木全賢のデザイン相談室

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映画好きおじさんの戯言-ハウルの動く城3

2006年01月05日 | 閑話休題
<写真>ゲド戦記


■「ハウルの動く城」その3
108:【映画好きおじさんの戯言】第3回


 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、新年早々、仕事とは関係なくて、申し訳ない。まだ松の内で、御屠蘇気分が抜けていません。次回から、通常版に戻りますので、もう1回だけお付合いください。


「ハウルの動く城」第3回
  お爺さんが語る乙女等へのおとぎ話


 映画好きおじさんの戯言第3回目、映画「ハウルの動く城」について、の最終回です。前回「ハウル」のことを書きました。今回は宮崎監督の次回作について考えてみました。

 この記事は、2004年12月に書いたものを転載しました。経緯は第1回をご覧ください。従って、この記事を書いた時点では、「ゲド戦記」製作のことは全く知りませんでした。宮崎監督の息子さんが監督をされるとはいえ、私の予想は、意外と外れていないような気がしてます。「ゲド」は男の子ですもんね。



宮崎監督の新作は?

 そう言うわけで、おじさん達には、ちょっと分からない感じの映画ではある。前記のような分析をしてみたのだが、自分自身、かなり客観的だ。「カリオストロの城」や「紅の豚」に対するような愛着は、ない。まあ、明らかにターゲットから外れているので、仕方ないと言われればそのとおり。おまけに、上記の分析が正しいかどうか、分からないのだけどね。

 でも、キャラクター造型が、現実の反映であることは間違いがないから、そんなに外れていないような気はする。

 個人的には宮崎アニメの台詞が好きだった。覚悟を決めた主人公達の一言一言が、かっこよかった。そう言う意味では「もののけ姫」は最高。でも、「ハウル」には覚悟を決めた人間が出てこないので、台詞に今ひとつ魅力がない。仕方ないけど、少し残念。

 で、「また、宮崎監督が男の子のために、映画を作ってくれるかどうか」ですが、もしかすると、ポルコとジーナの結末がまだだから、「紅の豚」みたいなのを作るかも知れないけど、「ルパン」や「ラピュタ」まで戻れるかなあ。。。

 「ナウシカ」の新作はどうでしょう?やるかなあ???しんどそうだし、ナウシカは、映像の完成度は仕方ないとしても、話は見事に完結しているし。。。(おじさんとしてはクロトワの「ナウシカ」が見たいですねえ。)

 しかし、「もののけ姫」からの流れで行けば、そろそろ昔に戻る感じがしないでもない。

 「ホルス」の二項対立ではどうしても現実を表現できないから「もののけ姫」で三項、四項、五項、、、、を俎上に上げ、絡ませて新世界の糸口を探った。そこで見えてきたのが鈩場(たたらば)の乙女達。

 「もののけ姫」で得た現実表現方法を拡張させ、アニメ業界、大人の仕事の世界を切った「千と千尋」。

 多分、宮崎監督自身、その手法が面白かったのだろう。盛り込み過ぎて、乙女等へのメッセージが埋もれてしまった。で、もう一度そこだけ強調したのが「ハウル」。

 ここで、ターゲットからの反応に手ごたえを感じたのなら、新たなターゲットに向けて、作品を作るかも知れない。私は「ハウル」に新たなターゲットを見つけられなかったので、反対に希望を持った。

 まだ宮崎監督が作品を作るなら、昔に戻る可能性があるかもしれない。

 最後に。動く城の動きや霧の感じや画面のテイスト、特に城が壊れるシーンは昔むかしのロシアや東欧のアニメの表現をかなりうまく再現している。不思議に手作り感と詩情のある映像というか、心に残る映像でした。

<おわり>


 新年早々、マニアックな話で、失礼しました。次号からは、通常版です。

 本年もよろしくお願い申し上げます。



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