Deeps World

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祟られ村(たたられ村)第六話

2007-01-22 15:24:23 | 祟られ村(たたられ村)自作小説
-------政江おばさんとの話、そして帰宅-------

家に帰るとすぐ二人は、政江に話をしに行った。

政江は反対したかったのだが、二人の強い意志には勝てず、
彼らが戻ってくるまで和子の身の回りを見る約束をしてくれた。

「二人とも、あまり無茶はしないでね。あの館には昔から不吉なうわさ話があって、中に入った者は、誰一人戻ってこないらしいの。
最近は誰も見向きもしないから、本当のことは知らないけど、用心するに越したことはないわ。」

「うん、わかったよ。おばちゃんありがとう。」

「それでは、母をよろしくお願いします。」

「はいはい、わかりましたよ。 あっ、そういうと、昔私がおじいちゃんから、お守り代わりにもらったこれを持って行きなさい。」

そう言いながら、政江は古ダンスの中から何かを取り出すと、それを静恵に手渡した。

それは、卵くらいの大きさの、黄色地に青色の入った、きれいな石であった。

「おばちゃんが小さいころに、おじいちゃんが川の上流で見つけてきたの。
あまりにきれいなので、身につけていると良いことが起こる気がして、ずっとおまもりにしていたんだけど、
そのおかげでたいした病気もなく、これまで元気に暮らして来れたのかも知れないから、これをあなた達にあげるわ。」

「おばちゃんありがとう。 大切に持っていくよ。」

「二人ともがんばってね。」

「はい!」 「うん!」

二人は家に帰ると、すぐに夕食を済ませてから布団に入った。

なかなか寝付けずに今日あった色々なことを思い出していた。

「お姉ちゃん、一緒に寝てもいい?」

「いいわよ。さあ、こっちにお入り。」

「うん。」

武も、明日のことが不安なのだろうか。静恵の腕に抱かれてやっと眠ったようだ。

(私が、この子を守ってあげなければならないのよ。がんばらなくちゃ。)

静恵は、そう自分に言い聞かせ、やっと眠りに入っていった。

遠くで風の音が聞こえる。
それはまるで、石のすすり泣くようにも聞こえたが、眠りについた二人には、気付く事さえなかった。

-------次回へ続く-------