DK大衆食の旅3

路麺好きがそんな感じで巡る大衆食の旅。

関根屋@小平

2015年10月29日 | そばうどん
小平の駅から青梅街道に出る。

20年程前、しょっちゅう三多摩を原付でうろうろしてた。

武蔵野の古い街道沿いには所々大きな欅の木立がある。
遠くに見えるその欅に向かって走り、だんだんと近づき大きくなる欅の横を走り去る。その感覚がなんだか好きだった。



だから今回初めての関根屋なんだけど、その隣にある欅の木は当時何度も見ていたんだと思う。



小平糧うどん。広範囲に及ぶ武蔵野うどんのなかでも、比較的明確な歴史と作法を持ったうどんだ。
大衆そば、路麺の源流を探る自分にとってもこれはぜひ一度!と思いながら一年近く。やっとこれました^^;



冷の天ぷらうどんの小380と焼き団子100をお願いしたら、はいちょうど焼きたて!と焼き団子を手渡された。なんかいいなこの感じ(笑)

上新粉を捏ねて作った大きな団子。炭火で焼いた醤油の香ばしい匂いがいい。以前に志木の丸金うどんでも食べたコトがある。これもまた武蔵野の飾らないおいしさ。



そして団子をふたつぶ食べたところでうどんが届いた。つまり茹で置きと言うこと。

この店は小平糧うどんの中でも古くからのスタイルを継承する店だ。埼玉でも小平でも昔のうどん屋は予め茹でて置いた麺を提供するという事だな。



ただ、自分は開店直後にオジャマしたので、見ての通り、茹でたての麺にありつけて。すばらしいコシ、むにゅもにゅした噛み心地。むふー(^^)

で、いわゆる武蔵野うどんよりはだいぶ細打ちの麺、そして、笑っちゃうくらいに麺が長いね。実はこれ一本なんじゃ?と思ったくらい(笑)



糧(かて=付合せの茹で野菜)はキャベツ。これがまたいい。



ほーら、こーやって麺と一緒に。いりこと昆布が効いた熱汁に潜らせて。くうううーうましぎーる(^^)


元々は各家庭で作られ、時代と共に進む方向をシフトさせてきた武蔵野うどん。
それはまるで関東を流れる幾筋もの河の流れの様だ。
広い平野部を蛇行し、流れを変え、合流し、海に向かって太く大きくなっていく。

そのひとつの原型を留める関根屋のうどん。この地の風土文化から生まれた大衆うどんの生き証人である。