留できちんととどけてくれます。

ハロプロのファンクラブチケットは、必ず、青い封筒で届けられます。そしてその青封筒の宛名のところに、コンサート名と座席番号が書いてあります。封筒をあけずとも、その宛名の自分の住所と名前の下のところを読めば、座席がどこかわかります。
私がまだ目が見えていたころは、郵便屋さんから青封筒をうけとり、すぐに、宛名ラベルを見ていました。0列とかA列とかいう文字が書かれているのを見たら、それはもう大喜びで、学生時代に約万をだしたときぐらいの喜びでした。
学生時代真夜中に仲間とマージャンをしていて、約万をだして、うれしくて、家からとびでて、真夜中の静かな町をぐるぐる走り回った思い出があります。それと同じくらいの喜びなのです。ハロプロファンにとっての最前列チケットというのは。

以上のように、現在においては、目の見えない私でも、ネットと画面読み上げ機能のあるパソコンやiPhoneを使えば、ひとりで、ハロプロのチケットはなんなく入手できます。ほんといい時代になりました。
でも逆に言えば、スマホなくしたただそれだけで、絶望に立ち尽くしてしまいますね。

おすすめの視覚障害者用ソフト、アプリ

PC-TALKER(高知システム開発製のパソコン画面読み上げソフト) 役所に申請すれば1割で購入できます。障害福祉サービスの日常生活用具購入補助制度です。
VOICEOVER(ボイスオーバー)機能 iPhoneにはじめから備わっている画面読み上げ機能です。とっても使いやすいので、スマホを持っている視覚障害者のほとんどはアンドロイドではなくiPhoneを使っています。
BE MY EYES(ビーマイアイズ) 全世界のボランティアさんにテレビ電話を通じてこちらの見たい文章などを読み上げてもらう無料アプリ

おすすめのハロプロ楽曲

Juice=Juice『ポップミュージック』(Juice=Juice [Pop Music])(Promotion Edit)

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チャプター1 絶望感の正体

2020-04-29 23:59:49 | 「目が見えなくなったボクが、どうしてハロプロを好きになるのか。」」
チャプター1 絶望感の正体

あなたは、いつか目が見えなくなります。これから、徐々に視力が落ちていき、視野もどんどん狭まっていきます、そして最後には失明します。この病気は両眼性なので、両目とも失明します。
その、いつかは、人によって違います。中には、90歳になっても目が見える人もいれば、5年後に目がほとんど見えなくなる人もいます。それが網膜色素変性症という目の病気です。
そして、この網膜色素変性症は遺伝性の疾患なので、あなたのこどもにも遺伝する可能性があります。
現在、治療法は見つかっていません。

18歳の田舎からでてきたばかりの私はその書店の大きさに驚きつつ、なぜか書店の中に英会話スクールの呼び込みのお姉さんがいて、親しげにはなしかけてくるのを断り切れず10分程度話を聞いて、パンフレットをもらって、それからやっと目的の本棚にたどりついた。
そこは、大阪梅田の大型書店紀伊国屋書店。
本棚から医学大辞典を取り出し、索引で、網膜色素変性症をのページ番号を見つけて、
開いて、すぐに閉じた。

やっぱりそうか、という謎が解けた感覚と、
はじめて絶望感という感覚を感じた。
この時から、私は、どうせいつか目がみえなくなるんだから、今やっていることはすべて無駄だ、
どうせいつか目が見えなくなるんだから、結婚もできないだろう、
もし結婚できたとしても、どうせ目が見えなくなるんだから、それにこどもにも遺伝するのだから、子供もつくらないだろう。
どうせ、どうせ、どうせ、

