Deeps World

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祟られ村(たたられ村)第十話

2007-02-17 09:56:28 | 祟られ村(たたられ村)自作小説
-------学者の日記-------

静恵は、スタンドの灯火を頼りに、日記を読んだ。日記には、こう書いてあった。

「私がこの村に来てから、もう三年になる。ここに来た頃は、あのはやり病が村人を襲ってしまうのではないかと心配した。
しかし私も学者の端くれだ。何とか薬を作って、村人を助けたいと思った。
そのため、いろいろと研究した結果、この村の特産物である大理石の成分の一部が、はやり病の進行を止める事を発見した。

ただし、一部の限られた大理石のみだが・・・。

私は、困ったことをしてしまった。 研究のため、はやり病に効くかどうか調べるために、マウスなどの実験動物を使った。
しかし、そのうちの数匹が逃げてしまったのだ。

逃げた動物たちが、はやり病のウイルスを持ったまま村の中へ入り込んだら大変なことになる。
そうでなくても、あの動物たちに何か変異でも起きたらどうなることか。
人間を襲うことも考えられる。

私自身は、なにかあったときのために、二階の部屋に護身用のピストルを隠してあるし、出来るだけ外から進入できないように、鍵などにも仕掛けを施してある。
しかし、この館の中に潜んでいるかもしれないので、気を付けるようにしなければならない。

とにかく、早く薬を完成させることだ。

今日これから、村人たちに持ってきてくれるように頼んである大理石から成分を抽出して、これまでの研究で出来上がった溶液と混合させれば、薬は完成するはずだ。

あの大きな大理石なら、必ず最高の成分が取り出せることだろう。
自分を信じ、村人が大理石を持ってくるのを待つとしよう。」

・・・静恵は日記を読み終えると、色々なことを考えた。

(そうか。この日記は、竜吉じいちゃんが言っていたことと同じだわ。たぶん学者は、この後に石の下敷きになってしまったのね。
もう少しで薬が完成するはずだったのに、かわいそうだわ。

でも、じいちゃんの話では、思ったほど、はやり病は広がらなかったらしいわ。
だいたい、ウイルスを持った動物たちが村を襲ったなんて話も聞いたことないしおかしいわ。
とにかく、色々さがしてみないと謎は解けないわね。)

そう考えながら、日記をしまおうとしたとき、本棚の奥に何かあることに気がついた。

-------次回へ続く-------