絶望感というのは、おそろしい死神のような存在かと思ってたけども、
たった3文字、どうせというそのひらがな3文字、これこそが絶望感の招待だとその時私は知った。

絶望感におそわれて、脳にまで酸素がまわらず、くらくらする中、
、急いで本屋から出て、券売機で200円の切符を買って、
阪急電車に乗って、下宿まで帰った。

それから20年後、紀伊国屋書店の医学大辞典の予言どおり、私の目は見えなくなった。

そして、いつの間にか絶望感が私からなくなっていた。
なくなっていたというより、いつの間にか私になじんでいた。
どうせ、どうせ、どうせ、の絶望感の上に、
大阪弁で言いうところの、ほんで、ほんで、標準語で言うところの、それで、それで、という3文字が、上乗せコーティングされた。
お笑い芸人の明石家さんまは、トークゲストから話を聞くときに、その話のオチが弱いと思うと、すかさず、テンポよく、ほんで、ほんでと聞き返す。
ゲストにしてみれば、いやいや、私の話はそこで終わってるんですけども、でもそれに満足しないさんま。ほんで、ほんで。とその先を要求する。
それで、ゲストは気づく、そうかここでおわっちゃだめなのね。

どうせ、どうせと、ほんで、ほんで、
あたかも、苦くてくさいセイロガンが、甘い砂糖でコーティングされて、セイロガン糖衣A錠になって、
その苦さと臭さを感じずに、いつのまにか体に吸収されるように。
どうせとほんでがワンセットになったせいで、
私の体にいつのまにか、絶望感がしんなりなじんでいた。
どうせだけじゃだめなのね。

どうせ、目が見えなくなるんだから、大学行ったって無駄だ。
ほんで?

どうせ、いつか目が見えなくなるんだから、恋愛しても意味がない。
ほんで?

どうせ、いつか目が見えなくなるんだから、就職したって、やめなくちゃいけない。
ほんで?

どうせ、目が見えなくなるんだから子育てなんかできない。
ほんで?

どうせ、子供が持てないのなら結婚する意味がない。
ほんで?

どうせとほんでのハーモニー、どうせにはほんでが必要。ほんでがどうせを相対化してくれる、
絶対的な絶望感であるどうせを相対化してくれるほんで、
どうせ、どうせと思っていたことが、ほんとにそれほど大事なことなの?それって人の人生にどのくらい必要不可欠なことなの?
それができなかったら、ほんとに人生終わりなの?
大学に行けない人、恋愛してない人、働けない人、結婚できない人、子供ができない人、目が見えない人って、
それだけで、みんな不幸せなの?絶望しなくちゃいけないの?
そもそも、目が見えなくなったら、ほんとにそれらのことってできなくなるの?

そうじゃないってことを教えてくれたのが、ハロープロジェクト、ハロプロなんです。
どうせを相対化してくれたのが、ハロプロ、ほんでのその先を教えてくれたのがハロプロ。

この本は、目が見えなくなった私が、どうしてハロプロを好きになるのかをまとめた本です。
この本は、単なるアイドル解説本でもなく、単なる視覚障害者のがんばれ本でもありません。
ハロプロのすばらしさ、視覚障害者の生活の困難さを語るものでもありません。

しいて言うのならば、ハロプロ研修生、宮本佳林のこの言葉、考え方を伝えたいんです。

あなたは、今ハロプロからのデビューを目指して、歌、ダンスのレッスンをがんばっています。
学校、友達、家族、彼氏との時間を犠牲にして、レッスンを一生懸命しています。
だけど、あなたは、デビューできるかどうかわからないんですよ。
いやもっというと、
どうせ、デビューなど、できやしないんですよ。
どうせ、あなたのこの努力はすべて無駄になるんですよ。

そう言う大人に対して、
ハロプロ研修生や宮本佳林は答えを持ち合わせていない。
答えを持ち合わせていないというよりも、その答えは必要がない。

だって、歌うことが好きだもん。ずっと、生き次ぐ暇がないくらい歌っていたいんだもん。
デビューできなくても私歌うたうもん

涙がとまらない、実にいとおしい。

この涙は、私自身への涙でもある。
目が見えなくなっても、勉強したいんだもん。
目が見えなくなっても、ひとりでどこへだって行きたいんだもん。
目が見えなくなっても働きたいんだもん。
目が見えなくなっても、恋したいんだもん、結婚だって、子供たってつくりたいんだもん。
目が見えなくなっても、ママみたいな家族をもって、こう言いたいんだもん。

私、今、幸せ っ!!

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